お知らせ

メールレター 第203号

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≪「さんぽ鹿児島」メールレター≫ 第203号   2020/2/3

            発行:鹿児島産業保健総合支援センター 
                      所長 草野 健
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相談員からのメッセージ confident

両立支援をおこないましょう。

産業保健相談員 小田原 努
         (担当分野:産業医学)

産業医として復職支援をしていますと、働く女性の乳がん患者が多いことに驚かされます。現在の乳がんの治療は手術、放射線治療、化学療法を組み合わされて行われており、他のがん疾患と比較し、両立支援には細やかな配慮が必要だと痛感しています。私の担当している事業所の方も放射線治療を夕方に設定してもらい、2か月間1時間の早退を行い、外来での点滴は3か月に1度土曜日に設定していただいて、仕事しながら治療を受けていらっしゃいました。このように放射線治療は、1回数分程の照射を2,3か月行うことが多く、化学療法も術前に行ったり、術後に行ったりされますが、1週間から3週間に1度外来で点滴等の治療を受けられることが多いようです。つまり手術以外は意外と早退や遅刻、年休を組み合わせて働きながら治療を受けられるのですが、産業医等と相談しながら仕事と治療を両立しているケースはあるものの、やはりパートの方は退職して治療を継続されることが多く、長期の病気休暇が取れる方は休んで治療を受けている方が多いようです。おそらく困っているのは中小企業の数か月しか病気休暇制度を持たない企業の方々で、事業者の方、従業員である患者の方もどう対応したらよいかと苦慮されていると推察しています。放射線治療や化学療法は身体への影響がありますので、ぜひ産業医や鹿児島産業保健総合支援センターの相談員に相談していただきたいと考えており、また短時間勤務や時間単位の有休制度等、会社の制度の事はぜひ社会保険労務士の方等に相談していただきながら、両立支援を行っていただきたいと考えております。

研修セミナーのご案内 pencil

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「事業者のための産業医活用セミナー」のご案内 (鹿児島労働局共催)(再掲)

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労働者数50人以上の事業場では、産業医を選任する必要がありますが、事業場の中には、「産業医をお願いしているけど何をしてくれるのか分からない。」、「産業医を活用して従業員の健康管理に取り組みたいが何をしなければならないか分からない。」と悩んでいる事業者や人事労務担当者も多いようです。

また、働き方改革関連法に基づく労働安全衛生法の改正が本年4月1日に施行され、産業医・産業保健機能の強化が図られたところです。当セミナーでは、独立行政法人労働者健康安全機構が作成した資料「中小企業事業者の為に産業医ができること」を使用し、当センターの産業保健相談員(産業医)がわかりやすく解説します。ぜひご参加ください。

日 時 令和2年2月14日(金)13:30~15:00
会 場 マリンパレスかごしま (鹿児島市与次郎2丁目8-8)
講 師 冨宿 明子 先生(産業医、労働衛生コンサルタント)
定 員 100名 ※令和2年2月7日(金)までにお申し込みください。

▼セミナー案内及び参加申込票
https://kagoshimas.johas.go.jp/wp-content/uploads/2019/12/020214-sangyoikatuyou.pdf

▼ホームページからのお申込み
https://ssl.formman.com/form/pc/cVdBxnv4sbA1MDd2/

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産業保健実地研修会『産業医による職場巡視』のご案内(再掲)

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【鹿児島市会場】
日 時 令和2年3月7日(土)14:00~16:00
場 所 エス・パックス株式会社(鹿児島市谷山港2-2-9)
対象者 産業医
定 員 10名(先着順・定員を超えた場合は、キャンセル待ちとして受付けます。)
講 師 鹿児島産業保健総合支援センター所長 草野 健 他

【奄美会場】
日 時 令和2年2月22日(土)14:30~16:30
場 所 株式会社奄美大島開運酒造(大島郡宇検村湯湾2924-2)
対象者 産業医
定 員 10名(先着順・定員を超えた場合は、キャンセル待ちとして受付けます。)
講 師 鹿児島産業保健総合支援センター所長 草野 健 他
※日本医師会認定産業医研修(生涯研修【実地2単位】)として申請しています。

