メールレター 第276号
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≪「さんぽ鹿児島」メールレター≫ 第276号(2026.3)
発行:鹿児島産業保健総合支援センター
副所長 太良木 則孝
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相談員からのメッセージ
3月は「自殺対策強化月間」~あなたも誰かの「ゲートキーパー」に~
産業保健相談員 春日井 基文
(担当分野:メンタルヘルス)
皆さん、こんにちは。少しずつ春の兆しが感じられる季節となりましたが、年度末のこの時期は、業務の繁忙や人事異動など、環境の変化によるストレスが心身に蓄積しやすいタイミングでもあります。
実は、毎年3月は国が定める「自殺対策強化月間」です。今回は、職場のメンタルヘルスを守るための大切なキーワード、「ゲートキーパー」についてお伝えします。
「ゲートキーパー」と聞くと、特別な資格や専門知識が必要な役割のように思えるかもしれません。しかし、これは「悩んでいる人に気づき、声をかけ、話を聞いて、必要な支援につなげ、見守る人」のことです。特別な誰かではなく、職場の同僚や上司、そしてあなた自身がなり得る役割です。
職場で、こんな変化を感じる方はいませんか?
- 以前より口数が減り、表情が暗い
- 遅刻や欠勤が増えた、あるいは不自然に働きすぎている
- 服装や身だしなみが乱れてきた
- 業務上のミスが増え、能率が落ちている
もし「いつもと違う」と感じたら、「最近、眠れていますか?」「顔色が優れないけれど、大丈夫?」と、勇気を出して声をかけてみてください。「余計なお世話ではないか」「触れてはいけないことなのでは」と躊躇する気持ちもわかりますが、孤立している人にとって、あなたのその一言が「自分は一人ではない」と気づくきっかけになります。
ゲートキーパーの役割は、悩みを解決することではありません。「心配している」というメッセージを伝え、相手の話に耳を傾け、必要であれば私たち産業医や相談窓口につなぎ,見守ること。それだけで十分にゲートキーパーとしての役割を果たしています。
互いに支え合い、少しでも不安を和らげることができる職場となるように、まずは周りの方への「あいさつ+ひとこと」から始めてみませんか。
産業保健研修会のご案内(3~5月開催分 受付中!)
┏―[ 産業保健研修会の詳細・申込はこちらから ]―――――┓
https://kagoshimas.johas.go.jp/information/h2335
┗――――――――――――――――――――――――――――┛
産業保健研修会の申込方法の変更に関する重要なお知らせです!
お申込み時の個人情報の管理を徹底するため、令和7年4月からFAXでのお申込みを廃止しております。
お申込みフォームもしくはホームページからの手続きとなります。ご理解のほど、よろしくお願い申し上げます。
日医認定産業医(生涯研修も対象)の皆様へ重要なお知らせです。
当センターが実施する研修においてもMAMISのマイページ登録完了が必要です。
詳細は鹿児島県医師会ホームページをご覧ください。
https://www.kagoshima.med.or.jp/doctors/news/4630/
認定医研修会単位につきましては、日本医師会に登録申請を行っており、MAMISマイページへの受講実績の反映は目安として開催日から1か月程度を想定しております。
ご心配をおかけいたしますが、何卒ご理解賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
当センター主催のセミナーのご案内
令和7年度開催分はすべて終了しました。
現在、来年度の開催分を計画していますので、しばらくお待ちください。
お知らせ
<鹿児島産業保健総合支援センター>
産業保健に関するご質問・ご相談を受け付けています。
産業医学・メンタルヘルス対策・労働衛生工学等の産業保健に関するご質問・ご相談を受け付けています。ホームページからお気軽にご相談ください。
https://kagoshimas.johas.go.jp/guide
▼「さんぽセンターWebひろば」の専用ページ
https://www.johas.go.jp/Portals/0/sanpocenter/webhiroba.html
治療と仕事の両立支援について
治療と仕事の両立に関するお悩み等について、事業場関係者や産業保健スタッフ、がんなど反復・継続して治療が必要な患者(労働者)やその家族からの相談に、当センターのメンタルヘルス対策・両立支援促進員又は産業保健専門職(保健師)が相談に応じます。両立支援に関する相談、各種支援は無料です。
▼治療と仕事の両立支援(支援内容、相談窓口、申込フォームなど)
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/cat765
医療機関の両立支援(出張)相談窓口につきましては、事前予約の状況等により、窓口業務を中止する可能性がありますので、当センターのホームページで事前に確認いただきますようお願いいたします。
▼「治療と仕事の両立支援」の専用ページ
https://www.ryoritsushien.johas.go.jp/blackjack/
メンタルヘルス対策支援について
当センターのメンタルヘルス対策・両立支援促進員(産業カウンセラーや社会保険労務士など)が事業場に訪問し、職場のメンタルヘルス対策に関する取り組みを無料で支援します。また、事業場訪問以外のご相談(対面・電話・メール等)にも対応いたします。
▼メンタルへルス対策支援(支援内容、申込フォームなど)
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/mental
運動指導等支援について
健康で安心して働ける職場環境の形成を支援するという産業保健の観点から、運動指導等を通じた労働者の健康保持増進について取り組むため、産業保健相談員(健康運動指導士、理学療法士)による個別訪問支援等を実施しています。事業場が行う健康教育等において、是非、ご活用ください。
▼運動指導等支援(支援内容、申込フォーム)
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/undou
地域産業保健センター(地域窓口)について
