お知らせ

メールレター 第225号

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≪「さんぽ鹿児島」メールレター≫ 第225号
               2021/12/1

   発行:鹿児島産業保健総合支援センター
              所長 草野 健
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相談員からのメッセージ

COVID-19感染症の心理に与える影響

産業保健相談員 長友医継
(医療法人玉水会病院)
(担当分野:メンタルヘルス)

COVID-19による感染症に翻弄された生活が1年半以上続いています。最近本邦は小康状態ですが(令和3年11月中旬時点)、他国ではその傾向は 見られず、わが国でも「第6波」対策が急がれています。

COVID-19感染症は、当初、風邪症状や嗅覚・味覚障害が1週間ほど続いた後に大方は治癒しますが、20%ほどが肺炎症状を発症し、さらに5%ほ どが重症化していくとされていました。最近は、次第に治療方法が確立してきて、重症化などの割合は減少してきているようです。

本感染症にはこのような生物学的な感染症(第1の感染症)は無論です が、その他にも心理的な感染症(第2の感染症)さらには社会的な感染症 (第3の感染症)といわれるものがあります。

「第2の感染症」は、COVID-19が目に見えないウイルスであることや本 感染症が人類が経験したことのない新しい病気であることからくる「不安 ・怖れ・恐怖」であり、「第3の感染症」は、本感染症の流行で行動を制 限されたり自粛を余儀なくされていることへの怒りなどから「嫌悪・差別 ・偏見」が生じてくることを指します。特に医療従事者を始め本感染症対 策に従事している「働く人」には、いずれの感染症も強く関係しています。

最近、本感染症が治癒した後の倦怠感や抑うつなどの後遺症が問題視さ れ、治療方法の確立が急がれています。他方、上記の「第2」そして「第 3の感染症」も注視し、そして対策を講じていく必要があろうと思います。

研修セミナーのご案内

下記、セミナーはどなたでも参加できます。
参加される皆様は、新型コロナウイルスの感染予防対策(以下URL)にご協力ください。
https://kagoshimas.johas.go.jp/wp-content/uploads/2020/05/kensyu-kai.pdf

≪ 12月 ≫【定員】14名【会場】光健ボイスビル2F ※12/11を除く
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☆12月7日(火)14:00~16:00
「作業環境測定への個人サンプリング法の導入と溶接ヒュームの測定手順」東先生
日医認定産業医:生涯(専門)2単位

☆12月7日(火)16:10~17:10  ※満席
「労働衛生関係法令」当センター副所長
日医認定産業医:生涯(更新)1単位

☆12月9日(木)14:00~16:00 ※満席
「ストレスマネジメント(呼吸法および自律訓練法)」網谷先生
日医認定産業医:生涯(専門)2単位

☆12月11日(土)14:00~16:00  ※満席
「高齢者を雇用するときに気を付けること」冨宿先生
※会場:鹿児島県医師会3F中ホール(鹿児島市中央町8-1)
日医認定産業医:生涯(専門)2単位

☆12月17日(金)14:00~16:00 ※満席
「ハラスメントのメンタルヘルス・カウンセリング-Ⅳ
~パワハラ、セクハラ(トラウマ・PTSD)をめぐって~」久留先生
日医認定産業医:生涯(専門)2単位

≪ 1月 ≫【定員】14名【会場】光健ボイスビル2F ※1/29を除く
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☆1月14日(金)14:00~16:00
「夜勤者の肥満・生活習慣病予防」徳永先生
日医認定産業医:生涯(実地)2単位

☆1月18日(火)18:00~20:00
「オーラルフレイルと口腔機能低下症について」貞村先生
日医認定産業医:生涯(専門)2単位

☆1月21日(金)14:00~16:00
「ストレスチェックと高ストレス面接の実際」小田原先生
日医認定産業医:生涯(実地)2単位

☆1月24日(月)18:00~20:00
「職域において「体質」をどう考え、利用するか」堀内先生
日医認定産業医:生涯(専門)2単位

☆1月26日(水)14:00~16:00
「健康経営とプレゼンティズム」長友先生
日医認定産業医:生涯(専門)2単位

☆1月29日(土)14:00~16:00 ※定員30名
「粉じんの有所見者数の現状と防止対策」黒沢先生
※会場:鹿児島県医師会3F中ホール(鹿児島市中央町8-1)
日医認定産業医:生涯(専門)2単位

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◇…産業医対象
●…産業保健スタッフ対象
☆…産業保健スタッフ・産業医対象
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▼詳細・申込
https://kagoshimas.johas.go.jp/information/h2335

