メールレター 第262号
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≪「さんぽ鹿児島」メールレター≫ 第262号(2025.1)
発行:鹿児島産業保健総合支援センター
所長 草野 健
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旧年中は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます
本年も何卒よろしくお願い申し上げます
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相談員からのメッセージ
化学物質のリスクアセスメントについて
産業保健相談員 田原 崇志
(株式会社鹿児島環境測定分析センター)
(担当分野:労働衛生工学)
2024年の大谷翔平投手は、右ひじのリハビリ中にもかかわらず50-50を達成するなどメジャーリーグで大活躍でした。私も毎日楽しみにして元気をいただいておりました。その中で59盗塁というとてつもない記録を打ち立てたのですが、盗塁成功率が非常に高いレベルでした。その理由の一つは相手投手の研究にあるそうです。
相手投手の研究に関しては、大谷投手は試合前に相手投手の投球の特徴やタイミングを把握し、それを基に戦略を立てて盗塁を行うそうです。例えば、打者に投球する際にグローブを下げる癖がある場合には、そのタイミングを見計らって盗塁していたそうです。
化学物質のリスクアセスメントも同じく化学物質の毒性や特徴等を把握し、どの程度暴露されるかを把握して、それらを基に戦略を立てて対策を行います。
その際に強力な味方になってくれるのが「クリエイトシンプル」です。このソフトは厚生労働省が無償で作成・更新・配布しており、事業所で使用する化学物質のリスクがどの程度なのかを推定し対策することができます。(“クリエイトシンプル”と検索すると、職場のあんぜんサイト内にExcelファイルがありますので、そこからダウンロードすることができます)
必要な情報は、まず化学物質名と含有量で、入力するとクリエイトシンプルがその物質の毒性などを表示してくれます。次に作業内容の質問(15問)に回答します。化学物質を使用する際の詳細を入力します。例として化学物質の取扱量や作業内容(スプレー作業や塗布作業)、作業場の換気状況(局所排気装置の有無等)や取扱時間や取扱頻度等です。入力後にどの程度リスクがあるのか推定し、評価してくれます。
労働者から化学物質による被害を防止するために、まずはクリエイトシンプルでリスクを推定してリスクが高いものから優先的に対策を行い、リスクを一定以下にする流れを早めに確立していただくようにお願いいたします。
産業保健研修会のご案内(1~3月開催分 受付中!)
┏―[ 産業保健研修会の詳細・申込はこちらから ]―――――┓
https://kagoshimas.johas.go.jp/information/h2335
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■産業保健研修会の申込方法の変更に関する重要なお知らせです!
お申込み時の個人情報の管理を徹底するため、令和7年4月からFAXでのお申込みを廃止させていただくこととなりました。
令和7年4月以降は、お申込みフォームもしくはホームページからの手続きとなります。ご理解のほど、よろしくお願い申し上げます。
当センター主催のセミナーのご案内(受付中!)
当センターでは産業保健研修会以外に、事業場向けのセミナーも開催しています。
ホームページにセミナーの専用ページを開設しておりますので、産業保健活動の取組みにお役立てください。
https://kagoshimas.johas.go.jp/information/seminar
※以下のセミナーは全て日医認定産業医の単位取得はできません。産業医の皆様におかれましては、予めご了承ください
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働く女性の健康セミナーのご案内【再掲】
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女性活躍推進法が施行され、企業における女性の活躍推進が求められている今、女性の健康支援をすることは、企業にとって、長期的な人材の確保や生産性の向上といったメリットをもたらすとともに、人材の定着に基づくキャリアアップや管理職登用につながることも期待されます。少子高齢化により人材不足が深まる中、増々期待される女性の活躍を推進するうえで、女性の健康支援は、欠かせない取り組みです。
女性が働きやすい職場は、男女ともに働きやすい職場につながります。
女性の健康支援を通じて、誰もが健康で生き生きと働くことのできる職場づくりに、取り組んでいただく機会として、今回セミナーを開催します。
是非、ご参加ください。
※今回のセミナーは日医認定産業医の単位取得はできません。
産業医の皆様におかれましては、予めご了承ください。
日 時 | 令和7年1月26日(日)14時00分~16時00分 |
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会 場 | 鹿児島市立天文館図書館 4階交流スペース (鹿児島市千日町1-1 センテラス天文館) |
対象者 | どなたでも(参加無料) |
内 容 |
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定 員 | 40名 |
申 込 方 法 |
メールフォーム https://ssl.formman.com/t/rtbm/ ※令和7年1月20日(月)までにお申し込みください。 |
※このセミナーでは、「働く女性のキャリア個別相談会(事前予約制)」も開催します。時間は、13時から14時までで、場所はセミナーと同じ会場です。
お知らせ
<鹿児島産業保健総合支援センター>
産業保健に関するご質問・ご相談を受け付けています。
治療と仕事の両立支援対策やメンタルヘルス対策をはじめ、産業保健に関する様々なご質問・ご相談を受け付けています。(オンラインによる相談も可能です。)電話やFAX、ホームページからお気軽にご相談ください。
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/otoiawase
▼「さんぽセンターWebひろば」の専用ページ
https://www.johas.go.jp/Portals/0/sanpocenter/webhiroba.html
治療と仕事の両立支援について
治療と仕事の両立に関するお悩み等について、事業場関係者や産業保健スタッフ、がんなど反復・継続して治療が必要な患者(労働者)やその家族からの相談に、当センターのメンタルヘルス対策・両立支援促進員又は産業保健専門職(保健師)が相談に応じます。(オンラインによる相談も可能です。)
両立支援に関する相談、各種支援は無料です。
