お知らせ

メールレター 第266号

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≪「さんぽ鹿児島」メールレター≫ 第266号(2025.5)

   発行:鹿児島産業保健総合支援センター
              所長 草野 健
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相談員からのメッセージ

職場健診をデザインする

産業保健相談員 堀内 正久
(鹿児島大学 衛生学・健康増進医学)
(担当分野:産業医学)

新年度を迎えて、定期的な職場健診の実施や勧奨が行われる時期となった。職場で行われる健康診断は、基本的には労働安全衛生法に従い法定項目の実施が求められる。その他、事業場の業務によって、特殊健康診断の実施も義務付けられている。健診項目の選択は法律に従ってということではあるが、昨今の産業保健における自律的管理の流れの中で、健康管理もまた、同様の波を受けていると考えられる。一般的ながん検診項目も、福利厚生の1つということにとどまらず、健康経営の考えの元、積極的な受診環境の整備も事業場に求められる状況にもなっている。業務によって生じる健康被害の未然防止という観点だけでなく、職員の健康維持による業務効率の向上もまた、産業保健の課題となっている。法律に準ずるだけでなく、職員にとって必要な健診項目を事業場に提案、デザインする役目が産業医はじめ産業スタッフに求められていると考える。鹿児島市においては、鹿児島市医師会と薬剤師会の合同事業として、保険薬局介在型の大腸がん検査事業も行われている。大腸がん検査受診に消極的だったり、時機を逸したりした従業員に対して、そのような取り組みの存在を周知することも産業保健スタッフの業務の1つという認識が広まることを願っている。
https://kasii.jp/citizen/colon_cancer_testing_support/

春の季節が新しいことの始まりということで、従来の業務を新たに見直し、より質の高い産業保健サービスが各事業場において実施される機会となることを願っている。

産業保健研修会のご案内(5~7月開催分 受付中!)

┏―[ 産業保健研修会の詳細・申込はこちらから ]―――――┓
 https://kagoshimas.johas.go.jp/information/h2335
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産業保健研修会の申込方法の変更に関する重要なお知らせです!

お申込み時の個人情報の管理を徹底するため、令和7年4月からFAXでのお申込みを廃止しております。
お申込みフォームもしくはホームページからの手続きとなります。ご理解のほど、よろしくお願い申し上げます。

日医認定産業医(生涯研修も対象)の皆様へ重要なお知らせです。

当センターが実施する研修においてもMAMISのマイページ登録完了が必要です。
詳細は鹿児島県医師会ホームページをご覧ください。
https://www.kagoshima.med.or.jp/doctors/news/4630/

当センター主催のセミナーのご案内

当センターでは産業保健研修会以外に、事業場向けのセミナーも開催しています。
ホームページにセミナーの専用ページを開設しておりますので、産業保健活動の取組みにお役立てください。
https://kagoshimas.johas.go.jp/information/seminar

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令和7年度産業保健セミナー(オンライン)のご案内
「メンタルヘルス対策」・「治療と仕事の両立支援」(再掲)

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※このセミナーはすべて日医認定産業医の単位取得はできません。
産業医の皆様におかれましては、予めご了承ください。

開 催
日 時
  • 5月27日(火)14時~15時30分
    ストレスチェック判定図を活用して職場環境改善を考える!
  • 6月6日(金)14時~15時30分
    職場のハラスメントを知ろう
  • 6月24日(火)14時~15時30分
    治療と仕事の両立支援のための労務管理について
  • 7月7日(月)14時~15時30分
    職場のメンタルヘルス対策-ポジティブなメンタルヘルス対策へ向けて-
  • 7月18日(金)14時~15時30分
    風通しのよい職場づくりを目指して
  • 8月21日(木)14時~15時30分
    メンタルヘルス対策~ストレスすっきり!睡眠を見直す~
  • 8月28日(木)14時~15時30分
    ハラスメントと心の不調
  • 9月9日(火)14時~15時30分
    職場のメンタルヘルス対策:一次・二次・三次予防について
  • 9月19日(金)14時~15時30分
    ストレスチェック制度について
  • 9月30日(火)14時~15時30分
    治療と仕事の両立支援~諸制度の活用~
形 式 オンライン(Zoom)
対象者 事業者、人事労務担当者、衛生管理者、産業保健スタッフなど
講 師 当センター メンタルヘルス対策・両立支援促進員
(社会保険労務士、産業カウンセラーなど)
申 込 https://ssl.formman.com/t/iMaT/
※セミナー開催日の4日前まで

