お知らせ

メールレター第191号

鹿児島産業保健総合支援センター メールレター第191号  2019/02/01

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                                         発行:鹿児島産業保健総合支援センター 所長 草野 健

 

 

相談員からのメッセージ confident

歯ぎしり、食いしばり

産業保健相談員 松下 幸誠
(担当分野:産業医学)

「歯ぎしりするほど悔しい。」「歯を食いしばってがんばる。」「喜びをs噛みしめる。」など、人は咬み合わせの状態の言葉を用いて感情表現します。sあごは食物を咀嚼したり嚥下する他に、病的な運動を行うことがあります。s上下の歯が接触する時間は1日トータル20分以下、また、食品のほとんどがs数キロ以下の咬合力で済みますが、病的噛みしめや歯ぎしりは数十分から1s時間以上接触して、しかもその時の咬合力は体重以上にものぼります。様々sな要因が考えられていますが、未だに謎の多い病態です。それにより、歯のs破折や咬耗、知覚過敏、根の吸収や破折、修復物や補綴物の脱落や破損、歯s周病進行の加速、顎関節症など様々な悪い事象を引き起こし、さらには、頭s痛、肩こり、不眠症、慢性疲労症候群、線維筋痛症などとの関連も取りざたsされています。これは昼間でも極度のストレスや緊張状態により無意識に行sわれることがあります。長時間のうつむいたスマホ操作やデスクワークなどsも一因に挙げられます。病的な歯ぎしりや食いしばりの多くは、歯はいつもs接触するものという間違った思い込みや無意識に噛みしめるという習慣、質sの悪い睡眠、生活習慣からきている場合が多く、認知行動療法や家庭理学療s法で改善に向かうことが多いです。(「食いしばらない」の自己暗示。仕事s中のチェックやあごのマッサージ。就寝前の深酒、スマホ、刺激物を避け、s快適な寝具を選ぶなど睡眠の質を高める。ぬるめのお風呂にゆっくりと入る。s睡眠時無呼吸や逆流性食道炎の治療を行うなど。)以下、歯ぎしり、食いしsばりのチェックリストを挙げます。(1.歯の詰め物、被せ物がよく取れる、s2.朝起きた時にあごがだるかったり痛かったりする、3.むし歯じゃないのsにあちこちしみる、4.歯がすり減ったり、欠けたり割れたりしたことがある、s5.歯の根元の質がくさび状にくぼんでいる、6.上あごの真ん中や下の歯のs内側の骨が出っ張っている、7.頬の内側や舌に歯のあとがついている、8.s夜中に食いしばりで目がさめる。9.夕方になると歯が痛くなる。)口はそのs人の生活習慣や心理状態をよく表すデリケートな器官です。普段のストレスsチェックには、歯ぎしりや食いしばりの観点も参考になるかもしれません。

おすすめ教材(無料貸出し等) book 

当センターでは、産業保健に関する図書、ビデオ・DVDを無料にて閲覧・貸出ができます。
ぜひご利用ください。

★★★おすすめ図書 book★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
治療と仕事の両立支援ハンドブック 従業員を辞めさせないためにできること
(貸出番号:1-311)

【概要】
1:治療と仕事の両立支援とは
2:データから見るがんと就労の現状
3:企業の中での両立支援の実際
4:がんによる離職の傾向
5:両立支援の進め方
6:社内制度・体制の整備
7:終わりに

★★★おすすめDVDmovie ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
飲酒・ひき逃げの波紋
(貸出番号:0-157)

【概要】
軽い気持ちで飲酒の末、人身事故を起こしたドライバー。飲酒の後ろめたさからひき逃げをし、被害者を事故現場に放置し、死亡させてしまう。
この事故をきっかけに被害者の家庭ばかりか、自らの家庭までもが崩壊していく悲劇を描く。

※今月のおすすめ詳細
https://kagoshimas.johas.go.jp/library/library_category/recommend

研修セミナーのご案内 pencil

すべてのセミナーにどなたでもご参加いただけます。
(定員は各セミナー30名、場所は光健ボイスビルです)

2月 ※特に記載のないものは会場 光健ボイスビルです。
1(金)
14:00-16:00

2
B/A 治療と職業生活の両立支援対策 小田原 努*
ヘルスサポートセンター鹿児島 所長
13(水)
14:00-16:00

B/A 「働く人」のストレッサー 長友 医継*
医療法人玉水会病院 心療内科部長
14(木)
14:00-16:00

C/A うつ病・うつ状態の復職支援 -大人の発達障害も含めて- 赤崎 安昭*
鹿児島大学保健学科 臨床作業療法学講座 教授
16()
14:00-16:00

B 産業医による職場巡視研修
flag中越パルプ工業㈱川内工場  ※定員17名
danger定員に達しましたので受付を締め切りました。
冨宿 明子*
労働衛生コンサルタント
18(月)
18:00-20:00

