お知らせ

メールレター 第235号

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≪「さんぽ鹿児島」メールレター≫ 第235号(2022.10)

   発行:鹿児島産業保健総合支援センター
              所長 草野 健
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相談員からのメッセージ

COVID-19罹患後の職場復帰支援

産業保健相談員 桶谷 薫
(担当分野:産業医学)

COVID-19の主な症状は回復したにもかかわらず、いわゆる“後遺症”と呼ばれるような症状が持続したり新たにあらわれたりすることがわかってきました。なぜこのような罹患後の症状があらわれるのかはまだ不明な点が多く、ウイルスに感染した組織への直接的な障害やウイルス感染後の免疫調節不全による炎症の進行など諸説ありますが、現在解明研究がすすんでいます。

WHOは、この罹患後症状について「post COVID-19 condition」として、(1)他の疾患による症状として説明がつかないものである。(2)COVID-19の発症から3カ月経った時点にもみられることがある。(3)症状には、倦怠感、息切れ、思考力や記憶への影響などがあり日常生活に影響することもある。 (4)COVID-19の急性期から回復した後に新たに出現する症状と、急性期から持続する症状がある。 (5)症状の程度は変動し、症状消失後に再度出現することもある。等定義しています。

日本の報告では、COVID-19感染症とされてから診断12カ月経過した後でも罹患者全体の30%程度に、1つ以上の罹患後症状が認められたものの、いずれの症状に関しても経時的に症状がある者の頻度が低下する傾向を認めています。(12カ月後に5%以上の感染者に残存していた症状は以下の通り、13%:疲労感・倦怠感、9%:呼吸困難、8%:筋力低下・集中力低下、7%:睡眠障害・記憶障害、6%:関節痛・筋肉痛、5%:咳・痰・脱毛・頭痛・味覚障害・嗅覚障害)罹患後の症状が持続する場合は、かかりつけ医や専門医に相談をされてください(参考:県ホームページ鹿児島県/新型コロナの相談・受診 https://www.pref.kagoshima.jp/kenko-fukushi/covid19/soudan/index.html

これからは罹患後症状を抱えている方も罹患前の社会生活に戻ることができるよう、職場全体での支援が必要です。

研修セミナーのご案内 (10月~12月開催分 受付中!)

【定 員】14名
【会 場】光健ボイスビル2F ※10/22(土)を除く

┏―[ 詳細・申込はこちらから ]―――――――――――┓
https://kagoshimas.johas.go.jp/information/h2335
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第85回労働衛生研究会 ~働く人の健康を考える~の開催について

鹿児島労働衛生研究会は、「労働衛生コンサルタントとこれを目指す人々との研修・交流会」として、四半期に1回、テーマを決めて研修会を開催するとともに、働く人の健康に関する情報交換も行っています。

本年8月5日の開催を延期としていました第85回労働衛生研究会について、下記のとおり開催いたします。参加費は無料です。

日 時 令和4年10月28日(金)19:15~20:45
場 所 鹿児島市勤労者交流センター(よかセンター)多目的ホール
(鹿児島市中央町10番地 キャンセビル8階 099-285-0003)
テーマ 神経難病の治療法の進歩:両立支援も考慮して
講 師 道園 久美子 氏 (鹿児島大学病院 地域医療連携センター特例講師)

お知らせ

<鹿児島産業保健総合支援センター>

産業保健に関するご質問・ご相談を受け付けています。

治療と仕事の両立支援対策やメンタルヘルス対策をはじめ、産業保健に関する様々なご質問・ご相談を受け付けています。(オンラインによる相談も可能です。)電話やFAX、ホームページからお気軽にご相談ください。
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/otoiawase

治療と仕事の両立支援について

治療と仕事の両立に関するお悩み等について、事業場関係者や産業保健スタッフ、がんなど反復・継続して治療が必要な患者(労働者)やその家族からの相談に、鹿児島産業保健総合支援センターの両立支援促進員又は産業保健専門職(保健師)が相談に応じます。(オンラインによる相談も可能です。)

