お知らせ

メールレター第196号

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     ≪「さんぽ鹿児島」メールレター≫ 第196号   2019/7/2

            発行:鹿児島産業保健総合支援センター 
                        所長 草野 健
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相談員からのメッセージ confident

あなどれない口のバイ菌

産業保健相談員 松下 幸誠  
担当分野:産業医学

 口のバイ菌が脳梗塞患者の脳内で発見されたという研究結果が最近、アメリカ心臓協会の雑誌に載りました。脳卒中などの脳血管疾患に関係している可能性もあるといいます。実は、かなり前より血管の病変や心筋梗塞の血栓に、なぜか口のバイ菌が見つかることは知られていました。思っている以上に口のバイ菌は、血液内に簡単に侵入するのかもしれません。しかしながら、本来は細菌やウイルスが通過できないはずの脳内に口のバイ菌が存在したことは衝撃的です。さらに、ショッキングな研究結果も続きます。歯周病の極悪原因菌の一つ、「ポルフィロモナス・ジンジバリス菌がアルツハイマー病患者の脳内で確認された」というものです。このバイ菌は、組織を溶かす毒素を出して侵入、歯を支える歯ぐきや骨を壊して歯周病を引き起こします。おそらくは、この毒素を持って脳内に侵入するものと思われます。さらに、なんとこの研究結果より、毒素を阻害するアルツハイマー病治療薬が開発中とのことです。歯周病が糖尿病と関わることはよく知られているますが、血管の病気や認知症との関係も言われ始めているのをみると口のバイ菌がいかにあなどれないかを思い知らされます。心疾患や血管のリスク因子は、高血圧や高コレステロール、運動不足、糖尿病、喫煙習慣、肥満などですが、様々な研究結果は、定期的に歯科のメンテナンスを受けることも脳卒中などのリスクを低くできる一つの可能性であることを示しています。

おすすめ教材(無料貸出し等) book 

当センターでは、産業保健に関する図書、ビデオ・DVDを無料にて閲覧・貸出ができます。ぜひご利用ください。

  おすすめ図書 book

新しい腰痛対策Q&A21
(貸出番号:4-108)

【概要】
本書は腰痛に関する21のクエスチョンに対し、適切なアンサーが簡潔に述べられており、予防、治療に関するチェックポイントなど保健指導の要点から見落としてはいけない鑑別診断まで、臨床科や産業保健スタッフが患者の診療、労働者の保健指導に今日から役立てられる事項が網羅されています。

  おすすめDVDmovie

真夏の建設現場? 熱中症の危険と脳梗塞
(貸出番号:5-49)

【概要】
■ 熱中症の分類とその症状を確認しておこう
■ 熱中症の応急処置。予防対策
■ 脳梗塞とは(原因・予防法) … 他

※今月のおすすめ詳細
https://kagoshimas.johas.go.jp/library/library_category/recommend

研修セミナーのご案内 pencil

すべてのセミナーにどなたでもご参加いただけます。
(定員は各セミナー30名、会場は光健ボイスビルです)

7月 ※特に記載のないものは会場 光健ボイスビルです。
3(水)
14:00-16:00

AB 安全衛生委員会での衛生講話ネタを蔵出し・上半期 冨宿 明子*
労働衛生コンサルタント
5(金)
14:00-16:00

AB ストレスチェック制度における事例検討
小田原 努*
ヘルスサポートセンター鹿児島 所長
6()
14:00-16:00
県医師会主催
AC
THP
健康づくりのための運動指導について
会場:鹿児島県医師会館(鹿児島市中央町8-1)
産業医の方は鹿児島県医師会(FAX:099-254-8129)へ直接お申込みください
前田 雅人*
鹿児島大学教育学部保健体育科 教授
桑原 祐一
㈱ニチガスクリエートアーバン・ウェルネス・クラブエルグ 健康運動指導士
6()
16:10-17:10
県医師会主催
AC
THP 
労働衛生関係法令~産業医の機能強化に関する安衛法改正~
会場:鹿児島県医師会館(鹿児島市中央町8-1)
産業医の方は鹿児島県医師会(FAX:099-254-8129)へ直接お申込みください
勝田 清人
鹿児島産業保健総合支援センター副所長
10(水)
14:00-16:00

ABC メンタルヘルス不調者にみられる精神症状 長友 医継*
医療法人玉水会病院 心療内科部長
18(木)
14:00-16:00

ABC 職場巡視と労働衛生管理 黒沢 郁夫*
黒沢労働安全衛生コンサルタント事務所 所長
22(月)
18:00-20:00

ABC 職域における身体活動と健康 堀内 正久*
鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科衛生学・健康増進医学 教授
23(火)
14:00-16:00

