お知らせ

メールレター 第232号

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≪「さんぽ鹿児島」メールレター≫ 第232号
               2022/7/5

   発行:鹿児島産業保健総合支援センター
              所長 草野 健
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相談員からのメッセージ

アーク溶接等作業におけるフィットテストの義務化について

産業保健相談員 東 正樹
(担当分野:労働衛生工学)

令和3年4月1日から金属アーク溶接等作業で生じる「溶接ヒューム」が新た に特定化学物質として規制対象となりました。この改正に伴い、対象事業場では 既に溶接ヒュームの測定が行われたことと思われます。

今回の法改正における溶接ヒュームの規制の特徴の1つとして、溶接ヒューム の測定だけでなく呼吸用保護具の選定とフィットテストの実施もセットになって 義務付けられていることが挙げられます。

これは、溶接作業では溶接ヒュームの濃度を下げることが難しいため、作業環 境を管理するのではなく、呼吸用保護具を着用することでばく露防止を図ろうと いうものです。しかし、呼吸用保護具は着用者によって漏れ率に差が大きく、着 用の義務化だけではばく露を防止できているか不明です。そこで、呼吸用保護具 のフィットテストを定期的(1回/年)に実施することにより、その実効性を担 保しようとする規制となっています。

ここで、フィットテストとは、呼吸用保護具(防じんマスク)と顔面の密着性 を評価するテストであり、事業場内のフィットテスト担当責任者が実施する場合 と、外部の機関に委託して実施する場合があります。事業場内で実施する場合は、 フィットテスト機器を購入し、フィットテスト担当者を養成する必要があります。 また、外部の機関に委託する場合は作業環境測定機関等で対応しています。

フィットテストは令和5年4月から義務化されます。機器の準備や担当者の養 成には時間を要することが予想されるので注意が必要です。該当する事業場は、 できるだけお早めに準備お進めください。

このように、これまでの特定化学物質と規制の内容が異なることから、法改正 の趣旨と必要な措置を理解していただけるよう事業場へ説明が必要であると感じ ています。ご不明な点があれば、所轄の労働局や労働基準監督署のほか、さんぽ センター相談員までお問い合わせください。

研修セミナーのご案内

下記、セミナーはどなたでも参加できます。
参加される皆様は、新型コロナウイルスの感染予防対策(以下URL)にご協力ください。
https://kagoshimas.johas.go.jp/wp-content/uploads/2020/05/kensyu-kai.pdf

7月【定員】14名【会場】光健ボイスビル2F ※7/30を除く
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☆7月8日(金)14:00~16:00 ※満席
「健診結果異常者を受容共感する保健指導」徳永先生
日医認定産業医:生涯(実地)2単位

☆7月15日(金)14:00~16:00 ※満席
「ハラスメントのメンタルヘルス・カウンセリング―2
~パワハラ、セクハラ(トラウマ・PTSD)をめぐって~」久留先生
日医認定産業医:生涯(専門)2単位

☆7月19日(火)14:00~16:00
「タバコのない職場環境」徳留先生
日医認定産業医:生涯(専門)2単位

☆7月21日(木)14:00~16:00 ※満席
「粉じんの有所見者数の現状と防止対策」黒沢先生
日医認定産業医:生涯(専門)2単位

☆7月30日(土)14:00~16:00 ※満席
「居眠りする従業員にどう対応するか」冨宿先生
※会場:第12川北ビルBOIS鹿児島8F(鹿児島市上之園町24-2)
日医認定産業医:生涯(専門)2単位

≪ 8月 ≫【定員】14名【会場】光健ボイスビル2F ※8/27を除く
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☆8月2日(火)14:00~16:00
「産業医として知っておくべき作業環境測定結果報告書の読み方」東先生
日医認定産業医:生涯(実地)2単位

