メールレター 第252号
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≪「さんぽ鹿児島」メールレター≫ 第252号(2024.3)
発行:鹿児島産業保健総合支援センター
所長 草野 健
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相談員からのメッセージ
フレイル予防はいつから始めるべきか?
産業保健相談員 網谷 東方
(担当分野:メンタルヘルス)
フレイルは、「虚弱」を意味する英語「frailty:フレイルティ」を元にした造語ですが、「加齢に伴う様々な機能変化や予備能力低下によって、健康障害に対する脆弱性が増加した状態」と理解されています。フレイルは、転倒、障害、入院、医療費の増加や早期死亡のリスクの増加と関連しており、健康寿命延伸を阻む最大の障壁といわれ、高齢者における加齢に伴う機能低下が強調して説明されてきました。
多くのフレイル研究は65歳以上を対象としてきましたが、最近、フレイルは身体的要因だけでなく、社会的要因や心理的要因も含む多因子性のものであり、年齢に関係なく連続的に発生すると指摘する報告がなされるようになってきました。さらに、Halon Pらは、英国の37~73歳の約50万人を対象に調査した結果、45歳以上の男女において、フレイルは死亡リスクを2倍以上増加させたとThe Lancet Public Healthで報告し、老年期よりかなり前でのフレイル予防を推奨しています。中年期におけるフレイルの特徴などについては、今後のさらなる研究が必要となると思いますが、フレイル予防はこの時期から始めた方がよさそうです。
働き盛りの方々にも、有酸素運動に加えて定期的な筋力トレーニングを行い、バランスの良い食生活を心掛け、フレイル予防を心掛けて頂きたいと思います。
産業保健研修会・セミナーのご案内(3月~5月開催分 受付中!)
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【当センター主催のセミナーに関するご案内】※今年度分は終了いたしました
当センターでは産業保健研修会以外に、事業場向けのセミナーも開催しています。
ホームページにセミナーの専用ページを開設しておりますので、産業保健活動の取組みにお役立てください。
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お知らせ
<鹿児島産業保健総合支援センター>
産業保健に関するご質問・ご相談を受け付けています。
治療と仕事の両立支援対策やメンタルヘルス対策をはじめ、産業保健に関する様々なご質問・ご相談を受け付けています。(オンラインによる相談も可能です。)電話やFAX、ホームページからお気軽にご相談ください。
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/otoiawase
治療と仕事の両立支援について
治療と仕事の両立に関するお悩み等について、事業場関係者や産業保健スタッフ、がんなど反復・継続して治療が必要な患者(労働者)やその家族からの相談に、当センターの両立支援促進員又は産業保健専門職(保健師)が相談に応じます。(オンラインによる相談も可能です。)
両立支援に関する相談、各種支援は無料です。
▼治療と仕事の両立支援(支援内容、相談窓口、申込フォームなど)
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/cat765
医療機関の両立支援(出張)相談窓口につきましては、、事前予約の状況等により、窓口業務を中止する可能性がありますので、当センターのホームページで事前に確認いただきますようお願いいたします。
メンタルヘルス対策支援について
当センターのメンタルヘルス対策促進員(産業カウンセラーや社会保険労務士など)が事業場に訪問し、職場のメンタルヘルス対策に関する取り組みを無料で支援します。
また、事業場訪問以外のご相談(対面・電話・メール・オンライン)にも対応いたします。オンラインによる研修も対応可能です。
▼メンタルへルス対策支援(支援内容、申込フォームなど)
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/mental
運動指導等支援について(新規支援事業)
健康で安心して働ける職場環境の形成を支援するという産業保健の観点から、運動指導等を通じた労働者の健康保持増進について取り組むため、産業保健相談員(健康運動指導士)による個別訪問支援等を実施しています。事業場が行う健康教育等において、是非、ご活用ください。
▼運動指導等支援(支援内容、申込フォーム)
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/undou
地域産業保健センター(地域窓口)について
各地域産業保健センターでは、労働者数50人未満の小規模事業場の事業主や労働者を対象に、健康診断結果の意見聴取、健康相談、長時間労働者や高ストレス者に対する面接指導、保健指導等の産業保健サービスを無料で行っています。
▼地域産業保健センターについて
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/cat638
<労働者健康安全機構情報>
労災疾病等医学研究普及サイトのご案内
