メールレター 第242号
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≪「さんぽ鹿児島」メールレター≫ 第242号(2023.5)
発行:鹿児島産業保健総合支援センター
所長 草野 健
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相談員からのメッセージ
心の居場所は?(臨床心理学授業の一コマ)
産業保健相談員 山喜 高秀
(担当分野:カウンセリング)
これは大学での臨床心理学授業の一コマ(光景)である。
まずは教員が「皆さんには心がありますか?ないと思う人は手を挙げて。」と問いかける。学生たちは、怪訝そうにあるいは困惑しながら辺りを見回しているが、手を挙げる者はいない。次の教員の問いかけは、「手を挙げなかったということは、皆さんには一人ひとり心があるということでいいんですね。では次の問いです。その心が今それぞれどこにあるのか答えてください。」と言いながら、傍の学生から一人ずつマイクを向けて聞いていく。一人目の学生は、しばらく考えて「この辺りかなぁ」と胸を辺りに手を当てる。次の学生は「脳です!」と答え、次の学生は自分の身体全体を円で囲みながら「自分を包んでいる感じかなぁ」と答える。
その様子を見ながら教員が言葉を加えていく。「不思議ですね。心とは…字は共通に使っているが、実感しているのは人それぞれで、また同じ人でも場所によって時によって移り変わっていく。ところが、他人の心についていえば、『あの人の心は~だから、こんなことをするんだとか、あの人の育った環境が~だから、あんな性格になったんだ…』と決めつけたがります。自分のことを同じように決めつけられれば、『勝手に決めつけないでほしい!あなたに何が分かるというの?』と言い返すかもしれません。やはり心は不思議で面白いものです。その面白さを探っていくのが、臨床心理学です。」
研修セミナーのご案内 (5月~7月開催分 受付中!)
【定 員】20名
【会 場】光健ボイスビル2F
※5/20(土)、6/3(土)は県医師会館3F 中ホール
※7/29(土)は県医師会館4F 大ホール
┏―[ 詳細・申込はこちらから ]―――――――――――┓
https://kagoshimas.johas.go.jp/information/h2335
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労働者の健康管理を考えるWebセミナー開催のご案内
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鹿児島産業保健総合支援センターでは、労働者の健康管理を考えていくうえで参考となるよう、「労働衛生関係法令」と「明日から実践!健康診断と衛生委員会の活用法」をテーマにWebセミナーを開催いたします。
第1部では「労働衛生関係法令」として、健康管理に関する労働衛生関係法令について、わかりやすく解説します。
第2部では「明日から実践!健康診断と衛生委員会の活用法」として、健康診断と労働者数50人以上の事業場で義務付けられている衛生委員会をどのように活用するかについて、具体的な事例をもとに解説いたします。
事業者、衛生管理者、人事労務担当者など、労働者の健康管理に取り組む方のご参加をお待ちしています。
※オンラインでの実施のため、日医認定産業医研修の単位取得はできません。
日 時 | 令和5年5月19日(金)14時~16時 |
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開催方法 | オンラインによるセミナー( Zoomを使用します) |
対 象 者 | どなたでも(事業者、衛生管理者、人事労務担当者など) |
定 員 | 20名 |
内 容 | 第1部「労働衛生関係法令」14時~15時 講師:鹿児島産業保健総合支援センター 副所長 第2部「明日から実践!健康診断と衛生委員会の活用法」15時~16時 講師:鹿児島産業保健総合支援センター 産業保健専門職 |
受 講 料 | 無料 |
申込期限 | 令和5年5月16日(火)まで |
申込方法 | ホームページのメールフォームから https://ssl.formman.com/form/pc/cVdBxnv4sbA1MDd2/ ※参加者には、参加URL、ウェビナーID、パスワード等を申込完了後の自動返信メールにてご連絡します。 |
お知らせ
<鹿児島産業保健総合支援センター>
産業保健に関するご質問・ご相談を受け付けています。
治療と仕事の両立支援対策やメンタルヘルス対策をはじめ、産業保健に関する様々なご質問・ご相談を受け付けています。(オンラインによる相談も可能です。)電話やFAX、ホームページからお気軽にご相談ください。
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/otoiawase
治療と仕事の両立支援について
治療と仕事の両立に関するお悩み等について、事業場関係者や産業保健スタッフ、がんなど反復・継続して治療が必要な患者(労働者)やその家族からの相談に、鹿児島産業保健総合支援センターの両立支援促進員又は産業保健専門職(保健師)が相談に応じます。(オンラインによる相談も可能です。)
両立支援に関する相談、各種支援は無料です。
▼治療と仕事の両立支援(支援内容、相談窓口、申込フォームなど)
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/cat765
医療機関の両立支援(出張)相談窓口につきましては、、事前予約の状況等により、窓口業務を中止する可能性がありますので、当センターのホームページで事前に確認いただきますようお願いいたします。