☆8月4日(木)14:00~16:00 ※満席
「「不安」に悩まされる病気と治療-事例検討も含めて-」赤崎先生
日医認定産業医:生涯(専門)2単位

☆8月8日(月)14:00~16:00
「働く方々の健康を守るために
産業医からのアドバイス(新型コロナ感染症対策を含め)」桶谷先生
日医認定産業医:生涯(専門)2単位

☆8月10日(水)14:00~16:00
「生活習慣病と「うつ」」長友先生
日医認定産業医:生涯(専門)2単位

☆8月22日(月)18:00~20:00
「健診と検診:職場健診をデザインする」堀内先生
日医認定産業医:生涯(専門)2単位

☆8月26日(金)14:00~16:00
「日常生活改善で認知症を予防する」徳永先生
日医認定産業医:生涯(実地)2単位

☆8月27日(土)14:00~16:00 ※満席
「意外と身近な酸欠」冨宿先生
※会場:鹿児島県医師会3F中ホール(鹿児島市中央町8-1)
日医認定産業医:生涯(専門)2単位

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◇…産業医対象
●…産業保健スタッフ対象
☆…産業保健スタッフ・産業医対象
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▼詳細・申込
https://kagoshimas.johas.go.jp/information/h2335

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第85回労働衛生研究会 ~働く人の健康を考える~の開催について
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鹿児島労働衛生研究会は、「労働衛生コンサルタントとこれを目指す人々との研修・交流会」として、四半期に1回、テーマを決めて研修会を開催するとともに、働く人の健康に関する情報交換も行っています。
第85回労働衛生研究会について、下記のとおり開催いたします。

※参加費無料

【日 時】令和4年8月5日(金)19:15~20:45
【場 所】鹿児島市勤労者交流センター(よかセンター)多目的ホール
(鹿児島市中央町10番地 キャンセビル8階 099-285-0003)
【テーマ】神経難病の治療法の進歩:両立支援も考慮して
【講 師】道園 久美子 氏 (鹿児島大学病院 地域医療連携センター特例講師)

お知らせ

<鹿児島産業保健総合支援センター>

産業保健に関するご質問・ご相談を受け付けています。

治療と仕事の両立支援対策やメンタルヘルス対策をはじめ、産業保健に関する様々なご質問・ご相談を受け付けています。(オンラインによる相談も可能です。)電話やFAX、ホームページからお気軽にご相談ください。
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/otoiawase

治療と仕事の両立支援について

治療と仕事の両立に関するお悩み等について、事業場関係者や産業保健スタッフ、がんなど反復・継続して治療が必要な患者(労働者)やその家族からの相談に、鹿児島産業保健総合支援センターの両立支援促進員又は産業保健専門職(保健師)が相談に応じます。(オンラインによる相談も可能です。)

また、両立支援促進員が、事業場を訪問して事業場内の支援体制、勤務・休暇制度、各種規程等の整備、両立支援に関する教育など両立支援制度の導入に向けた支援を行うほか、患者(労働者)からの申出を受け、就労継続や職場復帰に関する事業場との調整支援を行います。

両立支援に関する相談、各種支援は無料です。
○治療と仕事の両立支援(支援内容、相談窓口、申込フォームなど)
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/cat765

なお、医療機関の両立支援(出張)相談窓口につきましては、新型コロナウイルスの感染状況により、医療機関の相談窓口業務を中止する可能性がありますので、当センターのホームページで事前に確認いただきますようお願いいたします。

メンタルヘルス対策支援について

当センターのメンタルヘルス対策促進員(産業カウンセラーや社会保険労務士など)が事業場に訪問し「心の健康づくり計画」の策定、相談体制の整備、職場環境の把握と改善、管理監督者向けや若年労働者(含む全社員)向けのメンタルヘルス教育・研修、メンタルヘルス不調者の職場復帰支援など、職場のメンタルヘルス対策に関する取り組みを無料で支援します。

また、事業場訪問以外のご相談(対面・電話・メール・オンライン)にも対応いたします。オンラインによる研修も対応可能です。
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/mental

