メールレター 第256号
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≪「さんぽ鹿児島」メールレター≫ 第256号(2024.7)
発行:鹿児島産業保健総合支援センター
所長 草野 健
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相談員からのメッセージ
集団での意思決定とリスキーシフト
産業保健相談員 岡村 俊彦
(担当分野:労働衛生工学)
「赤信号,みんなで渡れば怖くない」
赤信号で渡るのは危険だ,と誰もが知っているはずなのに,なぜ怖くないのでしょうか?ここには「同調圧力」と「リスキーシフト」という人間心理が隠されています。「同調圧力」は最近よく聞かれる言葉ですが,個人や少数派が多数派の意見に合わせることを(無言のうちに)強要されることをいいます。多数派の意見が間違っていると思っても,なかなか反対意見を表明しにくい,ということです。
一方,リスキーシフトとは少人数での意思決定より大人数での意思決定の方がハイリスクな傾向になりやすい心理のことをいい,「集団極性化」ともいいます。集団ではよりリスクの高い(過激な)意見が目立つという理由もありますが,結果に対する責任が分散されるという意識が働くことが大きな理由でしょう。ハイリスクハイリターンな決定をした場合,もしも望ましくない結果に終わっても,みんなで決めたのだから自分だけの責任ではなく,その結果はみんなで受け入れよう,となるのです。一般的に重要な意思決定は個人でやるよりも,集団でやることが多いでしょう。皆さんで知恵を出し合い,多面的な視点のもとに何かを決めるというのは大事なことです。しかし,そこで出された結論に対して,「私個人で決めても同じ結論になるだろうか」と少し考え直してみてください。考え直してみると集団で「赤信号を渡る」ことを決めている事に気づくかもしれません。
産業保健研修会のご案内(7~9月開催分 受付中!)
┏―[ 産業保健研修会の詳細・申込はこちらから ]―――――┓
https://kagoshimas.johas.go.jp/information/h2335
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当センター主催のセミナーのご案内(受付中!)
当センターでは産業保健研修会以外に、事業場向けのセミナーも開催しています。
ホームページにセミナーの専用ページを開設しておりますので、産業保健活動の取組みにお役立てください。
https://kagoshimas.johas.go.jp/information/seminar
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治療と仕事の両立支援【親子参加型】セミナーのご案内
『社会の仕組みを子どもと一緒に学ぼう!』 再掲
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日 時 | 令和6年7月20日(土)14時~16時 |
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会 場 | Li-ka1920 5階 貸会議室B |
対象者 | 小学5年生以上の子どもと働く親(雇用形態は問わず) |
内 容 |
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定 員 | 15組 |
申 込 方 法 |
メールフォーム https://ssl.formman.com/t/gFqY/ ※令和6年7月12日(金)までにお申し込みください。 |
お知らせ
<鹿児島産業保健総合支援センター>
産業保健に関するご質問・ご相談を受け付けています。
治療と仕事の両立支援対策やメンタルヘルス対策をはじめ、産業保健に関する様々なご質問・ご相談を受け付けています。(オンラインによる相談も可能です。)電話やFAX、ホームページからお気軽にご相談ください。
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/otoiawase
▼「さんぽセンターWebひろば」の専用ページ
https://www.johas.go.jp/Portals/0/sanpocenter/webhiroba.html
治療と仕事の両立支援について
治療と仕事の両立に関するお悩み等について、事業場関係者や産業保健スタッフ、がんなど反復・継続して治療が必要な患者(労働者)やその家族からの相談に、当センターのメンタルヘルス対策・両立支援促進員又は産業保健専門職(保健師)が相談に応じます。(オンラインによる相談も可能です。)
両立支援に関する相談、各種支援は無料です。
▼治療と仕事の両立支援(支援内容、相談窓口、申込フォームなど)
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/cat765
医療機関の両立支援(出張)相談窓口につきましては、事前予約の状況等により、窓口業務を中止する可能性がありますので、当センターのホームページで事前に確認いただきますようお願いいたします。
▼「治療と仕事の両立支援」の専用ページ
https://www.ryoritsushien.johas.go.jp/blackjack/
メンタルヘルス対策支援について
当センターのメンタルヘルス対策・両立支援促進員(産業カウンセラーや社会保険労務士など)が事業場に訪問し、職場のメンタルヘルス対策に関する取り組みを無料で支援します。
また、事業場訪問以外のご相談(対面・電話・メール・オンライン)にも対応いたします。オンラインによる研修も対応可能です。
▼メンタルへルス対策支援(支援内容、申込フォームなど)
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/mental
運動指導等支援について(新規支援事業)
健康で安心して働ける職場環境の形成を支援するという産業保健の観点から、運動指導等を通じた労働者の健康保持増進について取り組むため、産業保健相談員(健康運動指導士)による個別訪問支援等を実施しています。事業場が行う健康教育等において、是非、ご活用ください。
▼運動指導等支援(支援内容、申込フォーム)
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/undou
地域産業保健センター(地域窓口)について
各地域産業保健センターでは、労働者数50人未満の小規模事業場の事業主や労働者を対象に、健康診断結果の意見聴取、健康相談、長時間労働者や高ストレス者に対する面接指導、保健指導等の産業保健サービスを無料で行っています。
▼地域産業保健センターについて
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/cat638
<労働者健康安全機構情報>
労災疾病等医学研究普及サイトのご案内