メンタルヘルス対策支援について
当センターのメンタルヘルス対策促進員(産業カウンセラーや社会保険労務士など)が事業場に訪問し、職場のメンタルヘルス対策に関する取り組みを無料で支援します。
また、事業場訪問以外のご相談(対面・電話・メール・オンライン)にも対応いたします。オンラインによる研修も対応可能です。
▼メンタルへルス対策支援(支援内容、申込フォームなど)
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/mental
地域産業保健センター(地域窓口)について
各地域産業保健センターでは、労働者数50人未満の小規模事業場の事業主や労働者を対象に、健康診断結果の意見聴取、健康相談、長時間労働者や高ストレス者に対する面接指導、保健指導等の産業保健サービスを無料で行っています。
▼地域産業保健センターについて
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/cat638
<労働者健康安全機構情報>
労災疾病等医学研究普及サイトのご案内
労働者健康安全機構では、労働災害の発生状況や行政のニーズを踏まえ、労災補償政策上重要なテーマや新たな政策課題について、時宜に応じた研究に取り組んでいます。
▼労災疾病等医学研究普及サイト
https://www.research.johas.go.jp/index.html
▼「生活習慣病」について
https://www.research.johas.go.jp/seikatsu2018/index.html
▼「アスベスト」について
https://www.research.johas.go.jp/asbesto2018/
▼「メンタルヘルス」について
https://www.research.johas.go.jp/mental2018/index.html
<厚生労働省情報>
令和5年度「全国安全週間」を7月に実施します
~令和5年度のスローガンを決定~
https://www.mhlw.go.jp/haishin/u/l?p=4wdSiwzsIw85jaxxY
令和5年度の「全国安全週間」スローガン
「高める意識と安全行動 築こうみんなのゼロ災職場」
○(別添資料)令和5年度全国安全週間実施要綱[PDF:291KB]
https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001083685.pdf
厚生労働省では、7月1日(土)から7日(金)までを「全国安全週間」、6月1日(木)から30日(金)までを準備期間として、各職場における巡視やスローガンの掲示、労働安全に関する講習会の開催など、さまざまな取組を実施します。
「事業場における労働者の健康保持増進のための指針の一部を改正する件」の周知について(令和5年3月31日基発0331第1号)
https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T230331K0260.pdf
加齢に伴う筋力や認知機能等の低下が転倒等の労働災害リスクにつながることや「高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン」(令和2年3月16日付け基安発0316第1号)等を踏まえ、労働者の健康状況の継続的な把握等、労働者の高齢化を見据えた取組について明確化するため、指針の改正を行っています。
また、40歳未満の労働者について、事業者と医療保険者が連携して健康保持増進対策をより効果的に推進できるよう、指針について所要の改正も行っています。
◯筋力や認知機能等の低下に伴う転倒等の労働災害を防止のため
・転倒等のリスクを確認する身体機能セルフチェック
・加齢による心身の衰えを確認するフレイルチェック
・移動機能を確認するロコモ度テスト
◯高年齢労働者に対しては、フレイルやロコモティブシンドロームの予防を意識
した健康づくり活動を実施
過重労働による健康障害防止対策
▼「労働者の疲労蓄積度自己診断チェックリスト」等の周知について(基安労発0404第1号)
https://www.mhlw.go.jp/content/001084302.pdf
▼労働者の疲労蓄積度チェックリスト(2023年改正版)[Word形式]
https://www.mhlw.go.jp/content/001084306.docx
▼労働者の疲労蓄積度チェックリスト(2023年改正版)[PDF形式]
https://www.mhlw.go.jp/content/001084057.pdf
▼家族による労働者の疲労蓄積度チェックリスト(2023年改正版)[Word形式]
https://www.mhlw.go.jp/content/001084311.docx
▼家族による労働者の疲労蓄積度チェックリスト(2023年改正版)[PDF形式]
https://www.mhlw.go.jp/content/001084060.pdf
※改正前のチェックリストはこちらです。
https://www.mhlw.go.jp/topics/2004/06/tp0630-1.html
<見直しのポイント>
「食欲」「睡眠」に関する最新の知見を踏まえた設問の見直し、「勤務間インターバル」等の項目の新たな追加、また、テレワークを行う場合も考慮した記載内容の修正、「精神的負担」の項目の細分化など、多様な観点に立ち、働く人(個人事業者等の方々も利用可能です。)が自ら、また、ご家族が、疲労の蓄積をチェックできるものとしました。チェックリストの活用場面や過重労働による健康障害を防止するための実施事項を示した「活用ガイド」を、新たに作成しました。
○中央労働災害防止協会
新しい「労働者の疲労蓄積度自己診断チェックリスト」等をご活用ください!