ABC 職場の喫煙対策 徳留 修身*
元・保健所長(鹿児島県及び鹿児島市)
31(水)
14:00-16:00

AB 安全衛生委員会での衛生講話ネタを蔵出し・下半期 冨宿 明子*
労働衛生コンサルタント
8月 ※特に記載のないものは会場 光健ボイスビルです。
1(木)
14:00-16:00

ABC 性格と人格~パーソナリティ障害の事例も含めて~  赤崎 安昭*
鹿児島大学医学部保健学科 教授
9(金)
14:00-16:00

ABC <パワハラ・セクハラ>のメンタルヘルス・カウンセリングⅢ ~トラウマ(心的外傷 PTSD)をめぐって~ 久留 一郎*
鹿児島大学名誉教授
16(金)
14:00-16:00

ABC 健診の事後措置について 小田原 努*
ヘルスサポートセンター鹿児島 所長
20(火)
14:00-16:00

ABC 労働衛生工学概論(発散抑制対策と保護具) 東 正樹*
(株)鹿児島環境測定分析センター 代表取締役
23(金)
14:00-16:00

ABC 高血糖予防のための食事運動指導 德永 龍子*
鹿児島純心女子大学 名誉教授
26(月)
14:00-16:00

ABC 障害者を雇用するときに気を付けること 冨宿 明子*
労働衛生コンサルタント
28(水)
14:00-16:00

ABC 精神疾患と自動車運転 長友 医継*
医療法人玉水会病院 心療内科部長

※講師*印:当センター産業保健相談員
※各研修会には定員があります。申し込みがないまま当日来られた場合、会場や資料の関係で受講できない場合がありますので必ず申し込みをしてください。
※受講できなくなった場合は必ずご連絡ください。

お知らせ

<鹿児島産業保健総合支援センター>

産業保健に関するご質問・ご相談を受け付けています。

当センターでは、メンタルヘルス対策や治療と仕事の両立支援対策をはじめ、産業保健に関する様々なご質問・ご相談を受け付けています。お気軽にご相談ください。
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/otoiawase

地域産業保健センターでは登録保健師を募集しています

鹿児島産業保健総合支援センターの地域窓口である
○ 姶良・伊佐地域産業保健センター
(霧島市隼人町内山田1-6-62 姶良地区医師会内)
○ 南薩地域産業保健センター
(南さつま市加世田村原1-3-13 南薩医師会内)
○ 曽於地域産業保健センター
(曽於市大隅町月野894 曽於医師会立病院内)

の3つの地域産業保健センターでは、それぞれのセンターに登録していただき、保健師として活動していただける保健師を募集しています。

お問い合わせは、鹿児島産業保健総合支援センター(TEL:099-252-8002 仮山)まで。
https://kagoshimas.johas.go.jp/s3_image/information/kyujin-hokenshi.pdf

7月~9月の両立支援(出張)相談窓口

当センターでは、センター内の相談窓口のほかに、鹿児島医療センターと鹿児島大学病院に、治療と職業生活のための両立支援出張相談窓口を開設しています。設置状況は次のとおりです。
(1)鹿児島産業保健総合支援センター
         相談窓口開設日時・・・平日 8:30~17:15

(2)国立病院機構 鹿児島医療センター がん相談支援センター内
         相談窓口開設日時・・毎月第1・3火曜日 10時~13時
               7月の相談日 → 2日(火)・16日(火)
               8月の相談日 → 6日(火)・20日(火)
               9月の相談日 → 3日(火)・17日(火)

(3)鹿児島大学病院 地域医療連携センター内
         相談窓口開設日時・・毎月第3木曜日 10時~12時(事前予約が必要です)
               7月の相談日 → 18日(木)
               8月の相談日 → 15日(木)
               9月の相談日 → 19日(木)

鹿児島産業保健総合支援センターの産業保健専門職(保健師)および両立支援促進員がそれぞれの医療機関のソーシャルワーカーなどと連携してご相談に応じます。相談は無料です。両立支援に関するお悩み等にについてご相談下さい。

詳細
▼両立支援出張相談窓口
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/madoguchiitiran.pdf
▼鹿児島医療センター内(リーフレット)
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/ryouritusien-iryousennta.pdf
▼鹿児島大学病院地域医療連携センター内(リーフレット)
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/ryouritusien-kadaibyoin.pdf
▼鹿児島産業保健総合支援センター 相談窓口(リーフレット)
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/ryouritusien-sanpo.pdf

