メールレター 第227号
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≪「さんぽ鹿児島」メールレター≫ 第227号
2022/2/1
発行:鹿児島産業保健総合支援センター
所長 草野 健
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相談員からのメッセージ
発想の転換
産業保健相談員 大迫政智
(メンタルヘルスかごしま中央クリニック)
(担当分野:メンタルヘルス)
四季の中でも春は殊更にさまざまな記憶を蘇らせる季節です。
卒業・進学・就職・転勤など多様な身のまわりの変化。
そしてそれらは出来事の記憶だけでなく、桜の花・新しい制服等の色彩や匂いという感覚的な記憶、笑顔や悔しさといった情動的記憶までも伴っているので、他の季節に比べてより鮮明な記憶となっているのでしょう。
ところが、2019年11月に中国武漢市から始まったコロナ対応生活のもとでの春は、受験も卒業式も入社式も新入社員研修も卒業旅行も花見も何もかもみんな変わってしまい、頬の筋肉が緩むような暖かい記憶は減り、本来なら可能なはずのことも出来ないという不全感を伴う記憶ばかりが増えています。
コロナ禍で失ったものについて語るばかりの日々ですが、見る位置を変えるとコロナ禍で得たものも見つかるはず。
時間差出勤・在宅ワーク、そんな働き方も悪くないじゃないか。
集団に参加するのも大切だけど、一人でいられる能力も大切だと気付いたよ。
神経質も悪くないんじゃないか。
手洗い3回するからって馬鹿にするなよ。
そういう何らかの気づきのある春になれば良い。
「発想の転換」である。
研修セミナーのご案内
下記、セミナーはどなたでも参加できます。
参加される皆様は、新型コロナウイルスの感染予防対策(以下URL)にご協力ください。
⇒ https://kagoshimas.johas.go.jp/wp-content/uploads/2020/05/kensyu-kai.pdf
◎産業保健研修会の延期について
新型コロナウイルス感染者の急拡大に伴い、令和4年2月開催の当センター主催の以下の研修会について、延期を決定しました。
今後の感染状況によっては、下記以降の研修会を中止(延期)する場合がありますので、当センターのホームページで事前に確認いただきますようお願いいたします。
(既に申込いただいている方に対しては、メールや電話でご連絡いたします。)
■延期
2月3日(木)「大人の「発達障害」の特徴と対応」赤崎相談員
⇒令和4年3月3日(木)に延期
≪ 2月 ≫【定員】14名【会場】光健ボイスビル2F
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☆2月15日(火)14:00~16:00
「喫煙対策の推進」徳留先生
日医認定産業医:生涯(専門)2単位
☆2月17日(木)14:00~16:00
「酸素欠乏・硫化水素中毒の発生原因、事例、対策」黒沢先生
日医認定産業医:生涯(実地)2単位
☆2月21日(月)14:00~16:00
「夜に働く労働者の健康管理」冨宿先生
日医認定産業医:生涯(専門)2単位
☆2月25日(金)14:00~16:00 ※満席
「カサンドラ症候群とメンタルヘルス・カウンセリング-Ⅴ
~空気の読めない人間(自閉スペクトラム症)との関係をめぐって~」久留先生
日医認定産業医:生涯(専門)2単位
≪ 3月 ≫【定員】14名【会場】光健ボイスビル2F ※3/12を除く
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☆3月2日(水)14:00~16:00
「産業医が知っておくべき情報の収集方法」冨宿先生
日医認定産業医:生涯(専門)2単位
☆3月3日(木)14:00~16:00 ※満席
「大人の「発達障害」の特徴と対応」赤崎先生
日医認定産業医:生涯(専門)2単位
☆3月8日(火)18:00~20:00
「生活習慣病と運動療法について(症例検討を交えて)」前田先生
日医認定産業医:生涯(専門)2単位
THPレベルアップ研修:1単位
☆3月9日(水)14:00~16:00 ※満席
「健康経営とプレゼンティズム」長友先生
日医認定産業医:生涯(専門)2単位
☆3月12日(土)14:00~16:00 ※定員30名
「測定結果を用いた作業環境の改善提案のポイントと改善事例」東先生
※会場:鹿児島県医師会3F中ホール(鹿児島市中央町8-1)
日医認定産業医:生涯(実地)2単位
☆3月14日(月)14:00~16:00
「産業医面談-事例集-」桶谷先生
日医認定産業医:生涯(専門)2単位
☆3月18日(金)14:00~16:00
「復職支援と両立支援」小田原先生
日医認定産業医:生涯(更新)2単位
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◇…産業医対象
●…産業保健スタッフ対象
☆…産業保健スタッフ・産業医対象
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▼詳細・申込
https://kagoshimas.johas.go.jp/information/h2335
お知らせ
<鹿児島産業保健総合支援センター>
産業保健に関するご質問・ご相談を受け付けています。