~働き方の変化に合わせて20年ぶりの見直し~(PDF 4,940KB)
https://www.jisha.or.jp/PressRelease/pdf/20230404.pdf
2023年4月から第14次労働災害防止計画が始まります(再掲)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000197308.html
令和5年「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」を実施します(再掲)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_31485.html
一人親方等の安全衛生対策について(再掲)
ポータルサイト「あかるい職場応援団」(再掲)
https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/
「賃金引き上げ特設ページ」について(再掲)
https://pc.saiteichingin.info/chingin/
<鹿児島労働局情報>
鹿児島県内の労働災害発生状況
○令和4年(確定値)
□ 死亡者数は13人で、前年同期比で9人(40.9%)減少。
□ 休業4日以上の死傷者数は4,502人で、前年同期比で2,246人(99.6%)増加。
死傷者数のうちコロナ罹患者は2,412人、コロナ罹患者を除く死傷者数との比較では、前年同期比で18人(0.9%)の減少。
https://jsite.mhlw.go.jp/kagoshima-roudoukyoku/content/contents/r4saigai_2023-0420-2.pdf
○令和5年発生分(3月末速報)
□ 死亡者数は1人で前年同期より1人(50.0%)減少。
□ 休業4日以上の死傷者数は624人で、前年同期比で78人(14.3%)増加。
死傷者数のうちコロナ罹患者は279人、コロナ罹患者を除く死傷者数との比較では、前年同期比で36人(11.7%)の増加。
https://jsite.mhlw.go.jp/kagoshima-roudoukyoku/content/contents/r5saigai_2023-0411-5.pdf
鹿児島労働局第14次労働災害防止計画を策定
国による労働災害を減少させるために国や事業者、労働者等が重点的に取り組む事項を定めた中期計画である「第14次労働災害防止計画」が2023年度を初年度として策定されたことを受けて、「鹿児島労働局第14次労働災害防止計画」を策定しました。
https://jsite.mhlw.go.jp/kagoshima-roudoukyoku/content/contents/2023-0419-3_3.pdf
編集後記
ポストコロナとかウィズコロナとかの語が飛び交う一方で、至るところから戦火の報が寄せられ、きな臭い話が後を絶たない。食料やエネルギー資源供給網も大きな影響を受ける中で進む世界的なインフレ進行の中では比較的低い水準の日本の物価高だが、実質賃金も相次ぐ大企業中心としたベア上昇と最低賃金上げでも生活水準自体は改善しそうにない状況。円安進行には歯止めが掛かったようであるが、円安となればその分ドル換算のGDPは低下し、輸出額は減少し輸入額は増加し貿易収支は見かけ上悪化するのは自明のこと。地球規模での密接な経済構造となっている現在では、世界の至る箇所での出来事もあらゆる面に影響を及ぼす。労働環境もその最たるものと言える。
「疎外」という語は「マルクス」の洗礼を受けた者にとっては馴染み深いものだが今では死語に近いようだ。しかし、「強欲資本主義」とも言われる今日の資本主義下では、経済格差増大とともに働く大部分の人の「疎外」感は強まる一方でメンタル障害が陰に陽に増加することは想像に難くない。
IT関連の発展によりバラ色の未来が予想される一方で、数値化できない顕在化しない心的健康障害が増えることも強く危惧される。数値化されない即ちAI等の対応できない面での対策こそが喫緊の課題であろうか。