B/A 健康管理における遺伝的因子をどう考えるか 堀内 正久*
鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科衛生学・健康増進医学 教授
20(水)
14:00-16:00

B/A 産業医として知っておくべき化学物質のリスクアセスメント(その2)~実測値を用いたリスクアセスメント~ 東 正樹*
(株)鹿児島環境測定分析センター 代表取締役
27(水)
18:30-20:30

2
  B  働き方改革関連法改正について
~産業保健・産業医関連法の見直しなど~
flag 鹿児島県医師会館(鹿児島市中央町8-1)
※定員100名

草野 健
鹿児島産業保健総合支援センター所長
中村 健吾
鹿児島産業保健総合支援センター副所長
3月 ※特に記載のないものは会場 光健ボイスビルです。
1(金)
14:00-16:00

B/A ストレスチェック事例検討 小田原 努*
ヘルスサポートセンター鹿児島 所長
2()
14:00-16:00

C/A 騒音作業者が知っておきたい知識
flag 鹿児島市医師会館(鹿児島市加治屋町3-10)

冨宿 明子*
労働衛生コンサルタント
5(火)
14:00-16:00

C/A 職場における喫煙対策 徳留 修身*
元・保健所長(鹿児島県及び鹿児島市)
11(月)
14:00-16:00

B/A 職場での応急手当 最新版 冨宿 明子*
労働衛生コンサルタント
14(木)
14:00-16:00

C/A 作業環境管理について 黒沢 郁夫*
黒沢労働安全衛生コンサルタント事務所 所長
15(金)
14:00-16:00

B/A メンタルヘルス・カウンセリングⅥ 発達障害者(LD、ADHD、ASD)の心理支援 久留 一郎*
鹿児島大学 名誉教授
19(火)
18:00-20:00

B/A 職場で起こった循環器疾患について 前田 雅人*
鹿児島大学教育学部保健体育学科s教授

flair 定 員 :30名
  講師*印:当センター産業保健相談員

※各研修会には定員があります。申し込みがないまま当日来られた場合、会場や資料の関係で受講できない場合がありますので必ず申し込みをしてください。
※受講できなくなった場合は必ずご連絡ください。

お知らせ sign01

◆◆鹿児島産業保健総合支援センター情報◆◆

 

産業保健に関するご質問・ご相談を受け付けています。

当センターでは、メンタルヘルス対策や治療と仕事の両立支援対策をはじめ、産業保健に関する様々なご質問・ご相談を受け付けています。お気軽にご相談ください。
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/otoiawase

メンタルヘルス対策支援のご案内

従業員の心の健康対策への取組方法がわからないという事業場の皆さまへ私たちは、メンタルヘルス対策に取り組もうとする事業場を支援します。
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/cat709

地域産業保健センターのご案内

労働者数50人未満の小規模事業場では、労働者に対する産業保健サービスを充実させることを目的に、地域産業保健センターが設けられています。
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/cat638

「治療と職業生活の両立支援対策」(事業者用・患者(労働者)用)のリーフレットのご案内

鹿児島県地域両立支援推進チーム(事務局:鹿児島労働局健康安全課)では、事業者向けと患者(労働者)向けの「事業場における治療と職業生活の両立支援対策」のためのリーフレットを作成しました。
【詳細】
▼事業者向けリーフレット
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/chiryou_jigyousya.pdf
▼患者(労働者)向けリーフレット
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/chiryou_roudousya.pdf

≪参考:鹿児島産業保健総合支援センターが行う両立支援に関する各種支援≫
▼鹿児島産業保健総合支援センターが行う治療と職業生活の両立支援事業内容
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/cat768
▼治療と職業生活の両立支援申込書(FAX用)
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/ryoritsushien.pdf
▼治療と職業生活の両立支援申込書(ホームページからの申込用)
https://ssl.formman.com/form/pc/CTO2smM6jbkJbePL/

2月~3月の両立支援(出張)相談窓口

当センターでは、センター内の相談窓口のほかに、鹿児島医療センターと鹿児島大学病院に、治療と職業生活のための両立支援出張相談窓口を開設しています。設置状況は次のとおりです。
(1)鹿児島産業保健総合支援センター
        相談窓口開設日時・・・平日 8:30~17:15

(2)国立病院機構 鹿児島医療センター がん相談支援センター内
        相談窓口開設日時・・毎月第1・3火曜日 10時~13時
            2月の相談日 → 5日(火)・19日(火)
            3月の相談日 → 5日(火)・19日(火)

(3)鹿児島大学病院 地域医療連携センター内
        相談窓口開設日時・・毎月第3木曜日 10時~12時(事前予約が必要です)
           2月の相談日 → 21日(木)
           3月の相談日 → なし

鹿児島産業保健総合支援センターの産業保健専門職(保健師)および両立支援促進員がそれぞれの医療機関のソーシャルワーカーなどと連携してご相談に応じます。相談は無料です。両立支援に関するお悩み等にについてご相談下さい。