また、両立支援促進員が、事業場を訪問して事業場内の支援体制、勤務・休暇制度、各種規程等の整備、両立支援に関する教育など両立支援制度の導入に向けた支援を行うほか、患者(労働者)からの申出を受け、就労継続や職場復帰に関する事業場との調整支援を行います。

両立支援に関する相談、各種支援は無料です。
○治療と仕事の両立支援(支援内容、相談窓口、申込フォームなど)
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/cat765

なお、医療機関の両立支援(出張)相談窓口につきましては、新型コロナウイルスの感染状況により、医療機関の相談窓口業務を中止する可能性がありますので、当センターのホームページで事前に確認いただきますようお願いいたします。

メンタルヘルス対策支援について

当センターのメンタルヘルス対策促進員(産業カウンセラーや社会保険労務士など)が事業場に訪問し「心の健康づくり計画」の策定、相談体制の整備、職場環境の把握と改善、管理監督者向けや若年労働者(含む全社員)向けのメンタルヘルス教育・研修、メンタルヘルス不調者の職場復帰支援など、職場のメンタルヘルス対策に関する取り組みを無料で支援します。

また、事業場訪問以外のご相談(対面・電話・メール・オンライン)にも対応いたします。オンラインによる研修も対応可能です。
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/mental

メンタルヘルス対策支援の申込については、当センターホームページの申込フォームまたは当センターホームページ掲載の「メンタルヘルス対策支援申込書」に所要事項を記入しFAX送信によりお申込ください。(電話、郵送、メールでは受付しておりません。)

地域産業保健センター(地域窓口)について

労働者数50人未満の小規模事業場の事業主や労働者を対象に、健康診断結果の意見聴取、健康相談、長時間労働者や高ストレス者に対する面接指導、保健指導等の産業保健サービスを無料で行っています。
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/cat638

<労働者健康安全機構情報>

「令和4年度大雨及び台風等による災害被災者のための心と健康の相談ダイヤル」について

フリーダイヤル 0120-200-826(無料で利用可能)
受付日時 平日(10 時 00 分~17 時 00 分/土日祝日を除く)
対象者 被災された住民の方(事業者、労働者及びその家族等)
相談例 ・人間関係の悩みなどでの強いストレスや不安について
・エコノミークラス症候群などの健康管理や感染対策などの健康不安について

令和4年度両立支援コーディネーター基礎研修開催のご案内

昨年度に引き続きオンライン形式での研修となっています。第4回~第7回までの研修日程等が公開されていますので、機構本部ホームページにてご確認ください。
なお、第4回、第5回に係る募集期間は、10月4日13時~10月17日17時までとなっています。

https://www.johas.go.jp/ryoritsumodel/tabid/2126/Default.aspx

労災疾病等医学研究普及サイトのご案内

労働者健康安全機構では、労働災害の発生状況や行政のニーズを踏まえ、労災補償政策上重要なテーマや新たな政策課題について、時宜に応じた研究に取り組んでいます。

▼労災疾病等医学研究普及サイト
https://www.research.johas.go.jp/index.html

▼「勤労者医療フォーラム」について
https://www.research.johas.go.jp/kinrouforum/forumA.html

<厚生労働省情報>

10月1日から7日は「全国労働衛生週間」です

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26899.html

10月は「年次有給休暇取得促進期間」です

年次有給休暇の計画的付与制度の導入も含め、年次有給休暇を取得しやすい環境整備を推進するため、毎年10月を「年次有給休暇取得促進期間」として、集中的な広報活動を実施しています。
https://work-holiday.mhlw.go.jp/kyuuka-sokushin/

化学物質による労働災害防止のための新たな規制について(再掲)

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000099121_00005.html

歯科健康診断結果報告に係る省令改正について(再掲)

https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T220428K0010.pdf

<鹿児島労働局情報>

鹿児島県最低賃金を「時間額853円」に引き上げます

鹿児島県の地域別最低賃金が時間給853円となります。発効年月日は令和4年10月6日です。
https://jsite.mhlw.go.jp/kagoshima-roudoukyoku/hourei_seido_tetsuzuki/kane/saitin01.html

