お知らせ

メールレター 第243号

■■■sanpo■■■■■■■■■■■■■■■■■■
≪「さんぽ鹿児島」メールレター≫ 第243号(2023.6)

   発行:鹿児島産業保健総合支援センター
              所長 草野 健
■■■■■■■■■■■■■■■■kagoshima■■■

相談員からのメッセージ

成人期の発達症

産業保健相談員 野添 新一
(担当分野:メンタルヘルス)

幼少時から学童期にかけて、微かな(時に明らかな)障害特性を持っていたかもしれないが、成人期に至って初めて広汎性発達症(自閉性スペクトラム症)の特徴が顕在化する例である。その原因として、

  1. 社会的ストレスへの脆弱性
  2. 心的外傷記憶の現在への侵入
  3. ①通常の記憶とは違い、その不快、迫害体験当時のマイナス情動及び気分がありありと伴う。
    ②現在体験していない過去の叱責やいじめの体験、マイナスの情動や気分に何度も見舞われ脳がその都度過剰興奮して二次障害遅延化や再発の大きな原因となる。
  4. 疲労や身体感覚の掴みづらさ(禍集中:疲労)(虚脱:疲弊を繰り返す)
  5. 偏った認知
  6. リフレイン体質(同じ状態や繰り返しを好み変化を嫌う)

症例1 23歳 男性 病院職員
小学生より忘れ物多く物事に集中できなかった。中・高校より悪ふざけの対象とされ一人になること多かった。高校卒業時から爪かみ・チックなど頻発。23歳時心理検査の結果ASD,ADHDの診断あり。人前に立つとパニックとなり、さぼり癖もあったが投与されたパキシル薬の効果はなかった。
症例2 26歳 男性
幼少時より大学中退まで、易怒的・暴力・友人離反などあり。小学生より忘れ物多し。ASD,ADHDの診断。帰郷後、母親への暴力が持続し、パキシルなど使用するも効果なし。平成26年2月当院受診数回にわたって父親を含めてADHD特性について対話しつつ薬物療法を開始した。はじめストラテラ40mgを一錠より開始し、4週間後より1日80mgへと増量、間もなく二次障害は急速に改善した。

精神賦活薬(ストラテラ錠)は初めてアメリカで開発され日本へ輸入されており、成人例に常用されている。症例1は仕事や運転技術も改善、症例2は6か月後国家試験にも合格した。

研修セミナーのご案内 (6月~8月開催分 受付中!)

【定 員】20名
【会 場】光健ボイスビル2F
※6/3(土)、8/26(土)は県医師会館3F 中ホール
※7/29(土)は県医師会館4F 大ホール

┏―[ 詳細・申込はこちらから ]―――――――――――┓
https://kagoshimas.johas.go.jp/information/h2335
┗――――――――――――――――――――――――――┛

*★=================================★

働く人の「こころ」と「からだ」の健康づくりセミナー
~コラボヘルスと事業場の取組事例~ 開催のご案内

*★=================================★*

当センターでは、改正された「事業場における労働者の健康保持増進のための指針」や「医療保険者とのコラボヘルス」、「事業場の取組事例」を学ぶことにより、各事業場の実態に即した労働者の健康保持増進対策にお役立ていただくためセミナーを開催します。

日 時 令和5年7月25日(火)14時~16時
場 所 鹿児島県医師会館 3階中ホール2 鹿児島市中央町8-1
内 容 第1部「事業場における労働者の健康保持増進のための指針の解説」
講師:鹿児島産業保健総合支援センター 副所長
第2部「事業場におけるコラボヘルスの推進」
講師:全国健康保険協会 鹿児島支部 企画総務部 保健グループ 職員
第3部「事業場における取組事例」
講師:事業場 産業保健スタッフ
対 象 者 事業者、衛生管理者、人事労務担当者など
定 員 65名(先着順となります)
受 講 料 無料
申込期限 令和5年7月18日(火)まで
申込方法 HPメールフォーム等、当セミナーの案内チラシを参照ください
https://kagoshimas.johas.go.jp/information/thp_seminar

*★=================================★

メンタルヘルス対策セミナー
~ハラスメントのない職場づくりを目指して~ 開催のご案内

*★=================================★*

当センターでは、以下のとおり事業場内で取組むメンタルヘルスケアに関するセミナーを開催します。
今回のセミナーは、事業場におけるハラスメント防止と、事業者が講ずる労働者の心の健康の保持増進のための措置(メンタルヘルスケア)が適切かつ有効に実施されるよう、メンタルヘルスケアの実施方法について学びます。