▼詳細はホームページをご覧ください
https://kagoshimas.johas.go.jp/information/seminar#R7.seminar

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対象となる事業場の皆様!
化学物質の自律的な管理の取り組みは進んでいますか?(再掲)

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日 時 令和7年6月7日(土)14:00~16:00
会 場 鹿児島県医師会館 4階 大ホール(鹿児島市中央町8-1)
テーマ CREATE SIMPLEを用いた化学物質のリスクアセスメントのやり方
講 師 産業保健相談員 東 正樹 先生(労働衛生工学)
定 員 50名(先着順となります)
日 時 令和7年7月17日(木)18:00~20:00
会 場 光健ボイスビル 2階(鹿児島市上之園町25-36)
テーマ 自律的な化学物質管理とリスクアセスメント
講 師 産業保健相談員 中甫木 直樹 先生(労働衛生工学)
定 員 10名(先着順となります)
日 時 令和7年8月30日(土)14:00~16:00
会 場 鹿児島県医師会館 3階 中ホール(鹿児島市中央町8-1)
テーマ 化学物質のリスクアセスメント
(クリエイトシンプルを用いたリスクの見積り手法)
講 師 産業保健相談員 田原 崇志 先生(労働衛生工学)
定 員 30名(先着順となります)

▼化学物質セミナー申込フォーム(各開催日の前日の午前中まで)
https://ssl.formman.com/t/gFqY/

※こちらからのお申込みによる日医認定産業医の単位取得はできません。
産業医の皆様におかれましては、予めご了承ください。

お知らせ

<鹿児島産業保健総合支援センター>

産業保健に関するご質問・ご相談を受け付けています。

治療と仕事の両立支援対策やメンタルヘルス対策をはじめ、産業保健に関する様々なご質問・ご相談を受け付けています。(オンラインによる相談も可能です。)電話やFAX、ホームページからお気軽にご相談ください。
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/otoiawase

▼「さんぽセンターWebひろば」の専用ページ
https://www.johas.go.jp/Portals/0/sanpocenter/webhiroba.html

治療と仕事の両立支援について

治療と仕事の両立に関するお悩み等について、事業場関係者や産業保健スタッフ、がんなど反復・継続して治療が必要な患者(労働者)やその家族からの相談に、当センターのメンタルヘルス対策・両立支援促進員又は産業保健専門職(保健師)が相談に応じます。(オンラインによる相談も可能です。)
両立支援に関する相談、各種支援は無料です。

▼治療と仕事の両立支援(支援内容、相談窓口、申込フォームなど)
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/cat765

医療機関の両立支援(出張)相談窓口につきましては、事前予約の状況等により、窓口業務を中止する可能性がありますので、当センターのホームページで事前に確認いただきますようお願いいたします。

▼「治療と仕事の両立支援」の専用ページ
https://www.ryoritsushien.johas.go.jp/blackjack/

メンタルヘルス対策支援について

当センターのメンタルヘルス対策・両立支援促進員(産業カウンセラーや社会保険労務士など)が事業場に訪問し、職場のメンタルヘルス対策に関する取り組みを無料で支援します。

また、事業場訪問以外のご相談(対面・電話・メール・オンライン)にも対応いたします。オンラインによる研修も対応可能です。

▼メンタルへルス対策支援(支援内容、申込フォームなど)
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/mental

運動指導等支援について

健康で安心して働ける職場環境の形成を支援するという産業保健の観点から、運動指導等を通じた労働者の健康保持増進について取り組むため、産業保健相談員(健康運動指導士)による個別訪問支援等を実施しています。事業場が行う健康教育等において、是非、ご活用ください。