詳細
▼両立支援出張相談窓口
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/madoguchiitiran.pdf
▼鹿児島医療センター内(リーフレット)
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/ryouritusien-iryousennta.pdf
▼鹿児島大学病院地域医療連携センター内(リーフレット)
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/ryouritusien-kadaibyoin.pdf
▼鹿児島産業保健総合支援センター 相談窓口(リーフレット)
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/ryouritusien-sanpo.pdf

 

 

◆◆◆労働者健康安全機構情報◆◆◆

 

労災疾病等医学研究普及サイトのご案内

労働者健康安全機構では、労働災害の発生状況や行政のニーズを踏まえ、労災補償政策上重要なテーマや新たな政策課題について、時宜に応じた研究に取り組んでいます。

詳細
▼労災疾病等医学研究普及サイト
http://www.research.johas.go.jp/index.html
▼「じん肺」テーマ(平成30年度開始)
https://www.research.johas.go.jp/jinpai2018/
▼じん肺診断技術研修について
https://www.research.johas.go.jp/jinpai2018/kenshu.html
▼「騒音、電磁波等による感覚器障害」分野
https://www.research.johas.go.jp/kankaku/index.html

 

◆◆◆厚生労働省情報◆◆◆
第16回医師の働き方改革に関する検討会 資料

  〇 とりまとめ骨子案について
  〇 時間外労働規制のあり方について
  〇 その他
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_03209.html

第17回医師の働き方改革に関する検討会 資料

〇 時間外労働規制のあり方について
〇 その他
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_03296.html

厚生労働省版ストレスチェック実施プログラムVer.3.0が公開されました

https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei12/index.html

「平成30年版過労死等防止対策白書」

https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000179592_00001.html

同一労働同一賃金に関する指針

短時間・有期雇用労働者及び派遣に対する不合理な待遇の禁止等に関する指針」(平成30年厚生労働省告示第430号)が公布されました。

詳細
▼指針
https://www.mhlw.go.jp/content/000465454.pdf
▼同一労働同一賃金特集ページ
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000144972.html

◆◆◆鹿児島労働局情報◆◆◆
平成30年の労働災害発生状況(H30.12月速報)

○ 死亡者数は13人で、前年同期で5人(27.8%)減。
○ 休業4日以上の死傷者数は1,760人で、前年同期で66人(3.6%)減。
https://jsite.mhlw.go.jp/kagoshima-roudoukyoku/content/contents/H30saigai_2019-0109-3.pdf

編集後記

北日本を中心に豪雪被害に襲われていますが、鹿児島は暖冬の予想通り暖かい日が多く、雪を見ないままに春を迎えられそうな気配です。
   2月は新年度の準備が本格化する時期です。私達産業保健に関与する者にとって現今の最大の産業保健関連課題は「働き方改革」です。マスメディアでも大いに話題になっています。然しながら、どうしても気になることは、過重労働問題の解決法が労働時間のみに向けられていることです。数時間以上の残業が連続すれば生活リズムが乱れ食生活も不健全なものとなり睡眠不足が持続しますから、そうした残業の在り方は早急に改善すべきです。残業による生活時間の乱れやメンタル面の負荷こそが問題と思いますが、それらを不問にしての単なる月合計とか年合計とかの残業時間数だけの論議には危うさを感じます。
   産業医としてまたコンサルタントとして多くの事業場に関与させて貰った経験から言えば先月も指摘させて貰いましたが、一番のメンタルストレスは長時間労働ではなく、意義を感じない作業そのものです。誰のために、また何の役に立つのか分からない、というより価値生産上は無駄としか感じない作業を強制されることが最大のストレスです。事業場内の人間関係からくるストレスも無視できませんが、それらは事業場ぐるみの対策を講じることで軽減可能です。しかし管理のための監査資料や報告書等作成のための作業間短縮は事業場内のみでの解決は困難です。
   確かに詳細かつ正確な監査資料や報告書は為政者にとっては例え統治能力が低くても統治が容易になり易いものです。そのことを考慮するとこれらの作業は統治者や為政者等管理側にとってのみ有為な作業ですから、作業者が意義を感じる筈はありません。単位労働時間当たりの生産性を高める上からもこうした生産性の無い作業こそ人の手ではなくAI等の活用での機械化が必須と考えますが、如何でしょうか。
   「働き方改革」の内容や方法に疑義・異論があっても「国民の代表」が決定したことですから、現場で働く私たちはその政策に沿わねばなりません。出来ることは法令を遵守しながら、また政府の政策に従いながらも真に「働く人々」の健康を守り増進する実を挙げていくことです。今、為すべきことは「働き方改革」を労働者側にとって実効性あるものにすることですから、来年度事業に向けて残り2か月、その準備に充てたいと思います。