 

<労働者健康安全機構情報>

治療と仕事の両立支援に関する特別マンガが公開されました!~もしも「サラリーマン金太郎」が中小企業の社長だったら…~

https://www.johas.go.jp/Portals/0/data0/sanpo/topics/ryoritsushien_kintaro2019.pdf

平成31年度上半期(7月~9月)両立支援コーディネーター基礎研修日程

https://www.johas.go.jp/ryoritsumodel/tabid/1426/Default.aspx
※令和元年11月29日(金)に鹿児島でも開催されます。受付期間は、9月2日(月)13時から9月6日(金)17時まで、結果通知は、9月17日(火)にメールで通知されます。機構HPよりお申し込みください。

労災疾病等医学研究普及サイトのご案内

○労災疾病等医学研究普及サイト

労働者健康安全機構では、労働災害の発生状況や行政のニーズを踏まえ、労災補償政策上重要なテーマや新たな政策課題について、時宜に応じた研究に取り組んでいます。
https://www.research.johas.go.jp/index.html

 

<厚生労働省情報>

保健衛生業及び陸上貨物運送事業に対する腰痛予防対策講習会が開催されます!

業務に起因する腰痛は、業務上疾病に占める割合が最も多く、発生業種も多岐にわたるなど、各事業場における継続的かつ確実な予防対策が必要です。特に、看護・介護などの保健衛生業や陸上貨物運送事業において多発している状況を踏まえ、厚生労働省では、第13次労働災害防止計画において「第三次産業及び陸上貨物運送事業の腰痛による死傷者数を2017年と比較して、2022年までに死傷年千人率で5%以上減少させる。」という目標を掲げて重点的に腰痛予防対策に取り組んでいます。

今般、厚生労働省では、腰痛による労働災害を防止することを目的として、腰痛予防対策講習会がすべての都道府県で開催されることとなりました。

https://www.mhlw.go.jp/content/000513022.pdf

労災補償の対象となる疾病の範囲を定めた職業病リストを改正しました!

厚生労働省では、「職業病リスト」を改正し、「オルトートルイジンにさらされる業務による膀胱(ぼうこう)がん」を新たに追加しました。

https://www.mhlw.go.jp/content/000515217.pdf

令和元年「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」実施中

令和元年5月1日から9月 30 日まで「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」が実施されています。令和元年7月は重点取組期間です。

https://kagoshimas.johas.go.jp/trivia/trivia_category/cat378

令和元年度「全国安全週間」(7月1日~7日)

厚生労働省では7月1日から1週間、「全国安全週間」を実施します。また、平成31年度のスローガンは、「新たな時代に PDCA みんなで築こう ゼロ災職場」に決定されました。

https://www.mhlw.go.jp/content/11302000/000492804.pdf

 

<鹿児島労働局情報>

監督実施事業場の約7割で法令違反(平成30年) ~法違反の約2割が労働時間関係~

鹿児島労働局は、平成30年に管内の労働基準監督署(鹿児島、川内、鹿屋、加治木、名瀬)が実施した定期監督等の監督指導及び書類送検の実施結果について公表しました。

監督実施事業場の約7割で法令違反が認められ、法違反の約2割が労働時間関係とのことです。

https://jsite.mhlw.go.jp/kagoshima-roudoukyoku/content/contents/2019-0612-2_20190612.pdf

平成30年度「過重労働解消キャンペーン」の重点監督の実施結果を公表

鹿児島労働局は、昨年11月に実施した「過重労働解消キャンペーン」における重点監督の実施結果について公表しました。

労働基準関係法令の違反が疑われる51事業場に対して実施したところ、38事業場で労働基準関係法令違反を確認し、そのうち19事業場で違法な時間外労働が認められました。

鹿児島労働局では今後も、長時間労働の是正に向けた取組を積極的に行っていくこととしています。

https://jsite.mhlw.go.jp/kagoshima-roudoukyoku/content/contents/2019-0612-1_20190612.pdf

令和元年の労働災害発生状況

○ 令和元年(5月末速報)
□ 死亡者数は4人で、前年と同数。
□ 休業4日以上の死傷者数は601人で、前年に比べ37人(5.8%)減。

 

<  鹿児島県情報  >

令和元年度「働き方改革」推進トップセミナーの開催について(鹿児島県商工労働水産部)