▼運動指導等支援(支援内容、申込フォーム)
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/undou

地域産業保健センター(地域窓口)について

各地域産業保健センターでは、労働者数50人未満の小規模事業場の事業主や労働者を対象に、健康診断結果の意見聴取、健康相談、長時間労働者や高ストレス者に対する面接指導、保健指導等の産業保健サービスを無料で行っています。

▼地域産業保健センターについて
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/cat638

職場における熱中症予防対策の徹底に向けた要請がありました

県内の労働災害防止団体等と連携し、労働災害防止対策を強力に推進することにより労働災害を減少させることを目的とした、労働災害防止団体等代表者会議が令和7年4月25日に鹿児島労働局の主催により開催され、労働災害防止団体等に対して、労働局長から職場における熱中症予防対策の徹底に向けた要請がありました。

https://jsite.mhlw.go.jp/kagoshima-roudoukyoku/content/contents/2025-0425-3.pdf

<労働者健康安全機構情報>

労災疾病等医学研究普及サイトのご案内

労働者健康安全機構では、労働災害の発生状況や行政のニーズを踏まえ、労災補償政策上重要なテーマや新たな政策課題について、時宜に応じた研究に取り組んでいます。

▼労災疾病等医学研究普及サイト
https://www.research.johas.go.jp/index.html
▼「生活習慣病」について
https://www.research.johas.go.jp/seikatsu2018/index.html
▼「メンタルヘルス」について
https://www.research.johas.go.jp/mental2018/index.html
▼「アスベスト」について
https://www.research.johas.go.jp/asbesto2018/
▼「治療と仕事の両立支援コーディネーターマニュアル」について
★両立支援コーディネーターマニュアルはこちら
https://www.johas.go.jp/ryoritsumodel/tabid/1047/Default.aspx
★両立支援コーディネーターについて知りたい方はこちら
https://www.research.johas.go.jp/ryoritsucoo/
▼「病職歴データベースを活用した研究」について
https://www.research.johas.go.jp/bs/

▼「予防医療モデル事業」について
https://www.research.johas.go.jp/yobou/
全国9か所の労災病院に設置されている治療就労両立支援センターでは、疾病の予防および増悪防止を目的とした生活指導、運動指導、栄養指導といった、勤労者の健康確保を図るための予防医療活動を行っています。また、この予防医療活動によって集積した事例から、次の5つのテーマに基づいた予防法・指導法の研究開発を行い、全国の事業場に向けてそれらの成果の周知と普及に努めています。

  • テーマ1
    生活習慣に伴う疾病(メタボリックシンドローム、高血圧、喫煙、飲酒など)
  • テーマ2
    作業動作に伴う運動機能障害(関節痛、腰痛、頸肩腕症候群など)
  • テーマ3
    高齢勤労者特有の健康障害(ロコモティブ症候群、サルコペニアなど)
  • テーマ4
    勤労女性特有の健康障害(更年期、ライフステージ、勤務形態など)
  • テーマ5
    ストレス又は不眠(睡眠障害など)

これまでの研究課題では、SNSで話題を集めた「交代勤務者及び深夜業務におけるコンビニメニューの選び方に関する指導法の調査・研究、普及」や「勤労女性の飲酒実態調査及びアルコール健康障害予防のための適正飲酒の指導法の検討」等、皆様の健康維持に役立つ研究を行いました。
これらの研究成果は、47都道府県に設置されている産業保健総合支援センター等を通じて事業場や働いている皆様にご活用いただいています。また、上記の研究は当機構が発行する情報誌「産業保健21」でもご紹介していますので、併せてご覧ください。

予防法・指導法についての出張講演のご依頼は下記連絡先までお願いいたします。なお、事情によりご依頼をお受けできない場合もありますのでご了承ください。

労働者健康安全機構
勤労者医療・産業保健部勤労者医療課 勤労者医療班
(Tel)044-431-8641

<厚生労働省情報>

化学物質による労働災害防止のための新たな規制について

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000099121_00005.html

転倒予防・腰痛予防の取組について

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000111055.html

令和7年「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」の実施について(再掲)

