メールレター 第253号
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≪「さんぽ鹿児島」メールレター≫ 第253号(2024.4)
発行:鹿児島産業保健総合支援センター
所長 草野 健
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相談員からのメッセージ
身近なものから始める自律的な化学物質管理
産業保健相談員 中甫木 直樹
(なかほぎ労働衛生コンサルタント事務所)
(担当分野:労働衛生工学)
令和4年の化学物質管理に関する法令改正が、令和6年4月1日より施行され、新たな化学物質管理がスタートしました。この4月よりGHSの健康障害性クラス10種類のうち、急性毒性、生殖細胞変異原性、発がん性、生殖毒性のいずれかにおいて区分1のものが、化学物質管理における規制対象となり、234物質が追加されました。これにより、リスクアセスメント、SDS、ラベル表示が義務となるため、これまで化学物質についてのリスクアセスメントを実施していなかった事業所でも、今回の法令改正により、リスクアセスメントが必要になっている可能性があります。
職場でお使いの身近なもので、ラベルが表示されているものはないでしょうか?洗浄剤、漂白剤、消毒剤などで見つかるかと思います。ラベル表示のうち、シンボルがドクロのもの、及び、健康有害性のもののうち、生殖細胞変異原性、発がん性、生殖毒性についてGHS区分1のものが、今回リスクアセスメント対象物質となっています。
これまでにも、接客娯楽業(飲食店等)、清掃業等において、厨房等の清掃に用いる洗剤が眼に入ったり、皮膚にかかることによる眼の障害、薬傷(化学やけど)が起きた事例や、保健衛生業(社会福祉施設等)、清掃業、畜産水産業等において、消毒剤が眼に入る、皮膚にかかる、他の薬液と混ぜてガスが発生する等による眼の障害、薬傷(化学やけど)、中毒が起きた事例が報告されています。
まずは、事業所において、洗剤や、消毒剤など普段取り扱う身近なものから、化学物質管理における規制対象物質でないか確認をお願いいたします。規制対象物質であった場合はすみやかにリスクアセスメントとばく露防止の措置をお願いいたします。また、令和6年4月現在は規制対象でない物質でも、GHS区分における健康有害性クラスで有害性があると認められている物質(シンボルがドクロ、健康有害性、腐食性、感嘆符のラベルがあるもの)は、将来規制対象となりますので、早めの対策をお願いいたします。
産業保健研修会・セミナーのご案内(4月~6月開催分 受付中!)
┏―[ 産業保健研修会の詳細・申込はこちらから ]―――┓
https://kagoshimas.johas.go.jp/information/h2335
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【当センター主催のセミナーに関するご案内】
「治療と仕事の両立支援に関するセミナー」を令和6年6月11日(火)の14時から16時まで、オンラインにて開催する予定で現在準備を進めており、ホームページでの公開を4月下旬に予定しております。
人事労務担当者・管理職向けのテーマとなっておりますので、公開までもうしばらくお待ちください。
当センターでは産業保健研修会以外に、事業場向けのセミナーも開催しています。
ホームページにセミナーの専用ページを開設しておりますので、産業保健活動の取組みにお役立てください。
https://kagoshimas.johas.go.jp/information/seminar
お知らせ
<鹿児島産業保健総合支援センター>
産業保健に関するご質問・ご相談を受け付けています。
治療と仕事の両立支援対策やメンタルヘルス対策をはじめ、産業保健に関する様々なご質問・ご相談を受け付けています。(オンラインによる相談も可能です。)電話やFAX、ホームページからお気軽にご相談ください。
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/otoiawase
治療と仕事の両立支援について
治療と仕事の両立に関するお悩み等について、事業場関係者や産業保健スタッフ、がんなど反復・継続して治療が必要な患者(労働者)やその家族からの相談に、当センターの両立支援促進員又は産業保健専門職(保健師)が相談に応じます。(オンラインによる相談も可能です。)
両立支援に関する相談、各種支援は無料です。
▼治療と仕事の両立支援(支援内容、相談窓口、申込フォームなど)
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/cat765
医療機関の両立支援(出張)相談窓口につきましては、、事前予約の状況等により、窓口業務を中止する可能性がありますので、当センターのホームページで事前に確認いただきますようお願いいたします。
メンタルヘルス対策支援について
当センターのメンタルヘルス対策促進員(産業カウンセラーや社会保険労務士など)が事業場に訪問し、職場のメンタルヘルス対策に関する取り組みを無料で支援します。
また、事業場訪問以外のご相談(対面・電話・メール・オンライン)にも対応いたします。オンラインによる研修も対応可能です。
▼メンタルへルス対策支援(支援内容、申込フォームなど)
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/mental
運動指導等支援について(新規支援事業)
健康で安心して働ける職場環境の形成を支援するという産業保健の観点から、運動指導等を通じた労働者の健康保持増進について取り組むため、産業保健相談員(健康運動指導士)による個別訪問支援等を実施しています。事業場が行う健康教育等において、是非、ご活用ください。
▼運動指導等支援(支援内容、申込フォーム)
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/undou
地域産業保健センター(地域窓口)について
各地域産業保健センターでは、労働者数50人未満の小規模事業場の事業主や労働者を対象に、健康診断結果の意見聴取、健康相談、長時間労働者や高ストレス者に対する面接指導、保健指導等の産業保健サービスを無料で行っています。
