お知らせ

メールレター 第247号

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≪「さんぽ鹿児島」メールレター≫ 第247号(2023.10)

   発行:鹿児島産業保健総合支援センター
              所長 草野 健
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相談員からのメッセージ

20代の結核では70%以上が「外国生まれ」

産業保健相談員 徳留 修身
(担当分野:産業医学/専門分野:結核対策)

2022年の結核の統計が確定し最近公表された。詳細は「結核予防会結核研究所」のホームページ( https://jata.or.jp )で「日本の統計(疫学情報センター)」、さらに「年報」と進むと閲覧できる。

国別の結核の蔓延状況は罹患率(人口10万に対する年間の患者発生数)により、「高」、「中」、「低」に区分される。罹患率が10以下の「低蔓延国」には早くから米国(2.8)、デンマーク(3.8)などヨーロッパの数か国、オーストラリアが到達していた。我が国は長く「中蔓延国」に区分されていたが、2021年に9.2と初めて「低蔓延国」の仲間入りを果たした。新型コロナの流行に伴う「受診行動の抑制」による、見かけ上の罹患率低下の可能性も疑ったが、2022年には8.2とさらに改善している。長年にわたる目標が達成され、我が国の結核対策従事者の間では安堵の声も聞かれる。

年齢による患者発生数の特徴は高齢者の割合が大きく(70歳以上が65%)、14歳以下の小児結核は多くの県でゼロとなっている。表題で取り上げている20代については、10代や30代より発生数が多く、しかもその77%が「外国生まれ」という特徴がある。結核の「高蔓延国」出身で既に感染し、来日して発病するという例が多いとみられる。「外国生まれ」の患者では薬剤耐性を示す割合も高い。出身国の医療体制が不十分で、耐性菌が広がっていることが疑われる。

アジア・アフリカその他の諸国の多くは依然として「高蔓延国」とされている。この状況が我が国の結核の統計に影響を与えていることを踏まえ、外国からの技能実習生や労働者、学生を受け入れている組織・機関では、健康管理に一層の注意を払う必要がある。特に「2週間以上続く咳や痰」または「胸部X線所見あり」の例には、確実な精密検査の実施と、その結果の確認が必要である。

研修セミナーのご案内 (10月~12月開催分 受付中!)

【定 員】20名
【会 場】光健ボイスビル2F
※11/18(土)、12/9(土)は県医師会館3F 中ホール

┏―[ 詳細・申込はこちらから ]―――――――――――┓
https://kagoshimas.johas.go.jp/information/h2335
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行動災害の予防対策セミナー
~転倒・腰痛を予防して、活き活きと働く!~ のご案内

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「転倒」、腰痛等の「動作の反動・無理な動作」による労働災害は年々増加し、骨折や後遺症を伴う重大なものが散見され、対策が重要となっています。

今回当センターでは、作業行動を起因とする労働災害を予防し、併せて労働者の健康保持増進の取組みの参考としていただきたく、事業場で使える実践的な内容のセミナーを開催することとしました。奮ってご参加いただきますようご案内いたします。

日 時 令和5年11月10日(金)13時30分~15時30分
会 場 薩摩川内市国際交流センター 2階 会議室A・B (薩摩川内市天辰町2211-1)
対象者 事業者・安全衛生担当者など
内 容 第1部「労働者の作業行動を起因とする労働災害の現状等」
講師:鹿児島産業保健総合支援センター 副所長第2部 「事業所でできる転倒・腰痛災害の予防と対策」
講師:大海宮崎クリニック 理学療法士 潟山晃司 様
定 員 50名(先着順)
申込方法 メールフォーム https://ssl.formman.com/t/rtbm/
※令和5年11月2日(木)までにお申し込みください。

※今回のセミナーは、日医認定産業医研修の単位取得はできません。

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 化学物質による健康障害防止セミナー
“新たな化学物質管理に向けて、「最初の一歩」を確認しませんか” のご案内

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労働安全衛生法の関係政省令の一部が改正され、令和5年4月より新たな化学物質規制の制度がスタートしました。

