お知らせ

メールレター 第228号

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≪「さんぽ鹿児島」メールレター≫ 第228号
               2022/3/1

   発行:鹿児島産業保健総合支援センター
              所長 草野 健
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相談員からのメッセージ

ヤングケアラー問題

産業保健相談員 山喜 高秀
(志學館大学大学院)
(担当分野:カウンセリング)

みなさんは、「ヤングケアラー」という言葉を知っていますか?最近、新聞やTV報道でしばしば話題となっている社会問題です。北山(2011)によると、「障害あるいは何らかの困難を抱えている親やきょうだい、あるいは祖父母などの『介護』や『看護』もしくは『世話』をすることの責任を、成人と同様に担っている子どもをヤングケアラー」と定義しています。これに対して、「子どもが、手伝いの中で『介護』や『看護』もしくは『世話』をすることは、今に始まったわけでなく、昔からそれぞれの家庭で見られたことだ」と思われる人もいると思います。しかし、昔と今では、その様相が異なってきている現実があります。

それは、先の定義の中の「・・責任を、成人と同様に担っている子ども・・」の部分です。今の時代は、大人の手助けの範疇を超えて、子どもが中心にケアしている現状、さらには親のアルコール中毒やDV問題の仲裁に入ったりと、まるで「子守で」の逆転現象と言えるような「親守」の状況で苦しんでいる子どもたちが、多く存在しているということです。

この問題の背景の一つに、核家族と少子化や一人親家庭の増加によって、「共同体感覚(隣近所の家族間は、気づき合う事、頼りあう事、いわゆるお互いさま感覚)」が減ってきていることが挙げられます。物質的には豊かになりましたが、その代償としての失うものの大きさを、こういった問題を通して私たちに警鐘を鳴らしているのかもしれません。

研修セミナーのご案内

下記、セミナーはどなたでも参加できます。
参加される皆様は、新型コロナウイルスの感染予防対策(以下URL)にご協力ください。
https://kagoshimas.johas.go.jp/wp-content/uploads/2020/05/kensyu-kai.pdf

◎産業保健研修会の延期について
新型コロナウイルス感染者の急拡大に伴い、令和4年3月開催の当センター主催の以下の研修会について、延期を決定しました。
今後の感染状況によっては、下記以降の研修会を中止(延期)する場合がありますので、当センターのホームページで事前に確認いただきますようお願いいたします。
(既に申込いただいている方に対しては、メールや電話でご連絡いたします。)

■■延期■■
3月3日(木)「大人の「発達障害」の特徴と対応」赤崎先生
⇒ 4月14日(木)14:00~16:00に再延期

≪ 3月 ≫【定員】14名【会場】光健ボイスビル2F ※3/12を除く
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☆3月8日(火)18:00~20:00 ※満席
「生活習慣病と運動療法について(症例検討を交えて)」前田先生
日医認定産業医:生涯(専門)2単位
THPレベルアップ研修:1単位

☆3月9日(水)14:00~16:00 ※満席
「健康経営とプレゼンティズム」長友先生
日医認定産業医:生涯(専門)2単位

☆3月12日(土)14:00~16:00 ※定員30名
「測定結果を用いた作業環境の改善提案のポイントと改善事例」東先生
※会場:鹿児島県医師会3F中ホール(鹿児島市中央町8-1)
日医認定産業医:生涯(実地)2単位

☆3月14日(月)14:00~16:00 ※満席
「産業医面談-事例集-」桶谷先生
日医認定産業医:生涯(専門)2単位

☆3月18日(金)14:00~16:00 ※満席
「復職支援と両立支援」小田原先生
日医認定産業医:生涯(更新)2単位

≪ 4月 ≫【定員】14名【会場】光健ボイスビル2F ※4/23を除く
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☆4月11日(月)14:00~16:00
「仕事と腰痛」冨宿先生
日医認定産業医:生涯(専門)2単位

☆4月14日(木)14:00~16:00 ※満席
「大人の「発達障害」の特徴と対応」赤崎先生
日医認定産業医:生涯(専門)2単位

☆4月18日(月)14:00~16:00
「働く方々の健康を守るために産業医からのアドバイス
(新型コロナ感染症対策を含め)」桶谷先生
日医認定産業医:生涯(専門)2単位

