お知らせ

メールレター 第202号

■■■sanpo■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
≪「さんぽ鹿児島」メールレター≫ 第202号   2020/1/6

            発行:鹿児島産業保健総合支援センター 
                      所長 草野 健
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■kagoshima■

相談員からのメッセージ confident

「親性(おやせい)」について

産業保健相談員 山喜 高秀
         (担当分野:カウンセリング)

 

毎日のように、悲惨極まりない虐待の報道が流れ、虐待をした親の養育の問題が社会に突き付けられています。いったい親になるとはどういうことなのでしょうか?

人は、この世に子どもとして誕生し、親はもとより周囲の多くの大人たちや子どもたちの中で大人へと育ち、いつしか異性と巡り合い子どもが生まれたら自らも親と呼ばれる者になります。人の一生(発達)を鯨岡(2001)※は、『「育てられる者」として誕生した子どもがいつしか「育てる者」に役替わりし、わが子を育て、わが子の成長を見守りながらおのれ自身も心的成熟を遂げ、前の世代を看取り、後続する世代に看取られてこの世から去るということである』と、端的に示しています。

しかし、子どもを育てる親になるということは、必ずしもたやすいわけではありません。「育てる者」に役替わりするためには、しっかり「育てられる者」としての過程を経なければなりません。子どもを先々親になれるように育てる親の養育態度や心性を「親性(おやせい)」と表現したいと思います。ここでは、胎児から幼児に至る間の「親性(おやせい)」について述べたいと思います。

① 胎児の頃
生まれてくる子について想像を膨らませ、お腹の中のわが子に話しかけ、おなかの中の動きに合わせて手を当てながら、つながりを求めようとする心情に満ち始めることができる。
② 乳児の頃
やりたいことがあっても、夜中にいくら眠くても、さらに心身の調子が多少悪くても、わが子の生き死に心を尽くす。子育てはかならずしもたやすいわけではないが、深い喜びや楽しみももたらしてくれると思える時を味わえる。
③ 幼児の頃
子どもと共に同じものを眺め動き関わり合いながら、人と共に生きていることのうれしさ楽しさを子どもが享受していくことを支える。子どもが自らの身体の発達という変化を、事実のこととして喜び確かに子どもに伝え返せる。

-以上のような「親性(おやせい)」を身に着けていくためには、今の世の中に何が必要で何が必要でないのか、あらためて虐待者の心性を人ごとにせず、自らの問題として一人ひとり立ち止まり沈思黙考する必要があるように思われてなりません。-

※鯨岡(2001)「発達と心理臨床:発達心理学から」
5発達臨床心理学(東京大学出版会)

研修セミナーのご案内 pencil

******************************************************************

薩摩川内市で「管理監督者向け
 『心の健康づくり』と『治療と仕事の両立支援』研修会」開催!

******************************************************************
今回の研修会では、「ラインによるケア(ラインケア)」として、メンタルヘルス対策の重要性、ラインケアの方法等を事例を交えて解説します。また、事業場における治療と仕事の両立支援対策の進め方など、これからの働きやすい職場環境づくりの参考となる内容となっています。
是非ご参加いただき、これからの取組にお役立てください。

日 時 令和2年1月28日(火)13:30~16:15(13:00受付開始)
会 場 ホテルオートリ(薩摩川内市白和町1-20)
参加費 無料
対象者 鹿児島県内の事業主、管理監督者、衛生管理者、衛生推進者、
産業保健スタッフなど

https://kagoshimas.johas.go.jp/information/【薩摩川内市】令和%ef%bc%92年1月28日火-管理監督者向け
******************************************************************

「事業者のための産業医活用セミナー」のご案内 (鹿児島労働局共催)

******************************************************************
労働者数50人以上の事業場では、産業医を選任する必要がありますが、事業場の中には、「産業医をお願いしているけど何をしてくれるのか分からない。」、「産業医を活用して従業員の健康管理に取り組みたいが何をしなければならないか分からない。」と悩んでいる事業者や人事労務担当者も多いようです。

また、働き方改革関連法に基づく労働安全衛生法の改正が本年4月1日に施行され、産業医・産業保健機能の強化が図られたところです。当セミナーでは、独立行政法人労働者健康安全機構が作成した資料「中小企業事業者の為に産業医ができること」を使用し、当センターの産業保健相談員(産業医)がわかりやすく解説します。ぜひご参加ください。

