メールレター 第217号
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≪「さんぽ鹿児島」メールレター≫ 第217号
2021/4/1
発行:鹿児島産業保健総合支援センター
所長 草野 健
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相談員からのメッセージ
「毒物劇物取扱いに注意」
産業保健相談員 黒沢 郁夫
(担当分野:労働衛生工学)
厚生労働省の資料で毒物又は劇物の盗難・紛失事故情報によると令和元年に毒物4件、劇物13件発生しています。
このような盗難・紛失事故を防止するためには日常的に毒物劇物管理の徹底が欠かせません。徹底した管理は抑止力になります。具体的には毒物劇物取締法を遵守することで盗難・紛失事故の防止が可能です。
特に毒物は医薬用外毒物の表示及び劇物は医薬用外劇物の表示がされていますので他の化学物質と区別が明確になっています。仮に作業終了後等でこれらが作業台等に放置されると不測の事態を招くことが懸念されますので徹底した保管管理が必要です。
又これらの毒物劇物を取り扱う際は危険有害性情報を安全データシート(SDS)等で確認して安全な作業手順の下で取り扱う必要があります。仮に不適切な取り扱いをすると毒物劇物が本性を現し確実に被害を受けることになります。
例えばフッ化水素酸は毒物に該当します。危険有害性は皮膚への化学熱傷で表面だけでなく体内組織に深く浸入して骨に達し、数時間後に痛み始めることがあるといわれています。又劇物の濃硫酸は水を加えると激しく発熱して、液が飛び散る危険があり、皮膚に触れると化学火傷を起こします。
更に気を付ける点ですが、容器の移し替えには品名等の表示が必要です。表示がないために誤飲した例があります。飲料用のペットボトルに劇物を入れたのをお茶と間違えて飲んだ事例や塗装作業で余った劇物(トルエン等)を含むシンナーをペットボトルに入れたまま、現場に放置されているのを他の者が飲料水と勘違いして冷蔵庫に入れ、更に他の者がこれを誤飲した例も発生しています。もともと毒物劇物取締法(11条)でペットボトル等の飲食容器に移し替えることは禁止されていますのでペットボトルの取り扱いには気を付けて下さい。
以上これからも毒物劇物の取り扱いには十分な注意をお願い致します。
研修セミナーのご案内
下記、セミナーはどなたでも参加できます。
参加される皆様は、新型コロナウイルスの感染予防対策(以下URL)にご協力ください。
⇒ https://kagoshimas.johas.go.jp/wp-content/uploads/2020/05/kensyu-kai.pdf
なお、新型コロナウイルスの感染拡大等によっては、中止または延期させていただくことも考えられますが、その際はご理解をお願い申し上げます。
土曜日開催の研修会について |
令和3年4月から土曜日の研修会場は、第12川北ビルBOIS鹿児島と鹿児島県医師会館の2か所になります。 日程により会場が異なりますので、事前にご確認の上、ご参加くださいますようお願い申し上げます。 また、当日13時以降は、センターや各会場へ連絡されても取次ぎができませんのでご注意ください。なお、各会場へのご連絡はお控えください。 |
≪ 4月 ≫【定員】14名 【会場】光健ボイスビル2F ※4/24を除く
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☆4月7日(水)14:00~16:00
「従業員が50名を超えたばかりの会社の産業医になったら」冨宿先生
日医認定産業医:生涯(専門)2単位
☆4月12日(月)14:00~16:00
「新型コロナ感染症と産業医」桶谷先生
日医認定産業医:生涯(専門)2単位
☆4月24日(土)14:00~16:00 ※定員25名
「障害者を雇用するときに気を付けること」冨宿先生
※会場:第12川北ビルBOIS鹿児島8F(鹿児島市上之園町24-2)
日医認定産業医:生涯(専門)2単位
☆4月26日(月)18:00~20:00
「化学発がん「アスベスト、有機溶剤、タバコ」:事例から考える予防策」堀内先生
日医認定産業医:生涯(専門)2単位
☆4月28日(水)14:00~16:00
「「働く人」のうつ病」長友先生
日医認定産業医:生涯(専門)2単位
≪ 5月 ≫【定員】14名【会場】光健ボイスビル2F ※5/22を除く
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☆5月6日(木)14:00~16:00
「新型コロナウイルス感染症流行下におけるメンタルヘルス問題とその対応」赤崎先生
日医認定産業医:生涯(専門)2単位
☆5月7日(金)14:00~16:00
「健康診断とその事後措置」小田原先生
日医認定産業医:生涯(実地)2単位
☆5月14日(金)14:00~16:00
「感染症予防対策としての職場環境づくり」德永先生
日医認定産業医:生涯(実地)2単位
☆5月18日(火)14:00~16:00
「職場の結核対策」徳留先生
日医認定産業医:生涯(専門)2単位
☆5月20日(木)14:00~16:00
「産業医・衛生管理者による職場巡視のポイント」黒沢先生
日医認定産業医:生涯(専門)2単位
☆5月22日(土)14:00~16:00 ※定員25名
「職場での熱中症予防対策」冨宿先生
※会場:第12川北ビルBOIS鹿児島8F(鹿児島市上之園町24-2)
日医認定産業医:生涯(専門)2単位
☆5月28日(金)14:00~16:00
「メンタルヘルス・カウンセリングのいろいろ-Ⅰ
~見えない世界を(見、観、視、診、看)るカウンセリング~」久留先生
日医認定産業医:生涯(専門)2単位
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◇…産業医対象
●…産業保健スタッフ対象
☆…産業保健スタッフ・産業医対象
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▼詳細
https://kagoshimas.johas.go.jp/information/h2335