☆4月22日(金)14:00~16:00
「時間栄養学を利用して生活習慣病を予防する」徳永先生
日医認定産業医:生涯(実地)2単位

☆4月23日(土)14:00~16:00 ※定員25名
「今も起こっている職業がん」冨宿先生
日医認定産業医:生涯(専門)2単位
※会場:第12川北ビルBOIS鹿児島8F(鹿児島市上之園町24-2)

☆4月25日(月)18:00~20:00
「化学発がん「アスベスト、有機溶剤、タバコ」:事例から考える予防策」堀内先生
日医認定産業医:生涯(専門)2単位

☆4月27日(水)14:00~16:00
「うつ病の「働く人」の治療と職場復帰支援」長友先生
日医認定産業医:生涯(専門)2単位

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◇…産業医対象
●…産業保健スタッフ対象
☆…産業保健スタッフ・産業医対象
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▼詳細・申込
https://kagoshimas.johas.go.jp/information/h2335

お知らせ

<鹿児島産業保健総合支援センター>

産業保健に関するご質問・ご相談を受け付けています。

治療と仕事の両立支援対策やメンタルヘルス対策をはじめ、産業保健に関する様々なご質問・ご相談を受け付けています。(オンラインによる相談も可能です。)電話やFAX、ホームページからお気軽にご相談ください。
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/otoiawase

治療と仕事の両立支援について

治療と仕事の両立に関するお悩み等について、事業場関係者や産業保健スタッフ、がんなど反復・継続して治療が必要な患者(労働者)やその家族からの相談に、鹿児島産業保健総合支援センターの両立支援促進員又は産業保健専門職(保健師)が相談に応じます。(オンラインによる相談も可能です。)

また、両立支援促進員が、事業場を訪問して事業場内の支援体制、勤務・休暇制度、各種規程等の整備、両立支援に関する教育など両立支援制度の導入に向けた支援を行うほか、患者(労働者)からの申出を受け、就労継続や職場復帰に関する事業場との調整支援を行います。

両立支援に関する相談、各種支援は無料です。
○治療と仕事の両立支援(支援内容、相談窓口、申込フォームなど)
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/cat765

なお、医療機関の両立支援(出張)相談窓口につきましては、新型コロナウイルスの感染状況により、医療機関の相談窓口業務を中止する可能性がありますので、当センターのホームページで事前に確認いただきますようお願いいたします。

メンタルヘルス対策支援について

当センターのメンタルヘルス対策促進員(産業カウンセラーや社会保険労務士など)が事業場に訪問し「心の健康づくり計画」の策定、相談体制の整備、職場環境の把握と改善、管理監督者向けや若年労働者(含む全社員)向けのメンタルヘルス教育・研修、メンタルヘルス不調者の職場復帰支援など、職場のメンタルヘルス対策に関する取り組みを無料で支援します。

また、事業場訪問以外のご相談(対面・電話・メール・オンライン)にも対応いたします。オンラインによる研修も対応可能です。
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/mental

地域産業保健センター(地域窓口)について

労働者数50人未満の小規模事業場に対する健康相談、保健指導等の産業保健サービスを無料で行っています。
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/cat638

<労働者健康安全機構情報>

労災疾病等医学研究普及サイトのご案内

労働者健康安全機構では、労働災害の発生状況や行政のニーズを踏まえ、労災補償政策上重要なテーマや新たな政策課題について、時宜に応じた研究に取り組んでいます。

▼労災疾病等医学研究普及サイト
https://www.research.johas.go.jp/index.html
▼「早期復職」について
https://www.research.johas.go.jp/souki2018/index.html
▼予防医療モデル事業について
https://www.research.johas.go.jp/yobou/
▼石綿関連疾患診断技術研修
https://www.research.johas.go.jp/asbestokenshu/
オンデマンド配信が3月10日(木)まで行われます。

<厚生労働省情報>

転倒予防・腰痛予防の取組について

「スベッチャダメよ!転倒予防 ムチャしちゃダメよ!腰痛予防」のキャンペーンを実施中です。
このキャンペーンでは、タレントの西川きよしさんがリーダーとなり、よしもと人気芸人が、転倒・腰痛予防の方法を分かりやすく紹介しています。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000111055.html