▼地域産業保健センターについて
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/cat638
<労働者健康安全機構情報>
労災疾病等医学研究普及サイトのご案内
労働者健康安全機構では、労働災害の発生状況や行政のニーズを踏まえ、労災補償政策上重要なテーマや新たな政策課題について、時宜に応じた研究に取り組んでいます。
▼労災疾病等医学研究普及サイト
https://www.research.johas.go.jp/index.html
▼「生活習慣病」について
https://www.research.johas.go.jp/seikatsu2018/index.html
▼「メンタルヘルス」について
https://www.research.johas.go.jp/mental2018/index.html
▼「アスベスト」について
https://www.research.johas.go.jp/asbesto2018/
▼「治療と仕事の両立支援コーディネーターマニュアル」について
★両立支援コーディネーターマニュアルはこちら
https://www.johas.go.jp/ryoritsumodel/tabid/1047/Default.aspx
★両立支援コーディネーターについて知りたい方はこちら
https://www.research.johas.go.jp/ryoritsucoo/
▼「病職歴データベースを活用した研究」について
https://www.research.johas.go.jp/bs/
「さんぽセンターWebひろば」をリニューアルしました(再掲)
https://www.johas.go.jp/Portals/0/sanpocenter/webhiroba.html
「治療と仕事の両立支援」の特設ページをリニューアルしました
https://www.ryoritsushien.johas.go.jp/blackjack/
<厚生労働省情報>
化学物質による労働災害防止のための新たな規制について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000099121_00005.html
転倒予防・腰痛予防の取組について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000111055.html
令和6年「STOP!熱中症クールワークキャンペーン」実施について
▼令和6年「STOP!熱中症クールワークキャンペーン」実施要綱
https://www.mhlw.go.jp/content/11303000/001214533.pdf
▼令和5年 職場における熱中症による死傷災害の発生状況(令和6年1月11日時点速報値)
https://www.mhlw.go.jp/content/11303000/001214534.pdf
適用猶予業種の時間外労働の上限規制について
2024年4月から建設業、トラック・バス・タクシードライバー、医師の「働き方改革」を進めるため、時間外労働の上限規制が適用となります!
https://hatarakikatasusume.mhlw.go.jp/index.html
労働条件明示のルールの改正(令和6年4月から)について
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_32105.html
<鹿児島労働局情報>
鹿児島県内の労働災害発生状況
○令和5年発生分(12月末速報)
◯令和6年発生分(2月末速報)
https://jsite.mhlw.go.jp/kagoshima-roudoukyoku/jirei_toukei/toukei/saigaitoukei_jirei.html
最新の業種別労働災害発生状況
⇒「令和5年における業種別労働災害発生状況」または「令和6年における業種別労働災害発生状況」をクリック
< 情報提供 >
高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)からのご案内
~難病患者の就労困難性に関する調査研究~
高齢・障害・求職者雇用支援機構においては、就労経験のある3,000名以上の難病患者、事業所、地域支援機関の調査により、難病の様々な症状による職場での支援ニーズを明らかにした「難病患者の就労困難性に関する調査研究」の報告書を3月末に公表しました。ホームページ(※)からダウンロードできますので、御活用ください。
※https://www.nivr.jeed.go.jp/research/report/houkoku/houkoku172.html
所長コラム
我が国の産業保健政策は第二次大戦後の1947年の労働基準法施行以来、製造業を中心に様々な施策が講じられていたが、1972年の安衛法施行以後は第三次産業も加えて多くの各種法令の制定・改定が繰り返され、今日ではメンタルヘルス対策・働き方改革・治療と仕事の両立支援が大きな柱となっている。2024年度からは働き方改革の一環として長時間労働規制が全職種に適応されることとなり、またほぼ全ての化学物質のSDS発行が義務化された。
私が当センターの非常勤所長を拝命したのは10年前の産業保健関連3事業が一元化され産業保健総合支援センターが設置された2014年。この間も温暖化と気候変動に加え地震等の自然災害も多発。それに伴い社会状況も大きく変化している。産業現場も目まぐるしく変動することから、政府の各種労働政策も変更せざるを得ない。産業保健活動従事者にとっても何とも悩ましい時代となっている。目前の課題に真摯に取り組むだけでは活動の成果を得難い状況が続いているが、これらの活動を支援する組織の長として如何ほどの活動ができているか、正直忸怩たる思いを強く感じている。「それでも・・・」と思う私の11年目の始まりである。
前号まで「編集後記」としてこの項を記述していたが今号からはメールレター掲載内容に関わらず産業保健の現状に応じた記述をするために「所長コラム」として所長として私個人の所信を述べさせて貰うこととした。ご容赦を。