鹿児島県内の労働災害発生状況

https://jsite.mhlw.go.jp/kagoshima-roudoukyoku/jirei_toukei/toukei/saigaitoukei_jirei.html

<公益社団法人 全国労働基準関係団体連合会情報>

「過重労働解消のためのセミナー」開催について

本セミナーでは、過重労働防止に関連する労働関係法令の制度概要、過重労働の防止・解消のための対策・手法等を労働法に詳しい弁護士、大学教授、社会保険労務士などの専門家が解説するとともに、企業の取組事例を紹介します。

セミナーは、令和4年9月末から12月中旬にかけてオンライン等で開催されます。
【過重労働解消のためのセミナー専用Webサイト】
https://kajyu-kaisyou-zenkiren.com/

<一般財団法人 女性労働協会情報>

令和4年度「母性健康管理研修会」の開催について

本研修会では、女性労働者の妊娠・出産に適切に対応できるよう、妊娠中に起こりやすい症状および母性健康管理の法律、制度について専門家が解説します。また、企業がとるべき具体的な対応策について、事例を用いてくわしく解説します。

研修会は10月20日、11月17日、12月9日にオンラインで開催されます。
https://www.bosei-navi.mhlw.go.jp/kenshu/

<鹿児島県高齢者生き生き推進課情報>

令和4年度若年性認知症セミナーの開催について

若年性認知症の正しい理解や就労に関する支援,障害福祉と介護保険の連携等の推進を図るため,「令和4年度若年性認知症セミナー」を開催します。

日時:令和4年11月11日(金曜日)13時30分~16時00分

【鹿児島県ホームページ】
https://www.pref.kagoshima.jp/ab13/jakunennsem.html

<新型コロナウイルス関連情報>

新型コロナウイルス感染症に関する健康や医療相談の情報(厚生労働省)

https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/kenkou-iryousoudan.html#h2_1

新型コロナウイルス感染症の“いま”に関する11の知識(厚生労働省)

https://www.mhlw.go.jp/content/000927280.pdf

新型コロナワクチンについて(厚生労働省)

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_00184.html

新型コロナウイルスに関連するQ&A(厚生労働省)

▼企業の方向け
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00007.html
▼労働者の方向け
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00018.html

職域のための新型コロナウイルス感染症対策ガイド(日本渡航医学会)

https://plaza.umin.ac.jp/jstah/index2.html

編集後記

国の内外ともに多事多難の中、10月となっても夏日が続いています。災害列島の名の通り日本では被害の大小を問わず自然災害が続発していますが、世界各地でも各種災害が多発しています。誇張した報道が多いようにも感じられますが、自然環境破壊の当然の帰結とすれば人類の活動に対する地球からの警告でしょうか。ウクライナだけでなく世界各地で戦火による破壊と殺戮が多発し自然破壊に拍車が掛かっているようです。

政が悪いと「天は命を下し、政を革めさせる」とは古代中国の思想ですが、現在の政治経済がそれこそ根本的に改変できなければ人類そのものが滅亡に向かうのでは、とも危惧されます。

そのような中でも季節は廻り、日が短くなり朝晩は随分と涼しさを感じるようになりました。先の見通せないパンデミックも本レターで桶谷先生も述べているようにCOVID-19に関する知見が次々と報告されています。経済的理由で十分な対策も取れない国も少なくない実態です。一国のみでは対策にも限界があるように思います。それでも、容易ではなくとも感染対策を確実に行いながら経済活動を活発化しながらも働き方改革は推進するべきです。パンデミック状況は今後も油断せずに注視することが必須です。

毎回のように述べていますが、経済の指標を付加価値生産性増加ではなく利用価値生産性に置くことの重要性は増しています。産業保健活動の目的は、「健康で文化的な」労働を実現すること、と強く思っています。