治療と仕事の両立支援対策やメンタルヘルス対策をはじめ、産業保健に関する様々なご質問・ご相談を受け付けています。(オンラインによる相談も可能です。)電話やFAX、ホームページからお気軽にご相談ください。
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/otoiawase
治療と仕事の両立支援について
治療と仕事の両立に関するお悩み等について、事業場関係者や産業保健スタッフ、がんなど反復・継続して治療が必要な患者(労働者)やその家族からの相談に、鹿児島産業保健総合支援センターの両立支援促進員又は産業保健専門職(保健師)が相談に応じます。(オンラインによる相談も可能です。)
また、両立支援促進員が、事業場を訪問して事業場内の支援体制、勤務・休暇制度、各種規程等の整備、両立支援に関する教育など両立支援制度の導入に向けた支援を行うほか、患者(労働者)からの申出を受け、就労継続や職場復帰に関する事業場との調整支援を行います。
両立支援に関する相談、各種支援は無料です。
○治療と仕事の両立支援(支援内容、相談窓口、申込フォームなど)
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/cat765
なお、新型コロナウイルス感染者の急拡大に伴い、下記日程の医療機関での相談窓口業務を中止いたしました。中止日におけるご相談については当センターで対応いたします。
2月1日 国立病院機構 鹿児島医療センター
2月10日 済生会川内病院
2月15日 国立病院機構 鹿児島医療センター
2月17日 鹿児島大学病院
また、新型コロナウイルスの感染状況により、これ以降についても医療機関の相談窓口業務を中止する可能性がありますので、当センターのホームページで事前に確認いただきますようお願いいたします。
メンタルヘルス対策支援について
当センターのメンタルヘルス対策促進員(産業カウンセラーや社会保険労務士など)が事業場に訪問し「心の健康づくり計画」の策定、相談体制の整備、職場環境の把握と改善、管理監督者向けや若年労働者(含む全社員)向けのメンタルヘルス教育・研修、メンタルヘルス不調者の職場復帰支援など、職場のメンタルヘルス対策に関する取り組みを無料で支援します。
また、事業場訪問以外のご相談(対面・電話・メール・オンライン)にも対応いたします。オンラインによる研修も対応可能です。
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/mental
地域産業保健センター(地域窓口)について
労働者数50人未満の小規模事業場に対する健康相談、保健指導等の産業保健サービスを無料で行っています。
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/cat638
<労働者健康安全機構情報>
労災疾病等医学研究普及サイトのご案内
労働者健康安全機構では、労働災害の発生状況や行政のニーズを踏まえ、労災補償政策上重要なテーマや新たな政策課題について、時宜に応じた研究に取り組んでいます。
○労災疾病等医学研究普及サイト
https://www.research.johas.go.jp/index.html
○メタボロームについて
https://www.research.johas.go.jp/metabolome/
○メンタルへルスについて
https://www.research.johas.go.jp/mental2018/index.html
○勤労者医療フォーラムについて
https://www.research.johas.go.jp/kinrouforum/forumB.html
<厚生労働省情報>
粉じんばく露防止対策オンライン講習会について
粉じん作業のばく露防止対策に関するオンライン講習会(動画配信)が開催
中です。開催期間は、2022年1月25日10時~2月28日23時59分までになります。
https://www.jinpai.mhlw.go.jp/
「化学物質のリスクアセスメント支援ツールに関する実践セミナー」について
厚生労働省委託事業により、職場における化学物質のリスクアセスメントに関するセミナーを令和4年2月15日(火)14時~16時30分に開催します。参加費は無料で、Zoomを使用したオンライン配信で開催されます。
https://www.mizuho-ir.co.jp/seminar/info/2022/riskassessment.html
「事業場における労働者の健康保持増進のための指針」の一部改正について
令和4年1月1日に健康保険法(大正11年法律第70号)等の一部が改正され、医療保険者が健康保険法等に基づき保健事業を実施する上で必要と認めるときは、事業者に対して40歳未満の労働者の健診情報の提供を求めることができるようになったことを踏まえ、医療保険者と連携した健康保持増進対策が推進されるよう、指針の一部改正が行われました。
https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T211228K0120.pdf
令和3年度「治療と仕事の両立支援オンライン地域セミナー」
九州・沖縄エリアは、令和4年2月24日配信予定です。