令和4年「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」を実施します

職場における熱中症予防対策を徹底するため、令和4年5月から9月まで、「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」を実施します。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_24043.html

「女性の健康週間」特設ホームページの公開について

毎年3月1日から3月8日は「女性の健康週間」です。
今年度の「女性の健康週間」の実施にあわせ、特設ホームページ「みんなで知ろう。婦人科のこと~婦人科って何するところ?~」を「スマート・ライフ・プロジェクト」公式サイトに公開します。
https://www.smartlife.mhlw.go.jp/event/womens_health/

3月は「自殺対策強化月間」です

https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/000901816.pdf

令和3年度「治療と仕事の両立支援オンライン地域セミナー」

各エリアのライブ配信は終了しましたが、アーカイブ配信が継続中です。
https://chiryoutoshigoto.mhlw.go.jp/symposium/2021

「事業場における労働者の健康保持増進のための指針」の一部改正について(再掲)

https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T211228K0120.pdf

職場における労働衛生基準が変わりました(再掲)

https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T211228K0120.pdf

保健衛生業及び陸上貨物運送事業向け腰痛予防サイト(再掲)

https://yotsu-yobo.com/

<鹿児島労働局情報>

令和3年の労働災害発生状況

○令和3年(令和4年2月7日現在の速報値)
□ 死亡者数は22人で、前年同期比で8人(57.1%)増。
□ 休業4日以上の死傷者数は2186人で、前年同期比で180人(9.0%)増。
https://jsite.mhlw.go.jp/kagoshima-roudoukyoku/content/contents/r3saigai_2022-0209-3.pdf

石綿等の有無の事前調査結果報告が施工業者(元請業者)の義務になります

▼リーフレット
https://jsite.mhlw.go.jp/kagoshima-roudoukyoku/content/contents/2022-0126-2_1.pdf
▼石綿事前調査結果報告システムについて(石綿総合情報ポータルサイト)
https://www.ishiwata.mhlw.go.jp/result-reporting-system/

<新型コロナウイルス関連情報>

感染拡大防止へのご協力をお願いいたします!(厚生労働省)

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kansentaisaku.html

新型コロナウイルス感染症の“いま”に関する11の知識(厚生労働省)

https://www.mhlw.go.jp/content/000788485.pdf

新型コロナワクチンについて(厚生労働省)

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_00184.html

新型コロナウイルスに関連するQ&A(厚生労働省)

▼企業の方向け
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00007.html
▼労働者の方向け
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00018.html

職域のための新型コロナウイルス感染症対策ガイド(日本渡航医学会)

https://plaza.umin.ac.jp/jstah/index2.html

編集後記

歴史を繙けば、パンデミックにより世界は弱肉強食の凄惨な様相を呈していることが多い。今の世界はパンデミックに加え地球温暖化が加速している。人類存続のためには全ての国家民族の協力が必須だが、現実は逆行し覇権争いは激化し全世界で「強欲資本主義」が跋扈している。こうした中、ロシアがウクライナに武力を行使した。どのように終息するのか見通せないが、いずれにしても「経済」が大きな影響を受けることは避けられない。そうなれば、資材・原料の不足と物価上昇が加速し、労働者、特に底辺労働者・非正規労働者も大きな犠牲を強いられ、産業保健スタッフの活動も困難さが増加する。しかし、それでも手を拱いているわけにはいかない。

コロナ禍で健診受診控えや集団方式からの個別方式への変更など、受診者数が減少傾向にあったが、経営状況が悪化すれば健診受診者数低下のみでなく、健診の内容・質の低下まで惹起しかねないし、その傾向は既に見えているようだ。

そんな中、健診施設などの健診実施医と産業医との意識のズレが小さくないことを思わされる相談例事例が増加している。法令に基づく健診は安衛法でも健康増進法でもその必須検査項目は最低限であり、法定項目以外の検査項目は情報交換が滑らかでない傾向が強く伺える。産業医及び産業保健スタッフ・健診医・事業主の見る視点・方向が異なっていては、働く人の健康を保持・増進することは覚束ない。こんな混乱した時代・社会だからこそこの3者の協調が重要。健診は健康の保持増進活動の基本情報である。その基本情報を蔑ろにしては、産業保健活動は成り立たないのだが・・・。