メンタルヘルス対策支援の申込については、当センターホームページの申込フォームまたは当センターホームページ掲載の「メンタルヘルス対策支援申込書」に所要事項を記入しFAX送信によりお申込ください。
(電話、郵送、メールでは受付しておりません。)

地域産業保健センター(地域窓口)について

労働者数50人未満の小規模事業場の事業主や労働者を対象に、健康診断結果の意見聴取、健康相談、長時間労働者や高ストレス者に対する面接指導、保健指導等の産業保健サービスを無料で行っています。
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/cat638

<労働者健康安全機構情報>

令和4年度両立支援コーディネーター基礎研修開催のご案内

令和3年度に引き続きオンライン形式での研修を開催いたします。研修日程等の詳細については、機構本部ホームページにてご確認ください。

https://www.johas.go.jp/ryoritsumodel/tabid/2126/Default.aspx

産業保健関係助成金についてのお知らせ(令和4年5月17日公表)

令和4年度の産業保健関係助成金については、現在、厚生労働省において実施の可否を検討しております。

https://www.johas.go.jp/sangyouhoken/tabid/1251/Default.aspx

労災疾病等医学研究普及サイトのご案内

労働者健康安全機構では、労働災害の発生状況や行政のニーズを踏まえ、労災補償政策上重要なテーマや新たな政策課題について、時宜に応じた研究に取り組んでいます。

▼労災疾病等医学研究普及サイト
https://www.research.johas.go.jp/index.html

▼「医療従事者の安全」について
https://www.research.johas.go.jp/anzen2018/index.html

日本産業保健法学会第2回学術大会(9月17・18日開催)について

テーマ 精神障害の補償・賠償と法/テレワークの産業保健と法
開催方式: オンライン開催(ライブ配信、およびオンデマンド配信)
※認定産業医研修会を含めた一部セッションのみ現地開催
会場: 全国町村会館 〒100-0014東京都千代田区永田町1-11-35
プログラム(抜粋) ・労災を巡る裁判事例と労災認定の動向と課題
・テレワーク定着化にむけた健康管理・労務管理上の課題と法
・精神障害者の雇用促進と法-合理的配慮を中心に
開催日時: ライブ配信(現地)2022年9月17日(土)・18日(日)
オンデマンド配信 2022年10月1日(土)~31日(月)(予定)
参加申込および問合せ先 大会ホームページをご参照ください。
https://jaohl2022.info/

 

<厚生労働省情報>

令和4年度「全国安全週間」(7月1日~7日)

令和4年度スローガン「安全は 急がず焦らず怠らず」
https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/000928568.pdf

令和3年「職場における熱中症による死傷災害の発生状況」(確定値)について

令和3年における職場での熱中症による死傷者(死亡・休業4日以上)は、561人(前年比398人・41%減)であり、全体の約4割が建設業と製造業で発生しています。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25950.html

また、令和4年5月1日から9月30日まで「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」が実施されています。7月は重点取組期間となっています。
https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/000900484.pdf

令和3年度「過労死等の労災補償状況」について

過重な仕事が原因で発症した脳・心臓疾患や、仕事による強いストレスが原因で発病した精神障害について、令和3年度の労災補償状況が公表されました。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26394.html

化学物質による労働災害防止のための新たな規制について

化学物質による労働災害を防止するため、令和4年5月31日に労働安全衛生規則等の一部を改正しました。

今回の改正は、規制の対象外であった有害な化学物質を主な対象として、国によるばく露の上限となる基準の策定、危険性・有害性情報の伝達の整備拡充等を前提として、事業者が、リスクアセスメントの結果に基づき、ばく露防止のための措置を適切に実施する制度を導入するものです。

この改正により、今後、化学物質管理に係る規制については、個別具体的な規制から自律的管理を基軸とする規制に大きく転換していくこととなります。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25984.html

