令和8年4月
産業医活動を通して
時任 裕一
(北薩地域産業保健センター 登録産業医)
(ときとうクリニック院長)
薩摩川内市で、内科のクリニックを開業しております時任と申します。産業医としても、活動をさせていただいております。その一つとして、北薩地域産業保健センターの運営のお手伝いや、同センターにご依頼いただいた、健康診断を基にした就業判定などを行っております。また、その他には、県や市など行政との仕事も、いくつか行っております。長時間労働者との面談や、学校職員の衛生委員会などへの出席といったことを行っています。以前は、企業の嘱託産業医として、安全衛生委員会への出席や、職場巡視なども行っていましたが、最近はそういった現場での活動は行えずにおります。どうしても、時間的な問題があり、なかなか活動が広げられずにおります。
ところで最近気になっていることとして、法律が改正されているストレスチェック制度に関することがあります。2015年12月から開始されたストレスチェック制度は、当初常時50人以上の事業場に義務付けられましたが、2025年5月に50人未満の事業場にも義務化されることが決定されています。施行は3年以内ということで2028年5月までには義務化されるようです。健康問題を始め、様々な問題がある中で、メンタル不調に関する問題は、重要なもののひとつとなっています。ハラスメントや、休業問題、さらに自殺など。現代の社会で問題となっていることへの、前段階とも考えられます。大きなリスクとなる前に、何らかの対応ができることが必要なのだろうと思います。そういったことへの対応も可能となるのかもしれません。しかし、周囲を見ても、まだ全事業場で、ストレスチェックを行うといった様子が見られないようにも思います。もちろん健康診断などきちんと行っている企業では、既に、ストレスチェックも取り入れているところがあるようです。しかし、こういったことをご存じないところもあるように思います。これから、さらに周知されていくのでしょう。もっとも、私自身のクリニックでどのように行うのか、まだ決めていないという問題もあるのですが。
ところで、先日ご相談受けたことがありました。3,4カ所の施設をお持ちの法人の方です。法人内で、労働者が50人超えたので、産業医はどうなのかというお話しでした。法律の用語や、解釈などは難しいですが、事業場ごとの労働者なので、同一法人でも、別々のものであれば、それぞれ別に考えるので、産業医の選定は必要ではないのではないかとお答えしました。きちんと確認することをお勧めしました。これで正しいと思っているのですが、その後のお話しがありませんので、どうなったのでしょう。日常臨床でも、考えさせられることが多いですが、産業保健のことも、まだまだ、知識や経験が不足しているようです。これからも、できる範囲内ではありますが、活動を頑張りたいと思います。
産業医だより 2026年4月