本セミナー第1部では、元衛生管理者から見た職場での体験談等をお話いたします。第2部では、リスクアセスメント等を含め、改正法令のポイント等を解説いたします。

現在取り組み中、もしくはこれから化学物質管理の対応のヒントを得たい事業場のご担当者様等のご参加をお待ちしております。

日 時 令和5年11月30日(木)14時00分~16時00分
会 場 光健ボイスビル 2階(鹿児島市上之園町25-36)
対象者 事業者・安全衛生担当者など
内 容 第1部「健康で安全に働くために ~とある元衛生管理者の一コマ~」
講師:鹿児島産業保健総合支援センター 労働衛生専門職第2部 「改正法令に基づく化学物質管理セミナー」
講師:鹿児島産業保健総合支援センター 産業保健相談員
定 員 20名(先着順)
申込方法 メールフォーム https://ssl.formman.com/t/qLRH/
※令和5年11月22日(水)までにお申し込みください。

※今回のセミナーは、日医認定産業医研修の単位取得はできません。

お知らせ

<鹿児島産業保健総合支援センター>

産業保健に関するご質問・ご相談を受け付けています。

治療と仕事の両立支援対策やメンタルヘルス対策をはじめ、産業保健に関する様々なご質問・ご相談を受け付けています。(オンラインによる相談も可能です。)電話やFAX、ホームページからお気軽にご相談ください。
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/otoiawase

治療と仕事の両立支援について

治療と仕事の両立に関するお悩み等について、事業場関係者や産業保健スタッフ、がんなど反復・継続して治療が必要な患者(労働者)やその家族からの相談に、鹿児島産業保健総合支援センターの両立支援促進員又は産業保健専門職(保健師)が相談に応じます。(オンラインによる相談も可能です。)
両立支援に関する相談、各種支援は無料です。

▼治療と仕事の両立支援(支援内容、相談窓口、申込フォームなど)
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/cat765

医療機関の両立支援(出張)相談窓口につきましては、、事前予約の状況等により、窓口業務を中止する可能性がありますので、当センターのホームページで事前に確認いただきますようお願いいたします。

メンタルヘルス対策支援について

当センターのメンタルヘルス対策促進員(産業カウンセラーや社会保険労務士など)が事業場に訪問し、職場のメンタルヘルス対策に関する取り組みを無料で支援します。

また、事業場訪問以外のご相談(対面・電話・メール・オンライン)にも対応いたします。オンラインによる研修も対応可能です。

▼メンタルへルス対策支援(支援内容、申込フォームなど)
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/mental

地域産業保健センター(地域窓口)について

各地域産業保健センターでは、労働者数50人未満の小規模事業場の事業主や労働者を対象に、健康診断結果の意見聴取、健康相談、長時間労働者や高ストレス者に対する面接指導、保健指導等の産業保健サービスを無料で行っています。

▼地域産業保健センターについて
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/cat638

「歯科健康教室」と「事業所歯科健診」のご案内

全身の健康には、口の中の健康が欠かせません。しかし、40歳以後の働き盛りの年齢から「歯周病」のため、急速にたくさんの歯を失っていく方々の割合が増加します。また、「歯周病」は糖尿病や心臓病などを悪化させることがわかっています。

事業所で働く皆さんの口の中の健康を守るために、鹿児島県歯科医師会では「歯科健康教室」と「事業所歯科健診」を推進しています。

▼歯科健康教室についてはこちら
https://kagoshimas.johas.go.jp/wp-content/uploads/2023/08/23.08.01_shikakenkouchirashi.pdf
▼労働安全衛生法による歯科特殊健康診断のご案内
鹿児島県歯科医師会(歯科健診の申込み方法等)
https://www.8020kda.jp/useful/dental-check/

 

<労働者健康安全機構情報>

令和5年度「両立支援コーディネーター基礎研修」の研修日程

募集最後の開催日程及び募集期間は以下のとおりです。
応募多数の際は先着順ではなく抽選を行いますので、受講を希望される回の募集期間内にご応募ください。
https://www.johas.go.jp/ryoritsumodel/tabid/2126/Default.aspx

労災疾病等医学研究普及サイトのご案内

労働者健康安全機構では、労働災害の発生状況や行政のニーズを踏まえ、労災補償政策上重要なテーマや新たな政策課題について、時宜に応じた研究に取り組んでいます。

▼労災疾病等医学研究普及サイト
https://www.research.johas.go.jp/index.html
▼「生活習慣病」について
https://www.research.johas.go.jp/seikatsu2018/index.html
▼「メンタルヘルス」について
https://www.research.johas.go.jp/mental2018/index.html
▼「アスベスト」について
https://www.research.johas.go.jp/asbesto2018/
▼「じん肺診断技術研修」について
https://www.research.johas.go.jp/jinpaikenshu/

 

<厚生労働省情報>

11月は「過労死等防止啓発月間」です!