日 時 令和2年2月14日(金)13:30~15:00
会 場 マリンパレスかごしま (鹿児島市与次郎2丁目8-8)
講 師 冨宿 明子 先生(産業医、労働衛生コンサルタント)
定 員 100名 ※令和2年2月7日(金)までにお申し込みください。

https://kagoshimas.johas.go.jp/information/%e3%80%8c%e4%ba%8b%e6%a5%ad%e8%80%85%e3%81%ae%e3%81%9f%e3%82%81%e3%81%ae%e7%94%a3%e6%a5%ad%e5%8c%bb%e6%b4%bb%e7%94%a8%e3%82%bb%e3%83%9f%e3%83%8a%e3%83%bc%e3%80%8d%e3%81%ae%e3%81%94%e6%a1%88%e5%86%85
******************************************************************

産業保健実地研修会『産業医による職場巡視』のご案内

******************************************************************
【鹿児島市会場】
日 時 令和2年3月7日(土)14:00~16:00
場 所 エス・パックス株式会社(鹿児島市谷山港2-2-9)
対象者 産業医
定 員 10名(先着順・定員を超えた場合は、キャンセル待ちとして受付けます。)
講 師 鹿児島産業保健総合支援センター所長 草野 健 他

【奄美会場】
日 時 令和2年2月22日(土)14:00~16:00
場 所 株式会社奄美大島開運酒造(大島郡宇検村湯湾2924-2)
対象者 産業医
定 員 10名(先着順・定員を超えた場合は、キャンセル待ちとして受付けます。)
講 師 鹿児島産業保健総合支援センター所長 草野 健 他
※日本医師会認定産業医研修(生涯研修【実地2単位】)として申請しています。

▼詳細・お申込み
https://kagoshimas.johas.go.jp/information/h2335
******************************************************************

産業保健研修会のご案内(1月~2月)

******************************************************************
すべてのセミナーにどなたでもご参加いただけます。
(定員は各セミナー30名、会場は光健ボイスビルです)

1月 ※特に記載のないものは会場 光健ボイスビルです。
10(金)
14:00-16:00

ABC 居眠りする従業員にどう対応するか 冨宿 明子*
労働衛生コンサルタント
18()
14:00-16:00

ABC 石綿の基礎知識(種類・解体・廃棄)
※会場:鹿児島市医師会館(鹿児島市加治屋町3-10)
黒沢 郁夫*
黒沢労働安全衛生コンサルタント事務所 所長
21(火)
18:00-20:00

ABC オーラルフレイルと口腔機能低下症 鎌下 祐次
つくし歯科医院
29(水)
14:00-16:00

AB 安全衛生委員会での衛生講話ネタを蔵出し・上半期 冨宿 明子*
労働衛生コンサルタント
2月 ※特に記載のないものは会場 光健ボイスビルです。
5(水)
14:00-16:00

ABC 安全衛生委員会での衛生講話ネタを蔵出し・下半期 冨宿 明子*
労働衛生コンサルタント
6(木)
14:00-16:00

ABC 大人の「発達障害」の特徴と対応 赤崎 安昭*
鹿児島大学医学部保健学科 教授
6(木)
16:10-17:10

1
ABC 労働衛生関係法令~産業医の機能強化に関する安衛法改正~ 勝田清人
鹿児島産業保健総合支援センター副所長
10(月)
18:00-20:00

ABC 健康管理における遺伝的因子をどう考えるか 堀内 正久*
鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科衛生学・健康増進医学 教授
14(金)
14:00-16:00

ABC <発達障害関係>のメンタルヘルス・カウンセリングⅤ
~ADHD、LD、ASD(自閉症スペクトラム)をめぐって~
久留 一郎*
鹿児島大学 名誉教授
19(水)
14:00-16:00

AB 産業医として知っておくべき化学物質のリスクアセスメント(その2)
~実測値を用いたリスクアセスメント~
東 正樹*
(株)鹿児島環境測定分析センター 代表取締役
21(金)
14:00-16:00

AB ストレスチェック制度における事例検討 小田原 努*
ヘルスサポートセンター鹿児島 所長
22()
14:00-16:00

※B 産業医による職場巡視 ※定員10名
※会場:株式会社奄美大島開運酒造(大島郡宇検村湯湾2924-2)
草野 健
鹿児島産業保健総合支援センター 所長
29()
14:00-16:00

ABC 職場の喫煙対策
※会場:鹿児島市医師会館(鹿児島市加治屋町3-10)
徳留 修身*
元・保健所長(鹿児島県及び鹿児島市)

