お知らせ

メールレター 第204号

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≪「さんぽ鹿児島」メールレター≫ 第203号
               2020/3/2

   発行:鹿児島産業保健総合支援センター
              所長 草野 健

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相談員からのメッセージ confident

「ゲーム障害」という病名と対応

産業保健相談員 竹元 隆洋
         (指宿竹元病院)
(担当分野:メンタルヘルス)

古くは1995年に「インターネット嗜癖」とか依存症と呼ばれてきたが、2013年米国精神医学会が「インターネットゲーム障害」と命名した。ところが2019年5月にはWHO(世界保健機関)は「ゲーム障害」という病名に統一して2022年1月より発効する予定になった。子どもから大人まで、今や爆発的に普及してますます深刻な問題が発生している。
日本の10歳~29歳の5096人の回答では2時間以上使用が30%で、この群には色々な問題が発生してくる。「ゲーム障害」の定義(診断基準)は①オンラインゲームやテレビゲームをしたい衝動が抑えられなくなり、日常生活より優先する。②健康を害するなどの問題が起きても、ゲームを続けたり、一層エスカレートしたりする。③家族や社会、学業、仕事に著しい障害がもたらされる。④こうした症状が少なくとも12ヵ月以上続くものとした。

ゲーム障害(依存)の成因は、他の依存症とほぼ同じである。最初にゲームで勝つと面白い、興奮、快感がおこる。その時脳の中では神経伝達物質(ドーパミン)が出る。この快感記憶によってくり返しの欲求・行動がおこる。それをくり返すうちにドーパミン受容体の感受性が低下して鈍感になり快感がうすくなる。そのため、より強い刺激を求め続ける。その結果ゲームを止めることが出来なくなり依存が形成される。予防と治療としては①ゲームに関する思考(欲求)と行動を抑制すること(時間の制限)②依存ができると止められないために考え方が自己中心となり病気を否認して、問題を先送りになってしまう。病識がないので、教育・指導が必要であり、集団療法が有効③非現実の価値観に目覚め、気づかせること。④現実の人間(信頼)関係を回復するために「汝自身を知れ」という自己反省(内観療法)に導く⑤自助グループで回復した人の体験談が有効。

研修セミナーのご案内 pencil

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鹿児島産業保健総合支援センター主催の研修会等の中止について

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政府の新型コロナウイルス感染症対策本部の新型コロナウイルス感染症専門家会議の議論を踏まえ、令和2年3月末までに開催される当センター主催の研修会等をすべて中止することを決定しました。

今後、感染の拡大により4月以降の研修会を中止(延期)する場合がありますので、当センターのホームページで事前に確認いただきますようお願いいたします。(申込者に対しては、メールや電話でご連絡いたします。)

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   産業保健研修会のご案内(4月)

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すべてのセミナーにどなたでもご参加いただけます。
(定員は各セミナー30名、会場は光健ボイスビルです)

4月 ※特に記載のないものは会場 光健ボイスビルです。
11(土)
14:00-16:00

AB 初めて従業員が50人を超えた会社の産業医になったら
※会場:鹿児島市医師会館(鹿児島市加治屋町3-10)
冨宿 明子*
労働衛生コンサルタント
16(木)
14:00-16:00

ABC 職場巡視と労働衛生管理 黒沢 郁夫*
黒沢労働安全衛生コンサルタント事務所 所長
20(月)
14:00-16:00

ABC 障害者を雇用するときに気を付けること 冨宿 明子*
労働衛生コンサルタント

※講師*印:当センター産業保健相談員
※各研修会には定員があります。申し込みがないまま当日来られた場合、会場や資料の関係で受講できない場合がありますので必ず申し込みをしてください。
※受講できなくなった場合は必ずご連絡ください。