お知らせ

<鹿児島産業保健総合支援センター>

産業保健に関するご質問・ご相談を受け付けています。

治療と仕事の両立支援対策やメンタルヘルス対策をはじめ、産業保健に関する様々なご質問・ご相談を受け付けています。(オンラインによる相談も可能です。)電話やFAX、ホームページからお気軽にご相談ください。
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/otoiawase

治療と仕事の両立支援について

治療と仕事の両立に関するお悩み等について、事業場関係者や産業保健スタッフ、がんなど反復・継続して治療が必要な患者(労働者)やその家族からの相談に、鹿児島産業保健総合支援センターの両立支援促進員又は産業保健専門職(保健師)が相談に応じます。(オンラインによる相談も可能です。)

また、両立支援促進員が、事業場を訪問して事業場内の支援体制、勤務・休暇制度、各種規程等の整備、両立支援に関する教育など両立支援制度の導入に向けた支援を行うほか、患者(労働者)からの申出を受け、就労継続や職場復帰に関する事業場との調整支援を行います。

両立支援に関する相談、各種支援は無料です。
○治療と仕事の両立支援(支援内容、相談窓口、申込フォームなど)
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/cat765

なお、医療機関の両立支援(出張)相談窓口につきましては、新型コロナウイルスの感染状況により、医療機関の相談窓口業務を中止する可能性がありますので、当センターのホームページで事前に確認いただきますようお願いいたします。

メンタルヘルス対策支援について

当センターのメンタルヘルス対策促進員(産業カウンセラーや社会保険労務士など)が事業場に訪問し「心の健康づくり計画」の策定、相談体制の整備、職場環境の把握と改善、管理監督者向けや若年労働者(含む全社員)向けのメンタルヘルス教育・研修、メンタルヘルス不調者の職場復帰支援など、職場のメンタルヘルス対策に関する取り組みを無料で支援します。

また、事業場訪問以外のご相談(対面・電話・メール・オンライン)にも対応いたします。オンラインによる研修も対応可能です。
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/mental

地域産業保健センター(地域窓口)について

労働者数50人未満の小規模事業場に対する健康相談、保健指導等の産業保健サービスを無料で行っています。
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/cat638

<労働者健康安全機構情報>

「令和3年7月豪雨災害被災者のための心と健康の相談ダイヤル」について(再掲)

「令和3年7月豪雨災害被災者のための心と健康の相談ダイヤル」

フリーダイヤル 0120-200-826
※全国どこからでも、携帯電話やPHSからも無料で利用可能

  • 受付日時 平日(10 時 00 分~17 時 00 分/土日祝日を除く)
  • 対象者 被災された住民の方(事業者、労働者及びその家族等)
    相談例:人間関係の悩みなどでの強いストレスや不安について
        エコノミークラス症候群などの健康管理や感染対策などの健康不安について

令和3年度両立支援コーディネーター基礎研修開催のご案内(再掲)

第8回、第9回の研修日程が公開されています。募集開始は12月20日からです。
https://www.johas.go.jp/ryoritsumodel/tabid/1968/Default.aspx

第14回じん肺診断技術研修申込について

「じん肺診断技術研修」は、じん肺健康診断に従事する医師として必要な専門技術を修得することを目的とした研修です。令和3年度は令和4年2月4日に開催予定です。
https://www.johas.go.jp/index/tabid/595/Default.aspx?itemid=1113&dispmid=1466

事業場における保健師・看護師の活動実態に関する調査報告書について(再掲)

https://www.johas.go.jp/Portals/0/data0/sanpo/pdf/hokenshitou_katsudojittai_chosahokokusho.pdf

労災疾病等医学研究普及サイトのご案内

労働者健康安全機構では、労働災害の発生状況や行政のニーズを踏まえ、労災補償政策上重要なテーマや新たな政策課題について、時宜に応じた研究に取り組んでいます。

○労災疾病等医学研究普及サイト
https://www.research.johas.go.jp/index.html
○メタボロームについて
https://www.research.johas.go.jp/metabolome/

<厚生労働省情報>

12月は「職場のハラスメント撲滅月間」です!

厚生労働省では、12月を「職場のハラスメント撲滅月間」と定め、職場のハラスメントをなくし、みんなが気持ちよく働くことができる職場環境をつくる気運を盛り上げるための、集中的な広報・啓発活動を実施しています。
広報・啓発活動の一環として、2021年12月10日(金)に「職場のハラスメント対策シンポジウム」がオンラインで開催されます。参加費は無料です。

▼報道発表資料
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_22307.html
▼職場のハラスメント対策シンポジウム
https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/symposium

職場での転倒予防に取り組みましょう!