日 時 令和5年8月4日(金)14時~16時
場 所 マリンパレスかごしま(鹿児島市与次郎2丁目8-8)
対 象 者 事業者、衛生管理者、人事労務担当者など
内 容 第1部「これだけは知っておきたい!事業場のハラスメント対策」
第2部「セルフケア~自分の健康は自分で守ろう~」
定 員 30名(先着順となります)
受 講 料 無料
申込期限 令和5年7月28日(金)まで
申込方法 HPメールフォーム等、当セミナーの案内チラシを参照ください
https://kagoshimas.johas.go.jp/information/mental_seminar

お知らせ

<鹿児島産業保健総合支援センター>

産業保健に関するご質問・ご相談を受け付けています。

治療と仕事の両立支援対策やメンタルヘルス対策をはじめ、産業保健に関する様々なご質問・ご相談を受け付けています。(オンラインによる相談も可能です。)電話やFAX、ホームページからお気軽にご相談ください。
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/otoiawase

治療と仕事の両立支援について

治療と仕事の両立に関するお悩み等について、事業場関係者や産業保健スタッフ、がんなど反復・継続して治療が必要な患者(労働者)やその家族からの相談に、鹿児島産業保健総合支援センターの両立支援促進員又は産業保健専門職(保健師)が相談に応じます。(オンラインによる相談も可能です。)
両立支援に関する相談、各種支援は無料です。

▼治療と仕事の両立支援(支援内容、相談窓口、申込フォームなど)
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/cat765

医療機関の両立支援(出張)相談窓口につきましては、、事前予約の状況等により、窓口業務を中止する可能性がありますので、当センターのホームページで事前に確認いただきますようお願いいたします。

メンタルヘルス対策支援について

当センターのメンタルヘルス対策促進員(産業カウンセラーや社会保険労務士など)が事業場に訪問し、職場のメンタルヘルス対策に関する取り組みを無料で支援します。

また、事業場訪問以外のご相談(対面・電話・メール・オンライン)にも対応いたします。オンラインによる研修も対応可能です。

▼メンタルへルス対策支援(支援内容、申込フォームなど)
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/mental

地域産業保健センター(地域窓口)について

各地域産業保健センターでは、労働者数50人未満の小規模事業場の事業主や労働者を対象に、健康診断結果の意見聴取、健康相談、長時間労働者や高ストレス者に対する面接指導、保健指導等の産業保健サービスを無料で行っています。

▼地域産業保健センターについて
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/cat638

<労働者健康安全機構情報>

令和5年度「両立支援コーディネーター基礎研修」の研修日程

令和5年度の両立支援コーディネーター基礎研修(第1回~第3回)の日程が決定しました。昨年度に引き続きオンライン形式での開催となります。
応募多数の際は先着順ではなく抽選を行いますので、受講を希望される回の募集期間内にご応募ください。
※第4回以降の日程(同規模開催を予定)については、後日公開を予定しております。
詳細については、労働者健康安全機構ホームページの「両立支援コーディネーター基礎研修」ページをご覧ください。
https://www.johas.go.jp/ryoritsumodel/tabid/2126/Default.aspx

労災疾病等医学研究普及サイトのご案内

労働者健康安全機構では、労働災害の発生状況や行政のニーズを踏まえ、労災補償政策上重要なテーマや新たな政策課題について、時宜に応じた研究に取り組んでいます。

▼労災疾病等医学研究普及サイト
https://www.research.johas.go.jp/index.html
▼「生活習慣病」について
https://www.research.johas.go.jp/seikatsu2018/index.html
▼「アスベスト」について
https://www.research.johas.go.jp/asbesto2018/
▼「メンタルヘルス」について
https://www.research.johas.go.jp/mental2018/index.html

<厚生労働省情報>

「2022年度版健康スコアリングレポート」発行について

日本健康会議・厚生労働省・経済産業省の3者より、健康保険組合および共済組合宛てに「健康スコアリングレポート」を提供しました。
「健康スコアリングレポート」とは、保険者単位および事業主単位(一部のみ)で、加入者の健康状態や医療費等について、全国平均や業態平均と比較したデータを見える化したものです。

各事業所における健康課題等の把握・整理に役立つ情報が多数含まれており、医療保険の保険者から健康スコアリングレポートの提供を受け、自社の健康課題を認識・共有していることは健康経営度調査の評価項目にも位置づけられております。

健康保険組合・共済組合に加入する事業者の皆様は各医療保険者に6月中にご照会いただくことが推奨されています。この健康スコアリングレポートを是非ご活用ください。詳しくは日本健康会議HPをご覧ください。
https://2025.kenkokaigi.jp/news/n017

なお、協会けんぽに加入する事業所は「事業所カルテ」の提供を受けることができますので、各協会けんぽ支部にご照会ください。
【健康スコアリングレポートのお問い合わせ≪厚生労働省保険局保険課≫】
dh-kenpo@mhlw.go.jp