お知らせ

<鹿児島産業保健総合支援センター>

産業保健総合支援事業のPR動画について

当センターが行う各種事業の取り組みについて「のんさん」が紹介する動画を公開しています。
https://kagoshimas.johas.go.jp

産業保健に関するご質問・ご相談を受け付けています。

当センターでは、メンタルヘルス対策や治療と仕事の両立支援対策をはじめ、産業保健に関する様々なご質問・ご相談を受け付けています。お気軽にご相談ください。
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/otoiawase

3月~4月の両立支援(出張)相談窓口

当センターでは、センター内の相談窓口のほかに、鹿児島医療センターと鹿児島大学病院に、治療と職業生活のための両立支援出張相談窓口を開設しています。

また、令和元年10月に薩摩川内市の「済生会川内病院」、「川内市医師会立市民病院」と治療と仕事の両立支援事業実施に係る協定を締結し、令和元年11月以降、「両立支援相談窓口」を開設します。設置状況は次のとおりです。

  1. 鹿児島産業保健総合支援センター
    相談窓口開設日時・・平日 8:30~17:15
  2. 国立病院機構 鹿児島医療センター がん相談支援センター
    相談窓口開設日時・・毎月第1・3火曜日 10時~13時
    3月の相談日 → 3日(火)・17日(火)
    4月の相談日 → 7日(火)・21日(火)
  3. 鹿児島大学病院 地域医療連携センター
    相談窓口開設日時・・毎月第3木曜日 10時~12時(事前予約が必要です)
    3月の相談日 → 19日(木)
    4月の相談日 → 16日(木)
  4. 済生会川内病院 がん相談支援センター
    相談窓口開設日時・・毎月第2木曜日 10時~12時
    ※上記日時以外でも、事前予約の場合は日程調整のうえ対応します
    3月の相談日 → 12日(木)
    4月の相談日 →  9日(木)
  5. 川内市医師会立市民病院 患者サポートセンター
    相談窓口開設日時・・毎月第4木曜日 13時~15時(事前予約が必要です)
    3月の相談日 → 26日(木)
    4月の相談日 → 23日(木)

鹿児島産業保健総合支援センターの産業保健専門職(保健師)および両立支援促進員がご相談に応じます。
相談は無料です。両立支援に関するお悩み等についてご相談ください。

事業場内での両立支援教育、体制の整備、規定等の整備、勤務・休暇制度の整備、両立支援の進め方についても、両立支援促進員が事業場を訪問してアドバイスを行いますので、ご利用ください。

詳細
▼両立支援出張相談窓口
https://kagoshimas.johas.go.jp/wp-content/uploads/2019/10/ryouritsushien-madoguchi.pdf
▼鹿児島医療センターがん相談支援センター(リーフレット)
https://kagoshimas.johas.go.jp/wp-content/uploads/2019/05/ryoritu-iryousenta.pdf
▼鹿児島大学病院地域医療連携センター(リーフレット)
https://kagoshimas.johas.go.jp/wp-content/uploads/2019/05/ryoritu-kadasibyoin.pdf
▼鹿児島産業保健総合支援センター 相談窓口(リーフレット)
https://kagoshimas.johas.go.jp/wp-content/uploads/2019/05/ryoritu-sanpo02.pdf
▼済生会川内病院がん相談支援センター(リーフレット)
https://kagoshimas.johas.go.jp/wp-content/uploads/2019/10/ryouritsushien-sendaibyouin.pdf
▼川内市医師会立市民病院患者サポートセンター(リーフレット)
https://kagoshimas.johas.go.jp/wp-content/uploads/2019/10/ryouritsushien-sendaishiminbyouin.pdf

▼治療と仕事の両立支援申込み
ホームページから
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/cat767
FAXから
https://kagoshimas.johas.go.jp/wp-content/uploads/2019/03/ryoritusien-mousikomi-ura.pdf