厚生労働省では、毎年11月を「過労死等防止啓発月間」と定め、過労死等をなくすためにシンポジウムやキャンペーンなどの取組を行っています。この月間は、「過労死等防止対策推進法」に基づくもので、過労死等を防止することの重要性について国民の自覚を促し、関心と理解を深めるために実施しています。

本年も「過労死等防止対策推進シンポジウム」が全国47都道府県にて実施予定です。

鹿児島会場は、令和5年11月17日(金)の開催予定となっています。シンポジウムの詳細、参加申込等については、下記の専用Webサイトをご参照ください。

https://www.p-unique.co.jp/karoushiboushisympo/page_kagoshima.html
【過労死等防止に関する特設サイト】
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/karoushizero/index.html

「過重労働解消のためのセミナー」開催について

「健康的でやる気あふれる職場」の実現に向けて、企業の経営者や人事労務担当者、管理職の方々をサポートするために、厚生労働省から委託を受けた公益社団法人全国労働基準関係団体連合会が過重労働解消のためのセミナーをオンライン開催等により2023年10月から1月中旬にかけて開催します。

本セミナーでは、過重労働防止に関連する労働関係法令の制度概要、過重労働の防止・解消のための対策・手法等を労働法に詳しい弁護士、大学教授、社会保険労務士などの専門家が解説するとともに、企業の取組事例を紹介します。

セミナー詳細、受講申込については、以下をご参照ください。
【過重労働解消のためのセミナー専用Webサイト】
https://kajyu-kaisyou-zenkiren.com/

 

<鹿児島労働局情報>

鹿児島県内の労働災害発生状況

○令和5年発生分(8月末速報)
https://jsite.mhlw.go.jp/kagoshima-roudoukyoku/jirei_toukei/toukei/saigaitoukei_jirei.html

最新の業種別労働災害発生状況
⇒「令和5年における業種別労働災害発生状況」をクリック

鹿児島県最低賃金を「時間額897円」に引き上げます

鹿児島労働局長は、鹿児島県最低賃金(地域別最低賃金)を現行から44円引き上げ、時間額897円に改正することを決定しました。効力発生日は、令和5年10月6日です。

【鹿児島労働局ホームページ】
https://jsite.mhlw.go.jp/kagoshima-roudoukyoku/hourei_seido_tetsuzuki/kane/saitin01.html

<高齢・障害・求職者雇用支援機構>

高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)からのご案内 ~「難病のある人の雇用管理マニュアル」~

高齢・障害・求職者雇用支援機構においては、難病のある人の治療と仕事の両立支援を図るために、「難病のある人の雇用管理マニュアル」を作成しており、ホームページ(※)からダウンロードできますので、御活用ください。
https://www.nivr.jeed.go.jp/research/kyouzai/kyouzai56.html

編集後記

少子高齢化の進展で日本は世界に先駆けて人口減少社会となっている。その結果として生産人口が減少するが、それを補う対策としては外国人労働者の増加や技術革新による一人当り労働生産性増加が取り上げられている。

働き方改革の主旨は過重労働による健康阻害を防止することにあるが、労働生産性向上のために長時間労働となるようでは働き方改革の逆行となる。高危険作業を極力機械力で代替するとともに長時間労働によることなく生産性を保つには「無駄な作業」を減らすことが必須となる。AI活用等による各作業の効率化は各分野でそれなりに進んでいるようであるが、「無くてもいいような無駄な作業」の減少は進んでいないようである。

作業を円滑に進める上での報・連・相は不可欠であるが、参加者の極一部しか発言しない会議や、IT活用等で済む事項を全て紙面作成・捺印することなどを整理し、労働時間短縮とストレス要因減少を計る等々も「働き方改革」には重要である。

人力が不可欠な作業は相次ぐ技術革新でもそれほど減少していないようだ。それらの作業を外国人労働者や非正規労働者で補う傾向が加速しているようだが、それらの人々は基幹産業と言われる業種の大きな部分を担っているこの人々は産業医や産業保健スタッフの活動範囲から「洩れ」易い対象である。産業保健に携わる者としてはこれらの分野にも十分に目配りする必要がある。