メールレター 第254号
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≪「さんぽ鹿児島」メールレター≫ 第254号(2024.5)
発行:鹿児島産業保健総合支援センター
所長 草野 健
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相談員からのメッセージ
ゲートキーパー
産業保健相談員 山喜 高秀
(担当分野:カウンセリング)
「ゲートキーパー」とは、自殺の危険を示すサインに気づき、適切な対応(悩んでいる人に気づき、声をかけ、話を聞いて、必要な支援につなげ、見守る)を図ることができる人のことで、言わば「命の門番」とも位置付けられる人のことです。自殺対策では、悩んでいる人に寄り添い、関わりを通して「孤独・孤立」を防ぎ、支援することが重要です。「自殺総合対策大綱(平成19年6月8日閣議決定)」においては、当面の重点施策の一つとしてゲートキーパーの養成を掲げ、かかりつけの医師、教職員、民生委員、児童委員など関連するあらゆる分野の人材にゲートキーパーとなれるよう研修等を行うことが規定されています。また、我が国のみならず海外でも、自殺対策の分野でも広く使用されている用語、概念であって、WHO(世界保健機関)を始め、多くの国々で使用され、その養成プログラムが実施されています。(厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/ )
その背景には、我が国における自殺者の多さがあります。警察庁の自殺統計に基づく厚生労働省のまとめによると、2022年の自殺者数が2万1584人となり、21年の確定値と比べ577人増え、2年ぶりの増加となりました。特に注意すべきは、子どもたちの数(小学生15人、中学生118人、高校生308人)です。
この事実は何を意味しているのでしょうか?新生児は、生き死にをかけてオギャーと啼泣し救いを求め、そのたびに乳やミルクを与えてもらうことを通して、人に助けを自ずから求める力(心理学ではこれを基本的信頼感と呼ぶ)を育んでいきます。今の世の中は、子どもたちが先々ゲートに行くことなく生きていけるようにその求める力をさらに育てているのか、また求めてきた時にしっかり受け止める人や場所があるのかという深い問いを突き付けられている時代といえるかもしれません。
産業保健研修会・セミナーのご案内(5月~7月開催分 受付中!)
┏―[ 産業保健研修会の詳細・申込はこちらから ]―――――┓
https://kagoshimas.johas.go.jp/information/h2335
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治療と仕事の両立支援Webセミナー
人事労務担当者・管理職必見!~人を大切にするアプローチ~のご案内
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少子・高齢化が進み、労働人口が減少している中で、 医療は進歩し、働きながら治療を行う労働者は増加おり、今回、疾病を抱える労働者の治療と仕事の両立を支援するための参考としていただきたく機会としてWebセミナーを開催することとしました。
第1部では「両立支援における情報収集と共有」、第2部では「障害者就業・生活支援センターの活動について」をテーマとして、具体的な活動内容や事例などの講演を予定しています。
皆さまのご参加をお待ちしております。
※今回のセミナーは日医認定産業医の単位取得はできません。産業医の皆様におかれましては、予めご了承ください。
日 時 | 令和6年6月11日(火)14時~16時 |
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開催方法 | オンライン(Zoom使用) |
対 象 者 | 事業者、人事労務担当者など |
内 容 |
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定 員 | 70名 |
申込方法 | メールフォーム https://ssl.formman.com/t/BFQf/ ※令和6年5月31日(金)までにお申し込みください。 |
【当センター主催のセミナーに関するご案内】
当センターでは産業保健研修会以外に、事業場向けのセミナーも開催しています。
ホームページにセミナーの専用ページを開設しておりますので、産業保健活動の取組みにお役立てください。
https://kagoshimas.johas.go.jp/information/seminar
お知らせ
<鹿児島産業保健総合支援センター>
産業保健に関するご質問・ご相談を受け付けています。
治療と仕事の両立支援対策やメンタルヘルス対策をはじめ、産業保健に関する様々なご質問・ご相談を受け付けています。(オンラインによる相談も可能です。)電話やFAX、ホームページからお気軽にご相談ください。
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/otoiawase
治療と仕事の両立支援について