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「新入社員のためのセルフケアWebセミナー」のご案内
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鹿児島産業保健総合支援センターでは、今春入社されました社員等を対象としたWebセミナーを開催いたします。
セミナーでは、これから職業生活を送るための健康管理として、食生活を含む生活習慣やメンタルヘルスケアについて解説しますので、是非ご参加
いただきますようご案内いたします。
日 時:令和3年4月23日(金)14時~16時
内 容:
テーマ1「新入社員の生活習慣からつくる人生!」
講師:鹿児島産業保健総合支援センター 産業保健相談員
德永 龍子(保健師、鹿児島純心女子大学名誉教授)
テーマ2「メンタルヘルスケア~ストレスへの気づきと対処~」
講師:鹿児島産業保健総合支援センター メンタルヘルス対策促進員
豊里 修(社会保険労務士、産業カウンセラー)
対 象 者:新入社員、若年労働者に限らず、人事労務担当者、管理監督者等の参加も可能です。
定 員:100名 ※令和3年4月19日(月)までにお申し込みください。
申込方法:メールフォームから https://ssl.formman.com/t/rtbm/
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「衛生委員会活性化Webセミナー」のご案内
※令和2年11月30日(月)に開催したWebセミナーと同じ内容です。
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労働者数50人以上の全ての事業場では、衛生委員会を設置し、毎月1回以上開催することが義務付けられていますが、議題のマンネリ化などにより、形骸化の傾向にあることが指摘されているところです。
当Webセミナーでは、独立行政法人労働者健康安全機構が作成したDVD映像、資料「衛生委員会活性化テキスト」を使用してわかりやすく解説しますので、是非ご参加いただきますようご案内いたします。
日 時:令和3年4月26日(月)14時~15時30分
対 象 者:事業者、衛生管理者、人事労務担当者など
※産業医も参加できますが、日医認定産業医の単位取得はできません。
定 員:100名 ※令和3年4月19日(月)までにお申し込みください。
申込方法:メールフォームから https://ssl.formman.com/t/rtbm/
お知らせ
<鹿児島産業保健総合支援センター>
産業保健に関するご質問・ご相談を受け付けています。
当センターでは、メンタルヘルス対策や治療と仕事の両立支援対策をはじめ、産業保健に関する様々なご質問・ご相談を受け付けています。お気軽にご相談ください。(オンラインによる相談も可能です。)
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/otoiawase
両立支援(出張)相談窓口のご案内
両立支援(出張)相談窓口の設置状況は次のとおりです。
なお、医療機関における両立支援(出張)相談窓口では、新型コロナウイルス感染症の状況によっては、中止の可能性があります。
▼両立支援(出張)相談窓口一覧
https://kagoshimas.johas.go.jp/wp-content/uploads/2020/02/ryouritsushien-madoguchi.pdf
鹿児島産業保健総合支援センターの産業保健専門職(保健師)および両立支援促進員がご相談に応じます。
相談は無料です。両立支援に関するお悩み等についてご相談ください。(オンラインによる相談も可能です。)
事業場内での両立支援教育、体制の整備、規定等の整備、勤務・休暇制度の整備、両立支援の進め方についても、両立支援促進員が事業場を訪問してアドバイスを行いますので、ご利用ください。
▼治療と仕事の両立支援申込み
ホームページから
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/cat767
FAXから
https://kagoshimas.johas.go.jp/wp-content/uploads/2019/03/ryoritusien-mousikomi-ura.pdf
メンタルヘルス対策支援
鹿児島産業保健総合支援センターでは、メンタルヘルス対策に取り組もうとする事業場を支援しています。事業場にメンタルヘルス対策促進員が訪問して、「心の健康づくり計画」の策定、体制の整備、職場環境の把握と改善、管理監督者向けの研修、若年労働者(含む全社員)向けの研修などの支援を行っています。
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/cat426
<労働者健康安全機構情報>
ポータルサイト「さんぽセンターWebひろば」を開設しました!(再掲)
https://www.johas.go.jp/Portals/0/sanpocenter/webhiroba.html
労災疾病等医学研究普及サイトのご案内
労働者健康安全機構では、労働災害の発生状況や行政のニーズを踏まえ、労災補償政策上重要なテーマや新たな政策課題について、時宜に応じた研究に取り組んでいます。
○労災疾病等医学研究普及サイト
https://www.research.johas.go.jp/index.html
○「医療従事者の安全」について
https://www.research.johas.go.jp/anzen2018/index.html
○「石綿関連疾患診断技術研修(石綿小体計測講習会)」について
https://www.research.johas.go.jp/asbestokenshu/
「会議を行うにあたって新型コロナウイルス感染症感染防止のためのポイント」の動画教材を公開しています!(再掲)
https://www.johas.go.jp/sangyouhoken/johoteikyo/tabid/1923/Default.aspx
<厚生労働省情報>
令和3年度「全国安全週間」を7月に実施!