治療と職業生活の両立支援ガイドラインの改定版等

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000115267.html

○事業場における治療と仕事の両立支援のためのガイドライン(全体版)令和5年3月改訂版
https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001088186.pdf
○企業・医療機関連携マニュアル(全体版)令和3年3月改訂版
https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/000780069.pdf
○事業場における環境整備・取組事例を踏まえた参考資料
https://chiryoutoshigoto.mhlw.go.jp/dl/download/2305_1_reference.pdf
○治療経過に基づく療養パターン別両立支援の参考資料
https://chiryoutoshigoto.mhlw.go.jp/dl/download/2305_2_reference.pdf
○治療と仕事の両立支援ナビ
https://chiryoutoshigoto.mhlw.go.jp/download/#sec02

労働者の健康障害を防止するため化学物質の濃度基準値とその適用方法などを定めました

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_32871.html

騒音障害防止対策

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/anzen/anzeneisei02_00004.html

○【通達】騒音障害防止のためのガイドラインの改訂について[PDF形式:478KB]
https://www.mhlw.go.jp/content/001089239.pdf

副業・兼業の促進に関するガイドラインわかりやすい解説 (健康管理に関してはSTEP6)

https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/000996750.pdf

○「副業・兼業の促進に関するガイドライン」Q&A(健康管理に関しては、2-1から2-4まで)
https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/000964082.pdf

建設現場のメンタルヘルスと職場環境改善「建災防方式無記名ストレスチェック」

「無記名ストレスチェック」は、通常のストレスチェックと違い、安全朝礼等、現場に従事する元請社員、作業員全員が集合する場で一斉に無記名で実施するもので、その分析結果を踏まえて、より働きやすい職場環境を実現するための取組で、工期内に複数回、継続的に実施するものです。

◯建設工事従事者の「安心」「安全」「快適」のために建災防方式無記名ストレスチェックを活用して職場環境改善に取り組みませんか?
https://www.kensaibou.or.jp/safe_tech/leaflet/files/335752ef75b2bf49ebd2c16e2acad26e9ea07316.pdf

併せて「建災防方式健康KY」のリーフレットも公表しました。
健康KYは、KY活動において睡眠、食欲、体調に関する3つの問いかけを職長から各作業員に毎日繰り返し行い、日々の健康状態を把握する取組です。

◯建設工事従事者の「安心」「安全」「快適」のために「建災防方式 健康KY」を導入してみませんか?
https://www.kensaibou.or.jp/safe_tech/leaflet/files/e77a7ee0a8563ba7280aaf04885307ae5d236f33.pdf

令和5年「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」を実施します(再掲)

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_31485.html

<鹿児島労働局情報>

鹿児島県内の労働災害発生状況

○令和5年発生分(4月末速報)
□死亡者数は1人で前年同期より2人(66.7%)減少。
□休業4日以上の死傷者数は783人で、前年同期比で39人(4.7%)減少。
死傷者数のうちコロナ罹患者は292人、コロナ罹患者を除く死傷者数との比較では、前年同期比で5人(1.0%)の増加。

https://jsite.mhlw.go.jp/kagoshima-roudoukyoku/content/contents/r5saigai_2023-0511-1.pdf

編集後記

COVID-19も5類となり各種感染症対策も緩和され、各種の経済復興施策が本格化し、各地で戦火が絶えない中で「経済戦争」状態も激化しつつあるようだ。不穏な社会情勢の中でも技術の進歩は凄まじく、AI・生成型AI・チャットGPT等の人工知能関連の語がマスメディアやSNS上で賑わっている。新たな産業革命が起こっているとの言説もあるが、こうした技術革新は労働現場にどのような変化をもたらすのであろうか。

以前SFの一部では、「人間にとって過酷で危険な創意工夫不要な作業は全て機械が行ない、技能や経験集積の必要な知的作業のみを人間が担う」というバラ色の未来が描かれたこともあったが、むしろそれらの作業は人工知能が担い人間が機械に使われて単純作業を担うことになる、という恐れすら感じる。

産業現場では「働き方改革」「メンタルヘルス対策」「治療と仕事の両立支援」等が進められてるが、AI関連技術の導入も各種の格差が増大する方向に作用しそうである。市場原理を重視し規制緩和を旨とする資本主義経済システムでは弱者切り捨ては当然の帰結ではあるが、産業保健に携わる者としては忸怩たるものを強く感じる。マルクス哲学の進歩史観に楽観的に依拠できない今日、1次産業や製造業に従事する労働者を中心としてその心身の健康を保持増進する方策の構築が急務と考える。

「蟷螂の斧」であっても、全ての働く人が意義を感じて自己肯定感を強く持てる作業をするような就業環境構築を願いつつ実効性ある産業保健活動を推進したいものである。