★令和7年「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」実施要綱
https://www.mhlw.go.jp/content/11303000/001478633.pdf
★令和6年職場における熱中症による死傷災害の発生状況
(令和7年1月7日時点速報値)
https://www.mhlw.go.jp/content/11303000/001426738.pdf

<鹿児島労働局情報>

職場における熱中症対策の強化について
~令和7年6月1日に改正労働安全衛生規則が施行されます~

職場における熱中症対策を強化するため、令和7年6月1日から改正労働安全衛生規則が施行されます。改正内容は、熱中症のおそれがある労働者を早期に見つけ、その状況に応じ、迅速かつ適切に対処することにより、熱中症の重篤化を防止するため、「体制整備」、「手順作成」、「関係者への周知」が事業者に義務付けられます。

https://jsite.mhlw.go.jp/kagoshima-roudoukyoku/hourei_seido_tetsuzuki/anzen_eisei/nettyusyou/2025-0418-7.html

鹿児島県内の労働災害発生状況

◯令和6年発生分
◯令和7年発生分(3月末)
https://jsite.mhlw.go.jp/kagoshima-roudoukyoku/jirei_toukei/toukei/saigaitoukei_jirei.html

最新の業種別労働災害発生状況
⇒「業種別労働災害発生状況(確定)令和6年」もしくは「令和7年における業種別労働災害発生状況」をクリック

<その他情報>

高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)から調査研究成果物のご案内

  1. 調査研究報告書
    「精神障害者の等級・疾患と就業状況との関連に関する調査研究」
  2. マニュアル
    「精神障害者保健福祉手帳を所持する方の就業の状況と企業が取り組む職場の配慮・措置」

高齢・障害・求職者雇用支援機構においては、令和4~6年度に実施した「精神障害者の等級・疾患と就業状況との関連に関する調査研究」の成果物として、(1)調査研究報告書及び(2)マニュアルを令和7年3月末に公表しました。
ホームページからダウンロードできますので、是非ご活用ください。

(1)報告書 https://www.nivr.jeed.go.jp/research/report/houkoku/houkoku182.html
(2)マニュアル https://www.nivr.jeed.go.jp/research/kyouzai/kyouzai85.html

所長コラム

早いものでもう皐月、新緑の鮮やかな季節になりました。先月末には労働局から早々と熱中症予防対策徹底の要請書が発出されました。今夏の猛暑が予想される中、時宜を得た適切な施策です。暑熱環境による健康障害は、昔は熱射病とか日射病とかの用語が使用されていましたが今では熱中症に統一されています。鹿児島弁では「アッケ(熱気)がイッタ(入った)」という状態。医学的には「脱水」と「うつ熱」が同時に起こっている病態。「脱水」とは体細胞(特に筋細胞と脳細胞)の水分とNa.(ナトリウム)を始めとするミネラルが不足し細胞の機能が低下し、「うつ熱」とは体熱の放散が不十分で体温調節機能が失われて身体機能が大きく低下し生命の危険まである病態です。

喉の乾きなどを覚えた時点では既に脱水症で、熱中症症状が明確でなくても身体能力や判断能力・思考能力は低下し、作業能は大幅に低下しています。

予防の根本は脱水予防とうつ熱予防ですが、熱がこもりやすく湿度が高い鹿児島では厳しいですね。半世紀近くの昔ですが、沖縄の病院勤務時に現地の人から「ウチナンチュウは、特に夏場には昼間は仕事せず16時頃までは昼休み。そのことを把えてヤマトンチュウはウチナンチュウを怠け者と非難する」と聞いたことがありますが極めて合理的で妥当と感じました。鹿児島でも、昔は夏場の圃場での農作業は朝夕のみで昼休みを長く取っていたようです。発症予防としての一次予防だけでなくこのようなゼロ次予防も必要に応じ措置することも必要と考えています。

鹿児島はもう初夏。作業環境・作業態様だけでなく作業時間も考慮して対策を!