▼詳細・お申込み
https://kagoshimas.johas.go.jp/information/h2335
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産業保健研修会のご案内(2月~3月)

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すべてのセミナーにどなたでもご参加いただけます。
(定員は各セミナー30名、会場は光健ボイスビルです)

2月 ※特に記載のないものは会場 光健ボイスビルです。
5(水)
14:00-16:00

ABC 安全衛生委員会での衛生講話ネタを蔵出し・下半期 冨宿 明子*
労働衛生コンサルタント
6(木)
14:00-16:00

ABC 大人の「発達障害」の特徴と対応 赤崎 安昭*
鹿児島大学医学部保健学科 教授
6(木)
16:10-17:10

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ABC 労働衛生関係法令~産業医の機能強化に関する安衛法改正~ 勝田清人
鹿児島産業保健総合支援センター副所長
10(月)
18:00-20:00

ABC 健康管理における遺伝的因子をどう考えるか 堀内 正久*
鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科衛生学・健康増進医学 教授
14(金)
14:00-16:00

ABC <発達障害関係>のメンタルヘルス・カウンセリングⅤ
~ADHD、LD、ASD(自閉症スペクトラム)をめぐって~
久留 一郎*
鹿児島大学 名誉教授
19(水)
14:00-16:00

AB 産業医として知っておくべき化学物質のリスクアセスメント(その2)
~実測値を用いたリスクアセスメント~
東 正樹*
(株)鹿児島環境測定分析センター 代表取締役
21(金)
14:00-16:00

AB ストレスチェック制度における事例検討 小田原 努*
ヘルスサポートセンター鹿児島 所長
22()
14:30-16:30

※B 産業医による職場巡視 ※定員10名
※会場:株式会社奄美大島開運酒造(大島郡宇検村湯湾2924-2)
草野 健
鹿児島産業保健総合支援センター 所長
29()
14:00-16:00

ABC 職場の喫煙対策
※会場:鹿児島市医師会館(鹿児島市加治屋町3-10)
徳留 修身*
元・保健所長(鹿児島県及び鹿児島市)
3月 ※特に記載のないものは会場 光健ボイスビルです。
7()
14:00-16:00

※B 産業医による職場巡視
※会場:エス・パックス株式会社(鹿児島市谷山港2-2-9)
草野 健
鹿児島産業保健総合支援センター所長
10(火)
18:00-20:00

ABC 就労と治療の両立支援~循環器疾患について~ 前田 雅人*
鹿児島大学教育学部保健体育学科教授

※講師*印:当センター産業保健相談員
※各研修会には定員があります。申し込みがないまま当日来られた場合、会場や資料の関係で受講できない場合がありますので必ず申し込みをしてください。
※受講できなくなった場合は必ずご連絡ください。

お知らせ

<鹿児島産業保健総合支援センター>

産業保健総合支援事業のPR動画について

当センターが行う各種事業の取り組みについて「のんさん」が紹介する動画を公開しています。
https://kagoshimas.johas.go.jp

産業保健に関するご質問・ご相談を受け付けています。

当センターでは、メンタルヘルス対策や治療と仕事の両立支援対策をはじめ、産業保健に関する様々なご質問・ご相談を受け付けています。お気軽にご相談ください。
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/otoiawase

2月~3月の両立支援(出張)相談窓口

当センターでは、センター内の相談窓口のほかに、鹿児島医療センターと鹿児島大学病院に、治療と職業生活のための両立支援出張相談窓口を開設しています。

また、令和元年10月に薩摩川内市の「済生会川内病院」、「川内市医師会立市民病院」と治療と仕事の両立支援事業実施に係る協定を締結し、令和元年11月以降、「両立支援相談窓口」を開設します。設置状況は次のとおりです。