※講師*印:当センター産業保健相談員
※各研修会には定員があります。申し込みがないまま当日来られた場合、会場や資料の関係で受講できない場合がありますので必ず申し込みをしてください。
※受講できなくなった場合は必ずご連絡ください。

お知らせ

<鹿児島産業保健総合支援センター>

産業保健総合支援事業のPR動画について

当センターが行う各種事業の取り組みについて「のんさん」が紹介する動画を公開しています。
https://kagoshimas.johas.go.jp

産業保健に関するご質問・ご相談を受け付けています。

当センターでは、メンタルヘルス対策や治療と仕事の両立支援対策をはじめ、産業保健に関する様々なご質問・ご相談を受け付けています。お気軽にご相談ください。
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/otoiawase

1月~3月の両立支援(出張)相談窓口

当センターでは、センター内の相談窓口のほかに、鹿児島医療センターと鹿児島大学病院に、治療と職業生活のための両立支援出張相談窓口を開設しています。

また、令和元年10月に薩摩川内市の「済生会川内病院」、「川内市医師会立市民病院」と治療と仕事の両立支援事業実施に係る協定を締結し、令和元年11月以降、「両立支援相談窓口」を開設します。設置状況は次のとおりです。

  1. 鹿児島産業保健総合支援センター
    相談窓口開設日時・・平日 8:30~17:15
  2. 国立病院機構 鹿児島医療センター がん相談支援センター
    相談窓口開設日時・・毎月第1・3火曜日 10時~13時
    1月の相談日 → 7日(火)・21日(火)
    2月の相談日 → 4日(火)・18日(火)
    3月の相談日 → 3日(火)・17日(火)
  3. 鹿児島大学病院 地域医療連携センター
    相談窓口開設日時・・毎月第3木曜日 10時~12時(事前予約が必要です)
    1月の相談日 → 16日(木)
    2月の相談日 → 20日(木)
    3月の相談日 → 19日(木)
  4. 済生会川内病院 がん相談支援センター
    相談窓口開設日時・・毎月第2木曜日 10時~12時
    ※上記日時以外でも、事前予約の場合は日程調整のうえ対応します
    1月の相談日 →  9日(木)
    2月の相談日 → 13日(木)
    3月の相談日 → 12日(木)
  5. 川内市医師会立市民病院 患者サポートセンター
    相談窓口開設日時・・毎月第4木曜日 13時~15時(事前予約が必要です)
    1月の相談日 → 23日(木)
    2月の相談日 → 27日(木)
    3月の相談日 → 26日(木)

鹿児島産業保健総合支援センターの産業保健専門職(保健師)および両立支援促進員がご相談に応じます。
相談は無料です。両立支援に関するお悩み等についてご相談ください。

事業場内での両立支援教育、体制の整備、規定等の整備、勤務・休暇制度の整備、両立支援の進め方についても、両立支援促進員が事業場を訪問してアドバイスを行いますので、ご利用ください。

詳細
▼両立支援出張相談窓口
https://kagoshimas.johas.go.jp/wp-content/uploads/2019/10/ryouritsushien-madoguchi.pdf
▼鹿児島医療センターがん相談支援センター(リーフレット)
https://kagoshimas.johas.go.jp/wp-content/uploads/2019/05/ryoritu-iryousenta.pdf
▼鹿児島大学病院地域医療連携センター(リーフレット)
https://kagoshimas.johas.go.jp/wp-content/uploads/2019/05/ryoritu-kadasibyoin.pdf
▼鹿児島産業保健総合支援センター 相談窓口(リーフレット)
https://kagoshimas.johas.go.jp/wp-content/uploads/2019/05/ryoritu-sanpo02.pdf
▼済生会川内病院がん相談支援センター(リーフレット)
https://kagoshimas.johas.go.jp/wp-content/uploads/2019/10/ryouritsushien-sendaibyouin.pdf
▼川内市医師会立市民病院患者サポートセンター(リーフレット)
https://kagoshimas.johas.go.jp/wp-content/uploads/2019/10/ryouritsushien-sendaishiminbyouin.pdf

▼治療と仕事の両立支援申込み
ホームページから
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/cat767
FAXから
https://kagoshimas.johas.go.jp/wp-content/uploads/2019/03/2019ryouritsushien.pdf

 

