メールレター 第206号
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≪「さんぽ鹿児島」メールレター≫ 第206号
2020/5/1
発行:鹿児島産業保健総合支援センター
所長 草野 健
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相談員からのメッセージ
新型コロナウイルス感染予防にもう一手
産業保健相談員 赤崎 安昭
(鹿児島大学医学部保健学科・大学院保健学研究科 教授)
(担当分野:メンタルヘルス)
新型コロナウイルス感染症のために,全国に緊急事態宣言が発令されました。まさか,こんな事態になるとは殆どの方が想定していなかったと思います。
私は,現在,職場では「新型コロナウイルス対策会議」の委員として活動していますが,状況は刻々と変化していっていますので,会議が緊急招集されることも度々あります。我々と同じように感染防止に奔走している方々,感染拡大を防ぐための「ソーシャルディスタンス」の要請を忠実に守っている方々を見ていると,新型コロナウイルス対策としてメンタルヘルスにも本格的に目を向ける時期がきたと思っています。
感染防止を呼びかける管理者,それを遵守しようとする労働者およびその家族,それぞれが抱えるメンタルヘルスの問題があります。今,ここで,それぞれの立場のメンタルヘルス問題を取り上げるのは不可能ですが,「新型コロナウイルス」,「メンタルヘルス」というkeywordでネット検索をしてください。その中から,皆さんに適した内容の情報を見つけて実践してください。
感染予防対策として,皆さんに共通して言えることは,(1)十分な睡眠をとる,(2)十分な食事をとる,(3)運動ができるような体調であれば,「3密」を避けて軽い運動をする,となります。
「3密」という何事にも「距離を保つこと」が要請されている今,様々な問題が生じています。せめて,健康的なライフスタイルを維持することをこころがけましょう。私は,ある学会の新型コロナウイルス対策のためのメーリングリストにエントリーをしました。1日に数十件のメールが配信されてきます。すでに感染症を発症した医療従事者,その治療にあたる医療従事者の報告がメールで流れてきます。私が現在担当している業務も踏まえて,配信されるメールの内容を見ますと,職場における「新型コロナウイルス対策」は,「チーム」で対応すべき問題だと思います。本番はこれからです。「個人」で対応して,本番前に心身ともに破綻することがないようにご注意ください。
研修セミナーのご案内
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産業保健研修会の中止について(お詫び)
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新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う「緊急事態宣言」が発令されたことから、令和2年5月中に開催される当センター主催の産業保健研修会について、受講者及び関係者の健康を考慮し、やむなく中止することを決定しました。
また、6月以降の産業保健研修会についても、お申し込みを一旦停止させていただくことになりました。
産業保健研修会の再開につきましては、メールレター及び当センターのホームページで案内しますので、事前に確認いただきますようお願いいたします。
(既に申込いただいている方に対してはメールや電話でご連絡いたします)
▼詳細
https://kagoshimas.johas.go.jp/information/h2335
▼全国で開催される「日医認定産業医研修会情報一覧」が確認できます。
http://jmaqc.jp/sang/designated_training/search.php
お知らせ
<鹿児島産業保健総合支援センター>
産業保健総合支援事業のPR動画について
当センターが行う各種事業の取り組みについて「のんさん」が紹介する動画を公開しています。
https://kagoshimas.johas.go.jp
産業保健に関するご質問・ご相談を受け付けています。
当センターでは、メンタルヘルス対策や治療と仕事の両立支援対策をはじめ、産業保健に関する様々なご質問・ご相談を受け付けています。お気軽にご相談ください。
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/otoiawase
5月~7月の両立支援(出張)相談窓口のご案内
両立支援(出張)相談窓口の設置状況は次のとおりです。
なお、医療機関における両立支援(出張)相談窓口では、新型コロナウイルス感染症の状況によっては、中止の可能性があります。
- 鹿児島産業保健総合支援センター
相談窓口開設日時・・平日 8:30~17:15 - 国立病院機構 鹿児島医療センター がん相談支援センター
相談窓口開設日時・・毎月第1・3火曜日 10時~13時
5月の相談日 → 19日(火)
6月の相談日 → 2日(火)・16日(火)
7月の相談日 → 7日(火)・21日(火) - 鹿児島大学病院 地域医療連携センター
相談窓口開設日時・・毎月第3木曜日 10時~12時(事前予約が必要です)
5月の相談日 → 21日(木)
6月の相談日 → 18日(木)
7月の相談日 → 16日(木) - 鹿児島市立病院 がん相談支援センター
相談窓口開設日時・・・・毎月第4木曜日 10時~12時
5月の相談日 → 28日(木)
6月の相談日 → 25日(木)
7月の相談日 → なし - 済生会川内病院 がん相談支援センター
相談窓口開設日時・・毎月第2木曜日 10時~12時
※上記日時以外でも、事前予約の場合は日程調整のうえ対応します