  1. 鹿児島産業保健総合支援センター
    相談窓口開設日時・・平日 8:30~17:15
  2. 国立病院機構 鹿児島医療センター がん相談支援センター
    相談窓口開設日時・・毎月第1・3火曜日 10時~13時
    2月の相談日 → 4日(火)・18日(火)
    3月の相談日 → 3日(火)・17日(火)
  3. 鹿児島大学病院 地域医療連携センター
    相談窓口開設日時・・毎月第3木曜日 10時~12時(事前予約が必要です)
    2月の相談日 → 20日(木)
    3月の相談日 → 19日(木)
  4. 済生会川内病院 がん相談支援センター
    相談窓口開設日時・・毎月第2木曜日 10時~12時
    ※上記日時以外でも、事前予約の場合は日程調整のうえ対応します
    2月の相談日 → 13日(木)
    3月の相談日 → 12日(木)
  5. 川内市医師会立市民病院 患者サポートセンター
    相談窓口開設日時・・毎月第4木曜日 13時~15時(事前予約が必要です)
    2月の相談日 → 27日(木)
    3月の相談日 → 26日(木)

鹿児島産業保健総合支援センターの産業保健専門職(保健師)および両立支援促進員がご相談に応じます。
相談は無料です。両立支援に関するお悩み等についてご相談ください。

事業場内での両立支援教育、体制の整備、規定等の整備、勤務・休暇制度の整備、両立支援の進め方についても、両立支援促進員が事業場を訪問してアドバイスを行いますので、ご利用ください。

詳細
▼両立支援出張相談窓口
https://kagoshimas.johas.go.jp/wp-content/uploads/2019/10/ryouritsushien-madoguchi.pdf
▼鹿児島医療センターがん相談支援センター(リーフレット)
https://kagoshimas.johas.go.jp/wp-content/uploads/2019/05/ryoritu-iryousenta.pdf
▼鹿児島大学病院地域医療連携センター(リーフレット)
https://kagoshimas.johas.go.jp/wp-content/uploads/2019/05/ryoritu-kadasibyoin.pdf
▼鹿児島産業保健総合支援センター 相談窓口(リーフレット)
https://kagoshimas.johas.go.jp/wp-content/uploads/2019/05/ryoritu-sanpo02.pdf
▼済生会川内病院がん相談支援センター(リーフレット)
https://kagoshimas.johas.go.jp/wp-content/uploads/2019/10/ryouritsushien-sendaibyouin.pdf
▼川内市医師会立市民病院患者サポートセンター(リーフレット)
https://kagoshimas.johas.go.jp/wp-content/uploads/2019/10/ryouritsushien-sendaishiminbyouin.pdf

▼治療と仕事の両立支援申込み
ホームページから
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/cat767
FAXから
https://kagoshimas.johas.go.jp/wp-content/uploads/2019/03/ryoritusien-mousikomi-ura.pdf

 

<労働者健康安全機構情報>

労災疾病等医学研究普及サイトのご案内

○労災疾病等医学研究普及サイト

労働者健康安全機構では、労働災害の発生状況や行政のニーズを踏まえ、労災補償政策上重要なテーマや新たな政策課題について、時宜に応じた研究に取り組んでいます。

○労災疾病等医学研究普及サイト
https://www.research.johas.go.jp/index.html

○「外傷性高次脳機能障害」について
https://www.research.johas.go.jp/koujinou/thema01.html

○「職業性呼吸器疾患」について
▼これまでの研究内容について
https://www.research.johas.go.jp/22_jinpai/
▼研究成果について
https://www.research.johas.go.jp/booklet/report.html

「第13回じん肺診断技術研修」の開催について

https://www.johas.go.jp/index/tabid/595/Default.aspx?itemid=867&dispmid=1466

<厚生労働省情報>

労働基準監督署への報告書類(安全衛生関係)は、12月2日からインターネット上で作成できるようになりました!(再掲)

【運用開始日:令和元年12月2日(月)

本サービスのURL: https://www.chohyo-shien.mhlw.go.jp/

本サービスの対象となる帳票
1.総括安全衛生管理者・安全管理者・衛生管理者・産業医選任報告
2.定期健康診断結果報告書
3.心理的な負担の程度を把握するための検査結果等報告書
4.労働者死傷病報告(休業4日以上)

 