令和4年度厚生労働省委託事業「ラベル・SDS活用促進事業」について

労働災害を防止するために一定の危険・有害性のある化学物質の取扱いに対して、リスクアセスメントの実施や、譲渡提供時に容器へのラベル表示が義務化されています。

テクノヒル(株)が令和4年度の厚生労働省委託事業「ラベル・SDS活用促進事業」の受託者として、無料電話相談や事業場への訪問支援を実施しています。

▼化学物質管理の無料相談窓口のご案内
https://www.technohill.co.jp/telsoudan/
▼化学物質のリスクアセスメント」訪問支援のご案内
https://www.technohill.co.jp/rabel_sds/

歯科健康診断結果報告に係る省令改正について

令和4年4月28日に労働安全衛生規則第52条が改正され、労働安全衛生規則第48条に基づく歯科医師による健康診断(定期のものに限る)を行ったときは、事業場規模に関係なく、遅滞なく「有害な業務に係る歯科健康診断結果報告書(様式第6号の2)」を所轄労働基準監督署長に提出しなければならないこととなりました。

この省令改正は、令和4年10月1日から施行されます。
https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T220428K0010.pdf

リスク評価結果等に基づく労働者の健康障害防止対策の徹底について

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25930.html

転倒予防・腰痛予防の取組について(再掲)

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000111055.html

<鹿児島労働局情報>

鹿児島県内の労働災害発生状況

令和4年(5月末速報)
□死亡者数は3人で、前年同期比で8人(72.7%)減少。
□休業4日以上の死傷者数は1,057人で、前年同期比で375人(55.0%)増加。
https://jsite.mhlw.go.jp/kagoshima-roudoukyoku/content/contents/r4saigai_2022-0621-3.pdf

<日本歯科医師会情報>

日本歯科医師会では、「歯・口腔の健康と全身の健康」と「労働者の健康と企業の役割」に関する労働者向け普及啓発ツールを作成し、ホームページ上で公開しています。

事業場における歯科健診、歯科保健指導等の普及啓発にご活用ください。
https://www.jda.or.jp/occupational_health/

<新型コロナウイルス関連情報>

新型コロナウイルス感染症に関する健康や医療相談の情報(厚生労働省)

https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/kenkou-iryousoudan.html#h2_1

新型コロナウイルス感染症の“いま”に関する11の知識(厚生労働省)

https://www.mhlw.go.jp/content/000927280.pdf

新型コロナワクチンについて(厚生労働省)

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_00184.html

新型コロナウイルスに関連するQ&A(厚生労働省)

▼企業の方向け
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00007.html
▼労働者の方向け
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00018.html

職域のための新型コロナウイルス感染症対策ガイド(日本渡航医学会)

https://plaza.umin.ac.jp/jstah/index2.html

編集後記

短い梅雨が終わった途端に、猛烈な暑さ。東京周辺では電力不足が盛んに喧伝され、その一方で熱中症対策として冷房使用が推奨される、という奇妙な状態。

昔の熱帯地方のように「暑熱の昼間は仕事などせずひたすら涼を求めて休憩し、働くのは朝早くか日暮れてからの気温の下がった時間帯だけ」というのが理想なのかもしれない。

ロシアのウクライナ侵略により、世界的に資源供給網が打撃を受けて欧米では8%以上の物価高でインフレ対策に乗り出している。日本では2%程度に止まっているとは言え、賃金上昇のない物価高は特に社会的弱者にさらなる犠牲を強いる。少子化も進行が改善する傾向も全く見せない中、労働者数減少は止まる要素が全く見られない。65歳以上も現場労働に重要な構成員として労働現場に出て貰うことが現実味を帯びてきている。

IT関連の技術の発展は目覚ましいものがあるが、その恩恵に浴する労働者は極めて限定的なようで、長時間労働は表面化されない形で横行しているようだ。

キツイ・アブナイ・ツライ・キタナイ等の意義や「やりがい」を得られない作業こそが自動化・ITされる社会が望まれるが、そのために何を為すべきか。

本年7月は参院選。政権担当選択選挙ではないが、国政の在り方を問う選挙。個人的には食糧安保をどう考えるかも大きな課題と考えている。