労働者健康安全機構では、労働災害の発生状況や行政のニーズを踏まえ、労災補償政策上重要なテーマや新たな政策課題について、時宜に応じた研究に取り組んでいます。
▼労災疾病等医学研究普及サイト
https://www.research.johas.go.jp/index.html
▼「生活習慣病」について
https://www.research.johas.go.jp/seikatsu2018/index.html
▼「メンタルヘルス」について
https://www.research.johas.go.jp/mental2018/index.html
▼「アスベスト」について
https://www.research.johas.go.jp/asbesto2018/
▼「治療と仕事の両立支援コーディネーターマニュアル」について
★両立支援コーディネーターマニュアルはこちら
https://www.johas.go.jp/ryoritsumodel/tabid/1047/Default.aspx
★両立支援コーディネーターについて知りたい方はこちら
https://www.research.johas.go.jp/ryoritsucoo/
▼「病職歴データベースを活用した研究」について
https://www.research.johas.go.jp/bs/
「脊柱靭帯骨化症」について
脊柱靭帯骨化症は、脊柱管内の靭帯(後縦靭帯・黄色靭帯)が骨化することで脊柱可動域が低下したり、脊髄が圧迫されることにより四肢麻痺などの神経障害を起こす疾患で、特定難病に指定されています。予防的治療法や治療薬剤はなく、脊髄圧迫症状を生じた症例には手術が行われますが、術後に後遺症を残すことが少なくありません。手術対象者としては勤労世代である中高年が多く、治療成績は術後のADLや復職状況に大きく影響します。
当機構では、脊柱靭帯骨化症に対する手術治療成績の調査、合併症の少ない最適な手術方法の確立、動物モデルによる治療薬探索などを目的とした以下の3つの研究課題を設定し、令和5年度から開始しています。
(1) 勤労世代に多い、脊柱靭帯骨化症に対する手術の後ろ向き調査
(2) 勤労世代に多い、頚椎後縦靭帯骨化症に対する手術の前向き調査
(3) 脊柱靭帯骨化症疾患感受性遺伝子に着目した基礎実験研究
50歳代前後の壮年期に発症することが多い脊柱靭帯骨化症に対する手術成績が向上し予防的治療が確立すれば、勤労者医療に大きく貢献するものと考えています。
本研究の詳細については、「労災疾病等医学研究普及サイト」をご覧ください。
https://www.research.johas.go.jp/sekichu2023/index.html
団体経由産業保健活動推進助成金のご案内
団体経由産業保健活動推進助成金は、事業主団体等を通じて、中小企業等の産業保健活動の支援を行う助成金です。
事業主団体等が傘下の中小企業等に対して、医師等による健康診断結果の意見聴取やストレスチェック後の職場環境改善支援等の産業保健サービスを提供する費用・事務の一部を委託する費用の総額の90%(上限500万円(一定の要件を満たした団体(構成事業主が50以上であること等)は1,000万円))を助成します。
※1団体につき年度ごとに1回限りです
令和6年度の助成金支給の流れは、以下のとおりです。
※原則、先着順で受付します。
※実施計画提出の期日前であっても、予算の上限に達する等の場合は、受付を停止します。
【実施計画提出(交付申請)】
〆切:令和6年12月27日(金) 必着
【計画承認】
実施計画の受付後、原則30日以内
【助成対象】
計画を承認された期間(最長で令和7年2月21日まで)において、提供されたサービスの費用+事務費の総額の90%(上限あり)
【助成金の支給申請】
計画を承認された期間の最終日から起算し、30日後の日又は令和7年2月28日のうち、いずれか早い日まで 必着
【助成金の支給】
令和7年3月31日まで
詳細については、こちらからご確認ください。
▼団体経由産業保健活動推進助成金について
https://www.johas.go.jp/sangyouhoken/tabid/1251/default.aspx
▼リーフレット
https://www.johas.go.jp/Portals/0/data0/sanpo/sanpojoseikin/R6/org_josei_leaflet_R6.pdf
<厚生労働省情報>
化学物質による労働災害防止のための新たな規制について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000099121_00005.html
転倒予防・腰痛予防の取組について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000111055.html
令和6年「STOP!熱中症クールワークキャンペーン」実施について(再掲)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000116133.html
▼職場における熱中症ポータルサイト
https://neccyusho.mhlw.go.jp/
<鹿児島労働局情報>
鹿児島県内の労働災害発生状況
◯令和6年発生分(5月末)
https://jsite.mhlw.go.jp/kagoshima-roudoukyoku/jirei_toukei/toukei/saigaitoukei_jirei.html
最新の業種別労働災害発生状況
⇒「令和6年における業種別労働災害発生状況」をクリック
所長コラム
太陽フレアが活発になり低緯度地区でもオーロラが観測されるなど地球自然の変動も加速しているようだ。地球数十億年の歴史から見れば微変動に過ぎないかもしれないが、人類にとっては大きな災厄にもなる。「地球沸騰化」も人為的影響に少なくないとはいえ地球自然にとっては通常変化の誤差範囲か。それでも熱中症対策の重要度は増す一方。地球にとっては僅かな変化でも人類社会では各地で戦闘・紛争が絶えず政治も不安定さを増し資本主義的経済システムは既に破綻しているような状況と見える。
激しく変動する経済状況下では政府からの産業保健施策も頻出されることになる。それらの多くは国会審議の必要な法改正ではなく省令や通達・指針として今年になってからでも厚労省からも相次いで発出されている。個人的に厄介(?)と感じるのは、多くの産業医は臨床医であり診療活動に多忙であり法令には精通していないと思われることである。医療と行政では使われる用語は異なることが多く同じ言葉でもその含意するところが異なることが少なくない。
本年5月末に発出された個人事業主等に対する健康管理のガイドラインに関しても昨年末から反復されて本年5月に第3次が答申された健康診断項目の検討会報告も、産業医がどう具体的に関わるか少なくとも能動的に関与する方法は分かり難い。産業保健現場で活動する医師から見れば曖昧さも残る。
多様化複雑化している産業現場では一律的な施策が普遍的有効性を持つことはない。産業保健活動でも個別性・特殊性に対応することこそが必要である。