厚生労働省と消費者庁では、日本転倒予防学会と協力して、10月10日の「転倒予防の日」を契機に、国民に対する転倒予防の呼びかけを行っています。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_21393.html

保健衛生業及び陸上貨物運送事業向け腰痛予防サイト

腰痛予防対策を動画で紹介しています。
https://yotsu-yobo.com/

脳・心臓疾患の労災認定基準を改正しました(再掲)

【改正概要】
https://www.mhlw.go.jp/content/11201000/000832041.pdf
【改正通達 本文】
https://www.mhlw.go.jp/content/11201000/000832042.pdf

職場における化学物質管理に関するオンライン講習会

令和3年度 厚生労働省委託事業の受諾先であるテクノヒル株式会社が、オンデマンド配信による化学物質管理に関する講習会を令和4年2月28日 17時まで開催します。
参加費は無料ですが、事前申し込みが必要になります。

▼講習会概要
https://www.technohill.co.jp/technohill/r3_kousyuukai_info/
▼化学物質管理に関する相談等のご案内【テクノヒル株式会社】
https://www.technohill.co.jp

<鹿児島労働局情報>

令和3年の労働災害発生状況

○令和3年(10月末速報)
□ 死亡者数は19人で、前年同期比で5人(35.7%)増。
□ 休業4日以上の死傷者数は1705人で、前年同期比で157人(10.1%)増。
https://jsite.mhlw.go.jp/kagoshima-roudoukyoku/content/contents/r3saigai_2021-1111-3.pdf

職場のハラスメントに関する特別相談窓口を開設しました!

開設期間は11月22日(月)~12月28日(火)となっています。
https://jsite.mhlw.go.jp/kagoshima-roudoukyoku/madoguchi_annai/soudan/2021-1122-2.html

鹿児島県の最低賃金について

12月に産業別最低賃金の一部が変更になります。
https://jsite.mhlw.go.jp/kagoshima-roudoukyoku/hourei_seido_tetsuzuki/kane/saitin01.html

<新型コロナウイルス関連情報>

新型コロナウイルス感染症の“いま”に関する11の知識(厚生労働省)

https://www.mhlw.go.jp/content/000788485.pdf

新型コロナワクチンについて(厚生労働省)

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_00184.html

新型コロナウイルスに関連するQ&A(厚生労働省)

▼企業の方向け
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00007.html
▼労働者の方向け
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00018.html

職場における新型コロナウイルス感染症対策のための業種・業態別マニュアル(日本産業衛生学会)

https://www.sanei.or.jp/?mode=view&cid=444

職域のための新型コロナウイルス感染症対策ガイド(日本渡航医学会)

https://plaza.umin.ac.jp/jstah/index2.html

編集後記

日本でのCOVID-19は諸対策の効果もあってか、終息しつつあるような状況で師走を迎えたが世界的にはオミクロン株の出現などむしろパンデミック拡大傾向にある。

そんな中、日本ではパンデミックが「働き方改革」の後押し(?)になった面もあり、在宅勤務やWeb会議の推進などが各分野で導入され情報産業などを中心に職場の在り様が大きく変容しつつある。しかし物資生産業やサービス業・福祉医療業等PC作業以外の作業が中心の業種ではマスメディアで喧伝するようなテレワークやワーケーション等の導入は望むべくもない。ここ二三十年間、我が国では非正規労働者割合が増加し実質賃金は上がらず出生率も低下。こうした将来に「つけ」を回すような状況は、「今だけ・金だけ・自分だけ」の「強欲資本主義経済」の当然の帰結といえる。利潤追求ではない、新たな価値生産を基盤とする経済システム構築が強く望まれる。

「働く人の健康を守り増進する」ことが産業保健活動の本旨であるが、そのためには事業場現場だけを見ていては目的達成には大きな限界がある。我が国の事業場の90%以上が中小零細規模であり、その経営維持と労働者の勤
務条件は二律相反となり易い。しかし、その面に踏み込まない限り「働き方改革」も実効性のないものになる恐れがある。産業保健スタッフが対象事業場の経営面にまで間接的にでも関与することには大きな疑義もあるが、それ
らを無視してはどんな立派な提案も画餅に過ぎないことになりかねない。

産業保健活動を推進する立場からも経済社会全般への視野は必要不可欠である。