5月の相談日 → 14日(木)
6月の相談日 → 11日(木)
7月の相談日 → 9日(木) - 川内市医師会立市民病院 患者サポートセンター
相談窓口開設日時・・毎月第4木曜日 13時~15時(事前予約が必要です)
5月の相談日 → 28日(木)
6月の相談日 → 25日(木)
7月の相談日 → なし
鹿児島産業保健総合支援センターの産業保健専門職(保健師)および両立支援促進員がご相談に応じます。
相談は無料です。両立支援に関するお悩み等についてご相談ください。
事業場内での両立支援教育、体制の整備、規定等の整備、勤務・休暇制度の整備、両立支援の進め方についても、両立支援促進員が事業場を訪問してアドバイスを行いますので、ご利用ください。
【詳細】
▼両立支援出張相談窓口
https://kagoshimas.johas.go.jp/wp-content/uploads/2020/02/ryouritsushien-madoguchi.pdf
▼鹿児島医療センターがん相談支援センター(リーフレット)
https://kagoshimas.johas.go.jp/wp-content/uploads/2019/05/ryoritu-iryousenta.pdf
▼鹿児島大学病院地域医療連携センター(リーフレット)
https://kagoshimas.johas.go.jp/wp-content/uploads/2019/05/ryoritu-kadasibyoin.pdf
▼鹿児島市立病院がん相談支援センター(リーフレット)
https://kagoshimas.johas.go.jp/wp-content/uploads/2020/02/ryoritsushien-shiritsubyoin-web.pdf
▼済生会川内病院がん相談支援センター(リーフレット)
https://kagoshimas.johas.go.jp/wp-content/uploads/2019/10/ryouritsushien-sendaibyouin.pdf
▼川内市医師会立市民病院患者サポートセンター(リーフレット)
https://kagoshimas.johas.go.jp/wp-content/uploads/2019/10/ryouritsushien-sendaishiminbyouin.pdf
▼治療と仕事の両立支援申込み
ホームページから
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/cat767
FAXから
https://kagoshimas.johas.go.jp/wp-content/uploads/2019/03/ryoritusien-mousikomi-ura.pdf
<労働者健康安全機構情報>
労災疾病等医学研究普及サイトのご案内
○労災疾病等医学研究普及サイト
労働者健康安全機構では、労働災害の発生状況や行政のニーズを踏まえ、労災補償政策上重要なテーマや新たな政策課題について、時宜に応じた研究に取り組んでいます。
○労災疾病等医学研究普及サイト
https://www.research.johas.go.jp/index.html
<厚生労働省情報>
「令和2年度地方労働行政運営方針」の策定について
▼令和2年度地方労働行政運営方針(概要)
https://www.mhlw.go.jp/content/10401000/000617483.pdf
▼令和2年度地方労働行政運営方針
https://www.mhlw.go.jp/content/10401000/000617484.pdf
「過重労働による健康障害防止のための総合対策について」の一部改正について
改正通達
https://www.mhlw.go.jp/content/000616589.pdf
事業場における労働者の健康保持増進のための指針の一部を改正する件について
改正指針
https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T200401K0080.pdf
令和2年度における建設業の安全衛生対策の推進について
https://www.mhlw.go.jp/content/11300000/000616325.pdf
令和2年度における林業の安全対策の推進について
https://www.mhlw.go.jp/content/11300000/000613097.pdf
「建築物の解体・改修等における石綿ばく露防止対策等検討会」の報告書を公表します
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08741.html
<鹿児島労働局情報>
令和元年・令和2年の労働災害発生状況
○令和元年(確定)
- 死亡者数は15人で、前年同期で2人(15.4%)増。
業種別では、建設業6人(前年4人)、製造業2人(前年1人)、農林業2人(前年3人)、清掃・と畜業2人(前年1人)、陸上貨物運送事業1人(前年0人)、商業1人(前年0人)、その他の事業1人(前年0人)。 - 休業4日以上の死傷者数は2,010人で、前年同期比で74人(3.8%)増。
主な業種別では、製造業385人(前年370人)、建設業312人(前年294人)、陸上貨物運送事業186人(前年195人)、農林業104人(前年87人)、商業280人(前年268人)、保健衛生業288人(前年282人)、接客娯楽業118人(前年105人)、清掃・と畜業78人(前年74人)。 - 事故の型別では、「転倒」442人(22.0%)、「墜落・転落」367人(18.3%)、「動作の反動・無理な動作」276人(13.7%)、「はさまれ・巻き込まれ」240人(11.9%)、「切れ・こすれ」140人(7.0%)。