治療と仕事の両立に関するお悩み等について、事業場関係者や産業保健スタッフ、がんなど反復・継続して治療が必要な患者(労働者)やその家族からの相談に、当センターの両立支援促進員又は産業保健専門職(保健師)が相談に応じます。(オンラインによる相談も可能です。)
両立支援に関する相談、各種支援は無料です。
▼治療と仕事の両立支援(支援内容、相談窓口、申込フォームなど)
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/cat765
医療機関の両立支援(出張)相談窓口につきましては、、事前予約の状況等により、窓口業務を中止する可能性がありますので、当センターのホームページで事前に確認いただきますようお願いいたします。
☆★治療と仕事の両立支援(出張)相談窓口のお知らせ★☆
【社会福祉法人恩賜財団済生会川内病院】
社会福祉法人恩賜財団済生会川内病院に開設している治療と仕事の両立支援(出張)相談窓口につきまして、以下のとおり変更となりましたので、ご注意ください。
変更後 【事前予約制】毎月第2木曜日の10時から12時まで(祝日は除く)
変更前 毎月第2木曜日の10時から12時まで(祝日は除く)
変更日 令和6年4月1日
https://kagoshimas.johas.go.jp/information/060426_ryouritsu_saiseikaisendai
メンタルヘルス対策支援について
当センターのメンタルヘルス対策促進員(産業カウンセラーや社会保険労務士など)が事業場に訪問し、職場のメンタルヘルス対策に関する取り組みを無料で支援します。
また、事業場訪問以外のご相談(対面・電話・メール・オンライン)にも対応いたします。オンラインによる研修も対応可能です。
▼メンタルへルス対策支援(支援内容、申込フォームなど)
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/mental
運動指導等支援について(新規支援事業)
健康で安心して働ける職場環境の形成を支援するという産業保健の観点から、運動指導等を通じた労働者の健康保持増進について取り組むため、産業保健相談員(健康運動指導士)による個別訪問支援等を実施しています。事業場が行う健康教育等において、是非、ご活用ください。
▼運動指導等支援(支援内容、申込フォーム)
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/undou
地域産業保健センター(地域窓口)について
各地域産業保健センターでは、労働者数50人未満の小規模事業場の事業主や労働者を対象に、健康診断結果の意見聴取、健康相談、長時間労働者や高ストレス者に対する面接指導、保健指導等の産業保健サービスを無料で行っています。
▼地域産業保健センターについて
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/cat638
<労働者健康安全機構情報>
労災疾病等医学研究普及サイトのご案内
労働者健康安全機構では、労働災害の発生状況や行政のニーズを踏まえ、労災補償政策上重要なテーマや新たな政策課題について、時宜に応じた研究に取り組んでいます。
▼労災疾病等医学研究普及サイト
https://www.research.johas.go.jp/index.html
▼「生活習慣病」について
https://www.research.johas.go.jp/seikatsu2018/index.html
▼「メンタルヘルス」について
https://www.research.johas.go.jp/mental2018/index.html
▼「アスベスト」について
https://www.research.johas.go.jp/asbesto2018/
▼「治療と仕事の両立支援コーディネーターマニュアル」について
★両立支援コーディネーターマニュアルはこちら
https://www.johas.go.jp/ryoritsumodel/tabid/1047/Default.aspx
★両立支援コーディネーターについて知りたい方はこちら
https://www.research.johas.go.jp/ryoritsucoo/
▼「病職歴データベースを活用した研究」について
https://www.research.johas.go.jp/bs/
労働者健康安全機構では、労災病院治療就労両立支援センターをはじめとした医療機関の取組状況、産業保健スタッフや人事労務担当者等事業場の取組状況及び国の行政施策等を踏まえて、今後の治療と仕事の両立支援のあり方の検討を行うことを目的として、「勤労者医療フォーラム」を開催しております。当フォーラムに、治療に携わる医療関係者、産業医等の産業保健スタッフ、職場関係者及び患者さんご本人又はそのご家族の方など、多くの方々にご参加いただいております。
がんの両立支援に関する当フォーラムは毎年度開催しており、昨年度は令和5年9月30日(土)に開催し、多くの方にご参加いただきました。
今年度も当フォーラムを開催していくこととしておりますので、ぜひご参加ください。
過去のフォーラムの開催概要については、ホームページにて公開しておりますので、労災疾病等医学研究普及サイトをご覧ください。
https://www.research.johas.go.jp/kinrouforum/forumA.html