https://chiryoutoshigoto.mhlw.go.jp/symposium/2021/#sec04
令和3年度「職場のメンタルヘルスシンポジウム」
~職場復帰支援の実践 企業や精神科医の取組事例から~
精神疾患等により休職した労働者に対する職場復帰支援をテーマに、オンラインによるシンポジウムを令和4年3月2日(水)15時~18時に開催します。Zoomで参加希望の方は、2月22日までに下記URLからお申し込みください(参加無料 先着150名)。
Youtube視聴の方は申込不要で、当日下記URLから視聴できます。
https://kokoro.mhlw.go.jp/mental_sympo/2021/
働く人のメンタルへルス・ポータルサイト「こころの耳」
https://kokoro.mhlw.go.jp/
職場における労働衛生基準が変わりました(再掲)
https://www.mhlw.go.jp/content/000857961.pdf
保健衛生業及び陸上貨物運送事業向け腰痛予防サイト(再掲)
<鹿児島労働局情報>
令和3年の労働災害発生状況
○令和3年(12月末速報)
□ 死亡者数は21人で、前年同期比で7人(50.0%)増。
□ 休業4日以上の死傷者数は2086人で、前年同期比で201人(10.7%)増。
https://jsite.mhlw.go.jp/kagoshima-roudoukyoku/content/contents/r3saigai_2022-0111-8.pdf
石綿等の有無の事前調査結果報告が施工業者(元請業者)の義務になります
建築物等の解体又は改修時の石綿等の使用の有無に係る事前調査の結果等について、令和4年4月1日から施工業者(元請業者)は労働基準監督署及び自治体へ報告する必要があります。報告は、原則として石綿事前調査結果報告システムからの電子申請となります。
○リーフレット
https://jsite.mhlw.go.jp/kagoshima-roudoukyoku/content/contents/2022-0126-2_1.pdf
○石綿事前調査結果報告システムについて(石綿総合情報ポータルサイト)
https://www.ishiwata.mhlw.go.jp/result-reporting-system/
※システム操作に慣れていただくためのユーザーテストが実施されています。
実施予定期間:令和4年1月18日~2月18日
<新型コロナウイルス関連情報>
感染拡大防止へのご協力をお願いいたします!(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kansentaisaku.html
新型コロナウイルス感染症の“いま”に関する11の知識(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/content/000788485.pdf
新型コロナワクチンについて(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_00184.html
新型コロナウイルスに関連するQ&A(厚生労働省)
▼企業の方向け
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00007.html
▼労働者の方向け
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00018.html
職場における新型コロナウイルス感染症対策のための業種・業態別マニュアル(日本産業衛生学会)
https://www.sanei.or.jp/?mode=view&cid=444
職域のための新型コロナウイルス感染症対策ガイド(日本渡航医学会)
https://plaza.umin.ac.jp/jstah/index2.html
編集後記
「温故知新」という言葉が通用しない世になったのであろうか。パンデミックは人類史上何度も起っており、しかも今回は発生後早期に原因ウィルスも解明されたが、2年以上を経てなお終息の兆しすら見えていない。この稿の書き出しで2年もSARS-COV-2に言及することになるとは。言葉にならない思いである。
カタカナ語で表記されるような働き方や産業構造に関する「改革」が目につくが、産業保健の本質からはズレているように感じる。生活の基盤を為す産業の発展基準は、生産されるモノ・コトの利用価値増大にあり付加価値増大ではない。利用価値ではなく付加価値に重きを置く経済成長は、決して労働による健康・幸福の維持増進に寄与することはなく、「付加価値=富」の偏在を助長するのみであろう。
度々述べさして貰っているが、働くことは慶びであり健康を保持増進するものであることが理想。産業保健活動はその発展に寄与するものでなければならない。
日本国憲法第25条では「全て国民は、健康で文化的な最低限の生活をおくる権利を有する」とあるし、日本国医師法第1条で医師の任務として「医療と保健活動を掌ることによって公衆衛生の普及と国民の健康水準の向上」に努めるとあるが、産業保健活動は正しく労働現場からこの任務を果たすものである。
私自身、40年ほど前から最初は臨床第一線、後半は予防医学の立場から産業保健の末席に連なってきたが、如何ほどのことを成し得たか忸怩たる思いだ。残りの医師人生でできることを少しでも成し遂げたいと強く思うこの頃である。