厚生労働省では7月1日から1週間、「全国安全週間」を実施します。また、令和3年度のスローガンは、「持続可能な安全管理 未来へつなぐ安全職場」に決定されました。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_17450.html
令和3年「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」を実施します!
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_17076.html
<鹿児島労働局情報>
令和2年の労働災害発生状況
令和2年(令和3年3月9日現在の速報値)
- 死亡者数は14人で、前年同期で1人(6.7%)減。
業種別では、建設業3人(前年6人)、商業3人(前年1人)、製造業2人(前年2人)、陸上貨物運送事業2人(前年1人)、農林業2人(前年2人)、畜産・水産業1人(前年0人)、その他の事業1人(前年1人)。 - 休業4日以上の死傷者数は2,072人で、前年同期比で104人(5.3%)増。
主な業種別では、製造業374人(前年381人)、建設業301人(前年302人)、陸上貨物運送事業197人(前年180人)、農林業104人(前年99人)、商業266人(前年276人)、保健衛生業357人(前年281人)、接客娯楽業102人(前年116人)、清掃・と畜業74人(前年79人)。
https://jsite.mhlw.go.jp/kagoshima-roudoukyoku/content/contents/r2saigai_2021-0309-1.pdf
<その他の情報 >
令和2年度心の健康を考えるつどいの開催について
鹿児島県精神保健福祉協議会では、精神保健福祉に関する県民の理解を得るため、毎年「心の健康を考えるつどい」を開催しておりますが、今年度は、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、講演については、下記のとおりYouTubeにて一般公開されます。
記
- 配信期間:令和3年3月1日(月)~令和3年5月31日(月)
- 配信方法:YouTubeアカウント「鹿児島県公式チャンネル」にて一般公開
- 視聴方法:YouTube内で「心の健康を考えるつどい」で検索
- 講 演:演題「ライフステージに応じた発達障害の理解と支援」
講師 信州大学医学部子どものこころの発達医学教室教授
兼 信州大学医学部附属病院子どものこころ診療部部長 本田秀夫 先生
編集後記
令和2年度は、年度当初から最後までコロナ禍に振り回されて終わりました。1世紀前の「スペイン風邪」の時代に比べれば、医療医学は驚異的なまでに進歩しているにも関わらず、1年以上経っても終息の兆しは見えません。ワクチンに大いに期待が掛けられていますが、インフルエンザワクチンとは異なり遺伝子組み換え技術を用いたmRNAワクチンということに過剰な期待を持つことには疑問も感じています。
SARSCOV-2という新型コロナウィルスがまるで駆逐したかのように今冬も昨冬以上にインフルエンザ罹患者を診ませんでした。コロナウィルスがインフルエンザウィルスより強いとかでなはなく、手洗いや手指消毒とマスク着用に加え、少しでも症状のある者が感染源とならないように留意したことが大きな要因のようです。人々の行動の在り様で感染症拡大は防げることを、このインフルエンザ罹患状況は示唆しているようです。
今回のパンデミックもいずれは何らかの形で終息するでしょうが、人々の社会活動・経済活動の在り様は大きく変わることが予想されます。それがどのように変化するのか、産業保健にとってどう影響があるか、気になるところです。
歴史上、過去のパンデミック後の社会は熾烈な弱肉強食の競争原理が支配的になってきました。日本だけではないが、今の社会現象としては格差拡大が急進展し貧困層が急増しています。自由競争を絶対的原理とする経済システムでは資本力のない小規模・零細規模の事業体は価格変換で測る価値効率は低いので、どうしても淘汰されます。資本力の強い企業のみが利潤を増大させる経済構造では権力構造を一元化している社会のみが生き残ると思われ、将来を大いに危惧しています。強欲資本主義を止揚した「社会主義経済」でも「共産主義経済」でもない新の経済システムの構築が必須です。その為には、貨幣価値以外の価値も大いに評価する評価される社会構造への変革が不可欠です。
産業保健にとっても当面の課題はコロナ禍の克服です。清潔で「和をもって尊とし」とする精神構造が基底に流れている我が国の国民性に期待し、職場での働き方改革として会議の在り様を先ず見直すことから始めて欲しいと思っています。実のある協議をしないのであれば参集せずに文書でも持ち回り会議で充分ですし、組織利用者の益にならないような作業は徹底的に省くことが要諦になると思います。いわゆる「お役所仕事」的な管理のために管理や「上」に立つ者が「楽」をするための作業を徹底的に排除することも極めて重要です。働き方改革の本質は「働きがい」のない作業を排除することと思っています。