https://jsite.mhlw.go.jp/kagoshima-roudoukyoku/content/contents/H31saigai_2020-0501-2.pdf
○令和2年(3月末速報)
- 死亡者数は3人で、前年に比べ1人(50.0%)増。
休業4日以上の死傷者数は354人で、前年に比べ43人(13.8%)増。
https://jsite.mhlw.go.jp/kagoshima-roudoukyoku/content/contents/r2saigai_2020-0501-2.pdf
<新型コロナウイルス関連情報>
新型コロナウイルス感染症に関する情報(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html
新型コロナウイルス感染症の大規模な感染拡大防止に向けた職場における対応について(鹿児島労働局要請)
https://jsite.mhlw.go.jp/kagoshima-roudoukyoku/content/contents/2020-0410-1.pdf
新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえた労働安全衛生法等に基づく健康診断の実施等に係る対応について
▼詳細
https://jsite.mhlw.go.jp/kagoshima-roudoukyoku/content/contents/2020-0427-1.pdf
▼新型コロナウイルスに関連するQ&A(企業の方向け)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00007.html
生活を支えるための支援のご案内
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000625689.pdf
※随時更新される可能性があります。
新型コロナウイルス情報~個人と企業に求められる対策~
(日本渡航医学会情報)【再掲】
https://plaza.umin.ac.jp/jstah/index2.html
新型コロナウイルスに対する安全対策情報について(日本環境感染学会)
http://www.kankyokansen.org/modules/news/index.php?content_id=328
< 鹿児島働き方改革推進支援センター>
令和2年度の鹿児島働き方改革推進支援センターについて
令和2年度も鹿児島県社会保険労務士会の事務局内に鹿児島働き方改革推進支援センターが開所されました。
新年度も既に4月1日より、ご相談(電話・来所)の受付を開始しています。
https://hatarakikata.sr-kagoshima.jp/
編集後記
連休明けに「緊急事態」を解除できる可能性は低いようです。むしろ連休明けには再度急拡大するのではと大きな危惧を抱いています。例年なら爽やかな初夏の風の中、新緑や初物の食を愛でる時期ですが、COVID19により憂鬱な日々となってしまいました。
当初、たかがコロナウイルスだろうとの楽観的な気持ちもないことはなかったのですが、新型だけに不明な点が多く極めて厄介です。COVID19感染の第一線で治療に当たるスタッフやPCR検体採取現場のスタッフの苦労は並大抵のものではないと思います。世界各地からCOVID19に関する知見や推論が相次ぎ報告されていますが、未だ対策の決め手となるものは確立していません。20世紀以降に急速に医学は進歩してきているにも関わらずRNAが少し変異しただけの新ウイルスの出現に振り回されるのは、情けない気もしますがこれが現実です。
「地球を一個の生命体と見るならば、その地球環境を破壊するホモサピエンスは地球にとっては癌細胞のようなものかもしれない。だから今回のCOVID19は地球の免疫機能が発動したのだ」との言説もあります。論考に値しない妄説と一笑し切れないのが残念です。我々ホモサピエンスは6万年程前に出現した地球生命体の新参者です。それが多数あった他のホモ属を全て滅ぼし(?)唯一繁栄したため思い上ってしまったのかもしれません。ともあれ、過去の感染症のパンデミック終了後の世界は弱肉強食の争いが過激になる様相を呈してきたようです。今回は、そうはならないように過去から学ぶべきです。
「3密」を避けようとの呼びかけはそれなりに効果を挙げているようです。時間差出勤や在宅勤務を取り入れ、屋内も頻繁な換気に作業者間の透明シール等での仕切り、消毒の励行、徹底した手洗いに加え全員のマスク着用など、多くの事業場が対策を講じています。時間差出勤や在宅勤務導入等の導入の困難な製造業や小企業零細企業の多い本県ですが、それでも可能な限りの対策を追及しているようです。在宅や時間差とともに、各種会議の様相も激変し、産業保健活動の中心の衛生委員会も様変わりしています。産業医にとっては職場巡視も従来のように実施するのは困難ですし、定期的に実施すべき健診も思うに任せなくなっています。
しかし、これらは考えようによっては「働き方改革」にとってはむしろ「好機」かも知れません。実質的協議を行わない会議ならわざわざ多人数を参集させる必要はありません。出席するだけの者が多ければそれだけ無駄な労働時間が増加します。また、無意味な事務作業を減らすことで同一時間同一個所の人員を減らすことも出来ます。在宅勤務や時間差出勤は長時間労働抑制の追い風となります。押印作業の在り方も話題に上るようになりましたが、これらの検討を重ねてあらゆる作業を省力化し真に人が人として関わるべき作業に限定すれば「3密」も自ずと減少し、COVID19の終息だけでなく「働き方改革」も実現すると思います。そのような姿勢・雰囲気・意識が産業界だけでなく行政・監督官庁等にも広まることを願っています。