<労働者健康安全機構情報>

労災疾病等医学研究普及サイトのご案内

○労災疾病等医学研究普及サイト

労働者健康安全機構では、労働災害の発生状況や行政のニーズを踏まえ、労災補償政策上重要なテーマや新たな政策課題について、時宜に応じた研究に取り組んでいます。

○労災疾病等医学研究普及サイト
https://www.research.johas.go.jp/index.html

○「物理的因子疾患」について
https://www.research.johas.go.jp/22_inshi/past01.html

○「職業性皮膚疾患NAVI」について
https://www.research.johas.go.jp/hifunavi/index.html

○「勤労者医療フォーラム がんの治療と両立支援(東京会場)」について
https://www.tokyor.johas.go.jp/topics/forum2020.html

○「勤労者医療フォーラム 就労と糖尿病治療の両立(愛知会場)」について
http://www.chubuh.johas.go.jp/information/detail/info_detail__803.html

「第13回じん肺診断技術研修」の開催について

https://www.johas.go.jp/index/tabid/595/Default.aspx?itemid=867&dispmid=1466

<厚生労働省情報>

労働基準監督署への報告書類(安全衛生関係)は、12月2日からインターネット上で作成できるようになりました!

【運用開始日:令和元年12月2日(月)

本サービスのURL: https://www.chohyo-shien.mhlw.go.jp/

本サービスの対象となる帳票
1.総括安全衛生管理者・安全管理者・衛生管理者・産業医選任報告
2.定期健康診断結果報告書
3.心理的な負担の程度を把握するための検査結果等報告書
4.労働者死傷病報告(休業4日以上)

<鹿児島労働局情報>

ハラスメント対応特別相談窓口を開設!

【相談窓口】
 所在地  
〒892-8535 鹿児島市山下町13番21号 鹿児島合同庁舎2階
鹿児島労働局 雇用環境・均等室内

 受付時間  
午前8時30分~午後5時15分(土日祝日及び年末年始を除く)

 電話番号  
099-223-8239

   対応期間 
令和元年12月2日(月)~令和2年3月31日(火)

https://jsite.mhlw.go.jp/kagoshima-roudoukyoku/content/contents/2019-1204-2_20191202-2020331.pdf

令和元年の労働災害発生状況

○令和元年(11月末速報)
□ 死亡者数は14人で、前年同期で1人(7.7%)増。
□ 休業4日以上の死傷者数は1,683人で、前年同期比で56人(3.4%)増。
https://jsite.mhlw.go.jp/kagoshima-roudoukyoku/content/contents/H31saigai_2019-1217-1.pdf

<中央労働災害防止協会情報 >

令和元年度年末年始無災害運動が実施されます!

本年度の年末年始無災害運動は、『令和最初の年末年始 安全健康 心に誓う』を標語として展開することとしています。
(実施期間:令和元年12月1日~令和2年1月15日)

https://www.jisha.or.jp/campaign/musaigai/youryou.html

編集後記

明けましておめでとうございます。令和最初の正月をどのように迎えられたでしょうか。今年は、オリンピック・パラリンピックに鹿児島では国体も開催されます。使い古された言葉ですが「希望に満ちた明るい未来を切り開く年」になることを願っています。

働き方改革も2年目になります。この政策がどうにか周知されるようになりましたが、具体的な方策となると特に地方の零細事業場では多くの矛盾に向き合うことになります。政府は細かく施策の内容をマニュアル等の形で示していますが、それらに縛られると、小規模・零細規模の事業場現場では大きな壁に阻まれ、少なくない産業保健スタッフが悩んでいるようです。

トリクルダウン等期待できるような状況ではないにも拘わらず、大資本中心の経済成長路線強化の当然の帰結ですが、「安価な労働者の使い捨て」は加速されそうです。大資本の自由競争を是とする国際的な経済状況では、その競争に落ち毀れないためには止むを得ないとの論理も垣間見えます。

21世紀も20年目です。少子化という厳しい現実の前に、この国が今後とも平和な国家として存続するために今こそ必要なのは、未来世代に明るい環境を(人的にも社会的にも自然環境面でも)残していくことが重要です。

今年こそは、危険作業や過酷労働を排除するのみでなく、快適で働くこと自体が喜びとなるような労働環境を構築する元年にしたいものです。その為に私達産業保健スタッフに何ができ何を為すべきか、その最も効果的なものは何か、少しでも明らかにしていきたいと願っています。

庚子年です。庚とは、植物の成長が止まり新たな形に変化しようとする状態で、子とは種子の中に新たな生命が萌し始める意味とのこと。今年は色んな意味で新たなものの萌芽が出てくるよう尽力したいものです。