▼治療と仕事の両立支援(支援内容、相談窓口、申込フォームなど)
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/cat765
医療機関の両立支援(出張)相談窓口につきましては、事前予約の状況等により、窓口業務を中止する可能性がありますので、当センターのホームページで事前に確認いただきますようお願いいたします。
▼「治療と仕事の両立支援」の専用ページ
https://www.ryoritsushien.johas.go.jp/blackjack/
メンタルヘルス対策支援について
当センターのメンタルヘルス対策・両立支援促進員(産業カウンセラーや社会保険労務士など)が事業場に訪問し、職場のメンタルヘルス対策に関する取り組みを無料で支援します。
また、事業場訪問以外のご相談(対面・電話・メール・オンライン)にも対応いたします。オンラインによる研修も対応可能です。
▼メンタルへルス対策支援(支援内容、申込フォームなど)
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/mental
運動指導等支援について
健康で安心して働ける職場環境の形成を支援するという産業保健の観点から、運動指導等を通じた労働者の健康保持増進について取り組むため、産業保健相談員(健康運動指導士)による個別訪問支援等を実施しています。事業場が行う健康教育等において、是非、ご活用ください。
▼運動指導等支援(支援内容、申込フォーム)
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/undou
地域産業保健センター(地域窓口)について
各地域産業保健センターでは、労働者数50人未満の小規模事業場の事業主や労働者を対象に、健康診断結果の意見聴取、健康相談、長時間労働者や高ストレス者に対する面接指導、保健指導等の産業保健サービスを無料で行っています。
▼地域産業保健センターについて
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/cat638
<労働者健康安全機構情報>
労災疾病等医学研究普及サイトのご案内
労働者健康安全機構では、労働災害の発生状況や行政のニーズを踏まえ、労災補償政策上重要なテーマや新たな政策課題について、時宜に応じた研究に取り組んでいます。
▼労災疾病等医学研究普及サイト
https://www.research.johas.go.jp/index.html
▼「生活習慣病」について
https://www.research.johas.go.jp/seikatsu2018/index.html
▼「メンタルヘルス」について
https://www.research.johas.go.jp/mental2018/index.html
▼「アスベスト」について
https://www.research.johas.go.jp/asbesto2018/
▼「治療と仕事の両立支援コーディネーターマニュアル」について
★両立支援コーディネーターマニュアルはこちら
https://www.johas.go.jp/ryoritsumodel/tabid/1047/Default.aspx
★両立支援コーディネーターについて知りたい方はこちら
https://www.research.johas.go.jp/ryoritsucoo/
▼「病職歴データベースを活用した研究」について
https://www.research.johas.go.jp/bs/
<厚生労働省情報>
化学物質による労働災害防止のための新たな規制について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000099121_00005.html
転倒予防・腰痛予防の取組について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000111055.html
化学物質管理強調月間を創設します
職場において製造または取り扱われる化学物質は、数万程度存在すると言われています。そのうち、人間や環境に対する危険性・有害性を有する化学物質は約3,200程度あることがわかっています。厚生労働省では、化学物質による労働災害を防止するため、労働安全衛生法に基づく新たな化学物質規制を導入し、令和6年4月から施行しています。また、環境省では、国際的な潮流も踏まえつつ、持続可能な社会の実現に向け、事業者による化学物質の自主的管理の改善を促進すること等により、環境の保全上の支障の未然防止を図っているところです。
この度、新たな化学物質管理にかかる国際的な動きや化学物質規制が幅広い産業に適用されることを契機とし、厚生労働省及び中央労働災害防止協会が主唱し、環境省の協力のもと、広く一般に職場における危険・有害な化学物質管理の重要性に関する意識の高揚を図るとともに、化学物質管理活動の定着を図るため、化学物質管理強調月間を創設します。
本月間は令和7年2月を第1回とし、毎年2月に実施します。
▼化学物質管理強調月間の創設について
https://www.mhlw.go.jp/content/11305000/001249565.pdf
<鹿児島労働局情報>
鹿児島県内の労働災害発生状況
◯令和6年発生分(11月末)
https://jsite.mhlw.go.jp/kagoshima-roudoukyoku/jirei_toukei/toukei/saigaitoukei_jirei.html
最新の業種別労働災害発生状況
⇒「令和6年における業種別労働災害発生状況」をクリック
所長コラム
謹賀新年。令和も7年となり21世紀最初の四半世紀最後の年があけた。皆様はどのように新年を迎えたでしょうか。
世界的に政治状況は不安定で変動がさらに大きくなりそう。付随して経済状況も見通しが立たず混迷度が増しそうである。GDP中心に経済状態を評価することには「最近の金融資本主義経済下では不適当な感無きにしも非ず」だが、我が国の経済力が低下していることは確かなようである。高度経済成長下での感覚は一変する必要があろう。最近の相次ぐ「天変地異」は古来からの言い伝えのように「人の世の乱れ」が「天」に届いた所為なのか、とでも思いたくなる。温暖化に経済活動が影響しているのは紛れもなく、二酸化炭素排出削減対策としての代替発電も自然破壊の一因にもなっている。地球自然を人間の都合で改変し利用する活動が地球生態系を乱しているのは間違いなさそう。
今年は、最賃増加に加え課税所得額引き上げや年金加入枠の拡大などの政策が相次ぐ。さらに物価高騰への対応として税制だけでなく各種制度の改変も相次ぎそうであるが、産業保健の立場からは働く人の生活・健康が保持されることが一番肝要なこと。企業が利潤追求を自由に行えるのもその活動が直接的にも間接的にも国民の福祉向上(=国民一人一人の健康的文化的生活の保持増進)を前提とするものである。
人間も地球の一部であることを自覚し、自然環境・生態系に即した経済活動を創っていく方向へ舵を切る年にしたいものである。