各地域産業保健センターでは、労働者数50人未満の小規模事業場の事業主や労働者を対象に、健康診断結果の意見聴取、健康相談、長時間労働者や高ストレス者に対する面接指導、保健指導等の産業保健サービスを無料で行っています。
▼地域産業保健センターについて
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/cat638
<労働者健康安全機構情報>
労働者健康安全機構では、労働災害の発生状況や行政のニーズを踏まえ、労災補償政策上重要なテーマや新たな政策課題について、時宜に応じた研究に取り組んでいます。
▼労災疾病等医学研究・開発ページ
https://www.johas.go.jp/kenkyu_kaihatsu/rosaisippei13bunya/tabid/398/Default.aspx
★「脊柱靭帯骨化症」
★「高年齢労働者の転倒災害」
★「妊娠時の食・生活習慣」
★「高血圧性心疾患」
★「脂肪性膵疾患」
★「じん肺」
★「アスベスト」
「治療と仕事の両立支援コーディネーターマニュアル」について
▼両立支援コーディネーターマニュアルはこちら
https://www.johas.go.jp/ryoritsumodel/tabid/1047/Default.aspx
▼「両立支援コーディネーター基礎研修」について
https://www.johas.go.jp/ryoritsumodel/tabid/2126/Default.aspx
「高年齢労働者の転倒災害」について
日本では、働く高年齢者が増えている現在、転倒は労働現場においても大きな問題となっています。
転倒が原因で4日以上仕事を休むような労働災害は、60歳未満では全体の17%、60歳以上では全体の38%と大きく異なります。転倒は、骨折を合併することが多いため休みも長期化しがちです。この転倒災害は、50歳代から増えています。元気に働いている人でも勤務中に転倒することがあり、それが高齢というほどでもない年齢から増えているというのは何故でしょうか。
本研究では、高年齢労働者が増えている中、職場の健康・安全を守るために「働いている人の転倒災害対策」へ焦点を絞り、以下2つの研究開発テーマを掲げ、令和6年度から実施しています。
- 高年齢労働者を対象とした転倒および転倒関連傷害ハイリスク者の簡易スクリーニング法の研究開発
- 高齢者のフレイル予防の観点からの転倒関連傷害の新規対策法の研究開発
詳細は以下URLをご覧ください。
https://www.johas.go.jp/kenkyu/rosaisippei13bunya/tabid/2536/Default.aspx
<厚生労働省情報>
治療と就業の両立支援指針について
労働施策総合推進法が改正され「治療と就業の両立支援」が事業主の努力義務となり、また、「治療と就業の両立支援指針(令和8年厚生労働省告示第28号)」が公表され、令和8年4月1日に施行します。
https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001653964.pdf
▼治療と仕事の両立支援カード(新しくなります)
https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001662003.pdf
労働者が主治医に自ら勤務情報を提供し、かつ、この情報に基づき 主治医が就業上の意見等を提示するものです。
高齢者労働者の労働災害防止について
労働安全衛生法の改正により高年齢労働者の特性に配慮した必要な措置を講ずることが事業者の努力義務となり、「高年齢者の労働災害防止のための指針」が公表され、令和8年4月1日に施行します。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/anzen/newpage_00007.html
▼高年齢者の労働災害防止のための指針
https://www.mhlw.go.jp/content/11300000/001654297.pdf
事業場における労働者の健康保持増進のための指針について
https://www.mhlw.go.jp/content/001080091.pdf
<鹿児島労働局情報>
鹿児島県内の労働災害発生状況
◯令和7年発生分
◯令和8年発生分(1月末)
https://jsite.mhlw.go.jp/kagoshima-roudoukyoku/jirei_toukei/toukei/saigaitoukei_jirei.html
最新の業種別労働災害発生状況
⇒「令和7年における業種別労働災害発生状況」もしくは
「令和8年における業種別労働災害発生状況」をクリック
編集後記
≪産業保健の動きと考察≫
産業保健を取り巻く環境変化と最近の動向について関心が高まっており、整理すると大きく次の6点が挙げられるのではないでしょうか。
- メンタルヘルス課題の深刻化
近年、産業保健現場ではメンタルヘルス不調が最重要課題となり、精神障害の労災請求件数も年々増加傾向にある。 - 高齢化・女性活躍による新たな健康課題
高齢労働者の慢性疾患管理、転倒災害リスクが増大している。女性の約半数が月経関連の困り事を経験している。 - 治療と仕事の両立支援の拡大
通院しながら働く労働者が増加している中、必要な配慮を受けられていないと感じている労働者も多い。 - 健康経営の普及
健康経営優良法人の認定数が増加しており、組織戦略として健康が重視されている。 - ICT・テクノロジー活用の加速
ウェアラブルやAI活用が拡大し、オンライン相談など産業保健のDXが進む。 - 制度・政策面の動き
厚生労働省の各検討会ではメンタルヘルス、高齢者支援、小規模事業場支援、ICT活用など重点が示されている。
最近の動きを踏まえた考察では、産業保健は個別対応から組織戦略へ、データ活用の重要性、小規模事業場支援の課題などが浮き彫りとなる中、今後の方向性として、健康データ統合等の活用、高齢者・女性支援に関する強化、産業保健スタッフの育成、健康経営深化が求められ、産業保健の課題が複雑化している現代において産業保健総合支援センターの役割は、事業場の産業保健スタッフのパートナーとして各種支援サービスの充実と関係機関との連携がより重要になってきます。身近な事業場外資源として皆様のお役に立てるようスタッフ一同、来年度もより一層のサービスに努めてまいりますので、引き続きよろしくお願いいたします。