「さんぽセンターWebひろば」をリニューアルしました
https://www.johas.go.jp/Portals/0/sanpocenter/webhiroba.html
「治療と仕事の両立支援」の特設ページをリニューアルしました
https://www.ryoritsushien.johas.go.jp/blackjack/
<厚生労働省情報>
化学物質による労働災害防止のための新たな規制について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000099121_00005.html
転倒予防・腰痛予防の取組について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000111055.html
令和6年「STOP!熱中症クールワークキャンペーン」実施について
▼令和6年「STOP!熱中症クールワークキャンペーン」実施要綱
https://www.mhlw.go.jp/content/11303000/001214533.pdf
▼令和5年 職場における熱中症による死傷災害の発生状況(令和6年1月11日時点速報値)
https://www.mhlw.go.jp/content/11303000/001214534.pdf
令和6年度における建設業の安全衛生対策の推進について
建設業関係の事業者におかれましては、留意事項に基づく安全衛生対策に努めていただきますようお願いします。
https://www.mhlw.go.jp/content/11300000/001240247.pdf
令和6年度における林業の安全対策の推進について
林業関係の事業者におかれましては、留意事項に基づく安全対策に努めていただきますようお願いします。
https://kagoshimas.johas.go.jp/information/r6_ringyouanzentaisaku
令和6年度「全国安全週間」を実施します
厚生労働省では、7月1日(月)から7日(日)までを「全国安全週間」、6月1日(土)から30日(日)までを準備期間として実施します。また、令和6年度のスローガンは、「危険に気付くあなたの目 そして摘み取る危険の芽 みんなで築く職場の安全」に決定しています。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_39684.html
<鹿児島労働局情報>
鹿児島県内の労働災害発生状況
○令和5年発生分(12月末速報)
◯令和6年発生分(3月末)
https://jsite.mhlw.go.jp/kagoshima-roudoukyoku/jirei_toukei/toukei/saigaitoukei_jirei.html
最新の業種別労働災害発生状況
⇒「令和5年における業種別労働災害発生状況」または「令和6年における業種別労働災害発生状況」をクリック
< 情報提供 >
高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)からのご案内
~事業主が採用後に障害を把握した発達障害者の就労継続事例等に関する調査研究~
高齢・障害・求職者雇用支援機構においては、採用後に発達障害が把握された従業員に関する調査結果とともに、10企業の取組を事例として紹介した「事業主が採用後に障害を把握した発達障害者の就労継続事例等に関する調査研究」の報告書を3月末に公表しました。ホームページからダウンロード(※)できますので、御活用ください。
※https://www.nivr.jeed.go.jp/research/report/houkoku/houkoku173.html
所長コラム
たつき・かせぎ・なりわい・しのぎ・はたらき・つとめ・などの和語に加えて漢字では「業」「職」「仕」「働」「労」「務」それらの熟語として「職業」「仕事」「労働」「任務」等々。直接間接を問わず生産活動に関わる表現は多種多様である。言霊の国と言われる我が国では場面や状況によって使い分けるのみでなく意味合いも若干異なる。日本の法令上は「労働」が使用されるが日常では「はたらき」や「仕事」が多く「労働者」という語よりも「働く人」が使われる。両者の含意するところには違いがある証左であろう。現今行なわれている施策も「労働改革」ではなく「働き方改革」である。
人が動くと書いて「働」。その「働き方改革」も超残規制や業務内容見直しに焦点が当てられている。「はたらく」目的が「健康で文化的な生活」に裨益する価値生産にあるとするならば何をもって価値と見なすか。価値観が多様化した現代社会では意義ある生産活動か否かの判断も各人に委ねられる。能力や適性さらには価値観に応じて個々人が「働く」「務めを為す」というような社会は理想であるが、そのために何が必要か何を為すべきか「働き方改革」の究極の目的はそこにあろう。普遍的対処法を構築することは容易ではく不可能とも思えるが、懊悩するのではなく眼前の個々の課題に向き合う中で道筋が見えるのだと信じ微力を尽くすのみ。とはいえ焦慮の念は禁じ得ない。幾ばくかの諦観とともに些少ながらも希望を保持したいものだ。「乱れた糸を解すに急ぐなかれ」という先人の言葉を肝に銘じて。