労働者健康安全機構では、労働災害の発生状況や行政のニーズを踏まえ、労災補償政策上重要なテーマや新たな政策課題について、時宜に応じた研究に取り組んでいます。
▼労災疾病等医学研究普及サイト
https://www.research.johas.go.jp/index.html
▼「生活習慣病」について
https://www.research.johas.go.jp/seikatsu2018/index.html
▼「メンタルヘルス」について
https://www.research.johas.go.jp/mental2018/index.html
▼「アスベスト」について
https://www.research.johas.go.jp/asbesto2018/
▼「治療と仕事の両立支援コーディネーターマニュアル」について
★両立支援コーディネーターマニュアルはこちら
https://www.johas.go.jp/ryoritsumodel/tabid/1047/Default.aspx
★両立支援コーディネーターについて知りたい方はこちら
https://www.research.johas.go.jp/ryoritsucoo/
▼「病職歴データベースを活用した研究」について
https://www.research.johas.go.jp/bs/
「さんぽセンターWebひろば」をリニューアルしました
産業保健総合支援センターと地域産業保健センターを紹介する特設ページが2月27日にリニューアルしました。
https://www.johas.go.jp/Portals/0/sanpocenter/webhiroba.html
<厚生労働省情報>
化学物質による労働災害防止のための新たな規制について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000099121_00005.html
転倒予防・腰痛予防の取組について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000111055.html
女性の健康週間
厚生労働省では、毎年3月1日から3月8日までを「女性の健康週間」と定め、女性の健康づくりを国民運動として展開しています。ライフスタイルが多様化する中で、女性が生涯を通じて健康で明るく、充実した日々を過ごすための総合的な支援を目的とし、国及び地方公共団体、関係団体等、社会全体が一体となって様々な取組や普及啓発を行っています。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_37919.html
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/woman/index.html
<鹿児島労働局情報>
鹿児島県内の労働災害発生状況
○令和5年発生分(12月末速報)
◯令和6年発生分(1月末)
https://jsite.mhlw.go.jp/kagoshima-roudoukyoku/jirei_toukei/toukei/saigaitoukei_jirei.html
最新の業種別労働災害発生状況
⇒「令和5年における業種別労働災害発生状況」または「令和6年における業種別労働災害発生状況」をクリック
< 情報提供 >
高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)からのご案内
~発達障害者就労支援レファレンスブック(課題と対応例)~
高齢・障害・求職者雇用支援機構においては、発達障害者の職場で直面する課題についての対応策をまとめた「発達障害者就労支援レファレンスブック(課題と対応例)」を作成しており、ホームページ(※)からダウンロードできますので、御活用ください。
※ https://www.nivr.jeed.go.jp/research/kyouzai/kyouzai48.html
編集後記
明治初期、西欧の先進文明導入に際し知識人達は我が国にはなかった多くの学術用語の日本語訳を作っていった。日本にはない概念等の場合はカタカナ表記としたが、多くは表意文字である漢字の熟語を新たに作り出した。識字率の高い情況下では欧州語の訳語を作ることで学問の裾野を拡げることに大いに効果的であったと思われる。それら学術用語の一つとしてSTRESSがある。この語に相当する和語としては「凹み」「歪み」があるが、「侵襲」との訳は普及せずストレスとのカタカナ表記が一般化した。
今日ではストレスは主にメンタルストレスのみを指す用語となっているが、「心」が外部からの「力」で一時的に「凹む」「歪む」ことは当然で、問題はその「凹み」「歪み」が復元しないか復元する力が低下していく場合である。ストレス対策はその「凹み」「歪み」を最小化すること。ストレスチェックは個々人がストレス状況に「気づく」ことが目的であるが、それで終わりではなくストレス環境改善とともに個々人のストレス抵抗力向上が最終目標であろう。その方法は極めて個別的であり一般化できるものではない。
職場におけるストレス環境改善は、多種・多用な職場状況では具体的方法は極めて個別的なものとなるが、個々人のストレス抵抗力向上方法はさらに個別的である。
相次ぐ技術革新・IT化の進展等で働く人の感性も意識も大きく変化している。未だ社会の指導層の多くを占める昭和世代の「嘆き」も少なくないが、「不易流行」を意に留め激しい変化に対応する柔軟性も望まれる。