メンタルヘルス対策支援

鹿児島産業保健総合支援センターでは、メンタルヘルス対策に取り組もうとする事業場を支援しています。事業場にメンタルヘルス対策促進員が訪問して、「心の健康づくり計画」の策定、体制の整備、職場環境の把握と改善、管理監督者向けの研修、若年労働者(含む全社員)向けの研修などの支援を行っています。

https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/cat426

<労働者健康安全機構情報>

労災疾病等医学研究普及サイトのご案内

○労災疾病等医学研究普及サイト

労働者健康安全機構では、労働災害の発生状況や行政のニーズを踏まえ、労災補償政策上重要なテーマや新たな政策課題について、時宜に応じた研究に取り組んでいます。

○労災疾病等医学研究普及サイト
https://www.research.johas.go.jp/index.html

○「メンタルヘルス(平成30年度開始研究)」について
https://www.research.johas.go.jp/mental2018/index.html

○「予防医療に係る予防法・指導法」について
https://www.research.johas.go.jp/yobou/

<厚生労働省情報>

新型コロナウイルス感染症に関する情報

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html

労働基準監督官採用試験について

▼詳細 
https://www.mhlw.go.jp/general/saiyo/kantokukan.html
▼受験案内
https://www.mhlw.go.jp/general/saiyo/dl/roudoukijun_200203_02.pdf
▼リーフレット
https://www.mhlw.go.jp/general/saiyo/dl/roudoukijun_200203_01.pdf

<鹿児島労働局情報>

新型コロナ感染症の影響による特別労働相談窓口の開設について

鹿児島労働局では、令和2年2月14日(金)に新型コロナ感染症の影響による特別労働相談窓口(解雇、休業、雇用調整助成金等)を開設しました。

https://jsite.mhlw.go.jp/kagoshima-roudoukyoku/madoguchi_annai/soudan/2020-0214-1.html

令和元年の労働災害発生状況

○令和元年(12月末速報)

  • 死亡者数は15人で、前年同期で2人(15.4%)増。
    業種別では、建設業6人(前年4人)、製造業2人(前年1人)、農林業2人(前年3人)、清掃・と畜業2人(前年1人)、陸上貨物運送事業1人(前年0人)、商業1人(前年0人)、その他の事業1人(前年0人)。
  • 休業4日以上の死傷者数は1,927人で、前年同期比で82人(4.4%)増。
    主な業種別では、製造業372人(前年351人)、建設業298人(前年286人)、陸上貨物運送事業178人(前年188人)、農林業96人(前年83人)、商業275人(前年257人)、保健衛生業270人(前年258人)、接客娯楽業113人(前年99人)、清掃・と畜業78人(前年70人)。

https://jsite.mhlw.go.jp/kagoshima-roudoukyoku/content/contents/H31saigai_2020-0210-2.pdf

編集後記

新型コロナウィルスでマスメディアを始め巷が大騒ぎです。政府の初期対応が不十分だと批判するよりも今後の対策をどうするかが重要です。相次ぐイベント・集会等の中止は行き過ぎとの結果になろうとも現時点では止むを得ないことと思います。

産保センターでも年度内に予定していた各種会議・研修会を中止しました。延期ということですが3月中に開催できる見通しが立たない中では結局、今年度は中止ということになりそうです。年度末での開催中止はどの分野でも後の処理に苦労することが予想されますが、感染拡大防止が最優先される状況では他の選択肢はないようです。

各種の会議や行事は年度越しでも事業や活動は継続できますが、経済状況の変動が心配されます。時差出勤やテレワークへの移行を政府は推奨していますが、本県など小規模・零細規模の事業場が大部分を占める地方では時差出勤もテレワークも実施困難と思われます。無理に採用すれば事業場の存続に関わる企業が多いと考えられます。

さらに、春以降に景気の落ち込みが予想されますが、不況が襲えば皺寄せを大きく受けるのは地方の小規模・零細事業であることは常です。そうなれば大きな問題を内包しながらも認識だけは拡がりつつあった「働き方改革」への影響も小さくないようです。

今まで推進してきた一連の「働き方改革」の活動は事業主の意識・認識の在り様が核となるものですが、コロナ問題の終息の在り様によっては「働き方改革」が後退するのではと危惧しています。日本だけでなく世界全体でスムースに終息し、私の危惧が杞憂であることを願っています。