第9次粉じん障害防止総合対策の推進に係る講習会の開催について

https://kagoshimas.johas.go.jp/wp-content/uploads/2020/01/funjin-2020.pdf

全国安全週間のスローガンの募集について

https://www.mhlw.go.jp/public/bosyuu/iken/p20200109-01.html

「令和元年度職場のメンタルヘルスシンポジウム~相談しやすい職場環境づくりのポイント~」を2月に開催します

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08955.html

<鹿児島労働局情報>

鹿児島県の最低賃金の周知について

鹿児島労働局HP
https://jsite.mhlw.go.jp/kagoshima-roudoukyoku/hourei_seido_tetsuzuki/kane/saitin01.html

鹿児島県の最低賃金(チラシ)
https://jsite.mhlw.go.jp/kagoshima-roudoukyoku/content/contents/2019-1225-5_20191229.pdf

令和元年の労働災害発生状況

○令和元年(12月末速報)
□ 死亡者数は15人で、前年同期で2人(15.4%)増。
□ 休業4日以上の死傷者数は1,840人で、前年同期比で80人(4.5%)増。

https://jsite.mhlw.go.jp/kagoshima-roudoukyoku/content/contents/H31saigai_2020-0116-2.pdf

<中央労働災害防止協会情報 >

令和元年度年末年始無災害運動が実施されます!

本年度の年末年始無災害運動は、『令和最初の年末年始 安全健康 心に誓う』を標語として展開することとしています。
(実施期間:令和元年12月1日~令和2年1月15日)

https://www.jisha.or.jp/campaign/musaigai/youryou.html

編集後記

先月、労働衛生研究会で「産業保健の歴史」の話をするために正確な年代を記載するべく歴史を改めて種々繙きました。その中で再認識したことや初めて解ったことも多々ありました。ヒポクラテスの「鉛中毒(?)」の記載が最古と思っていましたが、中国でも傷寒論以前の黄帝内径にもそれらしき記載があることやメソポタミアやエジプトにもギリシャ以前に労働との関連した疾患の記載があるようです。欧州中心の歴史だけでは片手落ちだなと認識しました。むしろ古代ギリシャ以降17世紀まで欧州では産業保健関連の学は一切進歩していずラマッチーニまで待つ必要があります。

近現代の産業保健学は欧州の中でもドイツを中心に発展してきていますが、改めて気付いたことはマルクスの「賃労働と資本」です。この中で資本主義経済における賃金とは「労働者が家庭生活を営み翌日の労働力を十分に再生し、また未来の労働力として子供を産み育てるに要する」だけのもので、労働により生じた付加価値の一部に過ぎない、と分析し、生じた付加価値から労働者は阻害されている、と主張しています。翻って、現在の「強欲資本主義」ではそれだけの賃金すら労働者は受け取っていないのでは、と感じます。

私達医師は他の職業に比べ高所得と思われていますが、ある医師から指摘されましたが、昭和の終わりごろと比べ医師の給料は殆ど増加していません。確かに平成の間に物価は数倍以上に上がっていますが、例えば最低賃金は2倍にも満たない額です。

働き方改革で労働時間の短縮が主たる課題として認識が広まりつつありますが、労働時間短縮で収入も減るようでは国民の生活水準は低下するだけです。モノは十分にあり子供や若者にとって欲しいものが物ではなくコトになりつつある時代で且つAI活用が急速に拡大する傾向の時代です。知識や技術を要する仕事の多くはAIに取って代わられて人間がすべき作業は底辺労働と言われる肉体労働のみになる時代がくる恐れも感じさせます。

そうした中で働くこと自体が喜びであり働くことでより健康になる、そのような社会構築のために必要なことは何か。日々思い巡らしています。

眼前の策としては、日常の作業の中から極力無駄を省くことですが、手始めに会議の持ち方を各事業場で指導しています。事務局説明で時間の大半を占め参加者のごく一部しか発言しないような会議は排していくべきで、資料は事前配布し事務局説明は長くても10分以内、参加者は全員発言する、等を原則とするよう指導しています。実現できた少数の事業では高ストレス者やメンタル障害が減少し長時間労働も80時間超はなくなっています。健診結果にはまだ明確な改善は出ていませんが、数年内には健診結果も好転すると確信しています。愚痴の多い監査資料作りにも取り組まねばなりませんが、先ずが会議の在り様から取り組むことを推奨します。