鹿児島県では、長時間労働の是正や年次有給休暇の取得義務化など、働き方改革を推進する関係の法律の施行が今年4月から本格的に始まったことを踏まえ、中小企業等の皆様に働き方改革推進の好事例の紹介やすぐに取り組むべき法律の説明を行う「働き方改革推進トップセミナー」が鹿児島労働局との共催により開催されます。

https://www.pref.kagoshima.jp/af04/rousei/r1roudousemina.html

 

<  日本労働安全衛生コンサルタント会情報 >

 職場における受動喫煙防止対策に関するご相談(平成31年度厚生労働省委託事業)

日本労働安全衛生コンサルタント会では、厚生労働省より委託を受けて、職場における受動喫煙防止対策に関するご相談を行っています。

http://www.jashcon.or.jp/contents/second-hand-smoke

 

<  日本作業環境測定協会情報  >

第33回(令和元年度)全国作業環境測定・評価推進運動が全国的に展開されます!

日本作業環境測定協会では、作業環境測定の実施率の向上と普及を目的に、昭和62年度から「作業環境測定・評価推進運動」を全国的に展開しており、本年度は第33回目となります。

9月1日から30日までの運動期間に向け、6月1日から8月31日までは準備期間となっています。本年度の推進運動における標語は、「当たり前のいつもの事こそ 定期に測定 日々の安心」です。

https://www.jawe.or.jp/sokutei/suishin.html

 

編集後記

   ここ鹿児島市は降雨量の少ないままに梅雨が明けそうな気配、と思っていたら線状降雨帯が相次いで襲って利かした。大自然の営みには抗すべくもなく、ただ8.6のような水害が起こらないことを祈るのみです。天候異変が当たり前のようになり、異常気象という言葉が無意味のような時代になっているようです。尤も地球何十億年の歴史からみれば僅かな微変動の範囲なのかもしれません。

   ともあれ、日本は平成の時代が終わり、令和時代となりました。万葉学者によれば令和とは「麗しい日本」という意味になるとか。天災・人災が相次いだ平成と異なり令和時代には、天災の起こらないことを期待し祈るのみですが、せめて人災だけは起こらないようにしたいものです。

   一億総中流と言われ一人当たり平均所得も米国を抜いて繁栄を謳歌していた1980年頃には誰もが予想しなかった経済不況が平成時代を通じて進行しました。昭和から平成へ変わる頃には、猛烈社員やエコノミックアニマル等の言葉が流行り、「24時間戦えますか」等のCMもTVで流されていました。国民挙げて「より豊かな社会」作りに精出していましたが、平成中期にはモノが溢れる程の物資的豊かさを獲得できていたようです。地球資源に限りがあり、開発途上国もそれなりに経済発展を遂げだすと、さらに大きな利潤を生む余地は加速的に縮小します。現在ではGDPを増大させている産業は製造業ではなく情報産業にシフトしています。市場原理主義に基づく新自由主義資本経済は必然として金融資本主義に移行しましたが、利潤増大を最大最高命題とする限り、地球資源の限界が明確になった今日では既にその発展は限界であり、後は格差拡大による弱者・敗者からの収奪を大きくするしか方法がないのは自明のことと思われます。

   50数年以上前の多感で正義感も強かった10代半ばの頃。御多分に洩れず私もマルキシズムの洗礼を受けました。その中で,唯物史観や唯物弁証法には若干の違和感や疑問を持ちましたが、「労働の阻害」という概念に瞠目させられた覚えがあります。

   働き方改革は、労働者の健康を守る目的からすれば大いに推進すべきことです。然しながら、今日の労働者のメンタル障害の最大要因は長時間労働ではなく、「阻害された労働」の増大にあると考えます。マルキシズムでは、労働によって生じた付加価値が労働者本人のものとはならないことが労働阻害の要因と理解しましたが、欧米先進国とは異なり、日本人は労働の価値をその付加価値が自己のものとなるか否かではなく「世の中や人々のお役」に立つか否かに置く心性を強く持っています。
そのため、平成初期までは、国民が物質的に豊かになることに「お役に立つ」労働は如何に長時間であろうとストレス要因とはなり得なかったと言えます。しかし、「モノ余り」と言われる程に物質的には豊かになり、その意味の目的を達した後の労働では「モノづくり」に意義を感じるのは困難です。それでも「ものづくり」中心に経済発展を追求することや、また管理者・為政者の便のみを図るような「手順」「マニュアル」等の厳守の強化は、労働阻害そのものです。

   働き方改革の目的達成のためには阻害された労働を極力排して、働く者皆が労働の成果に価値を見出すように、意義を感じるように、そのことをこそ重点活動とすべきです。このことを政府に頼らず産業保健現場で力強く追及して行きたいものです。