メールレター 第250号
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≪「さんぽ鹿児島」メールレター≫ 第250号(2024.1)
発行:鹿児島産業保健総合支援センター
所長 草野 健
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旧年中は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます
本年も何卒よろしくお願い申し上げます
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相談員からのメッセージ
「発達障害」の定義は過渡期にある
産業保健相談員 赤崎 安昭
(鹿児島大学医学部保健学科・大学院保健学研究科 教授)
(担当分野:メンタルヘルス)
- 「発達障害」とは,自閉症,アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害,学習障害,注意欠陥多動性障害,その他これに類する脳機能の障害であって,その症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるものをいう。
- この法律において「発達障害者」とは,発達障害がある者であって発達障害及び社会的障害により日常生活又は社会生活に制限を受けるものをいい,「発達障害児」とは,発達障害者のうち一八歳未満のものをいう。
- この法律において「社会的障壁」とは,発達障害がある者にとって,日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物,制度,慣行,観念その他一切のものをいう。
発達障害者支援法には上記のように記載されています。その他,「大学および高等専門学校における教育上の配慮」など成人期の支援に関する項目が大幅に追加されています(内山登紀夫)。一方,米国精神医学会が2013年に発刊したDSM-5,WHOが2018年に公開したICD-11では,「発達障害」を「神経発達障害」と定義したことから,定義は過渡期にあるといえます。ですから,メディアでも取り上げられている「発達障害」という呼称は医療から逸脱した用語となりつつあり,一部,混乱を招いているのではないでしょうか。本邦でICD-11が正式に公表されて,診断書にICD-11に準じて病名を記載することが義務づけられる日が来ると上記の新しい用語が社会的も定着することでしょう。したがいまして,「支援」と「理解」という観点からは,当面は「発達障害」としておくほうが理解しやすいのではないでしょうか。このことに関連することは,今年度内に鹿児島産業保健総合支援センターの研修会においてお話をする予定です。
産業保健研修会・セミナーのご案内(1月~3月開催分 受付中!)
┏―[ 産業保健研修会の詳細・申込はこちらから ]―――┓
https://kagoshimas.johas.go.jp/information/h2335
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【 腰痛・肩こり予防対策セミナー 】のご案内( 再掲 )
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※今回のセミナーは日医認定産業医の単位取得はできません。産業医の皆様におかれましては、予めご了承ください。
日 時 | 令和6年1月30日(火)14時00分~16時00分 |
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会 場 | 鹿児島県医師会館 中ホール2(鹿児島市中央町8-1) |
対象者 | 事業者・安全衛生担当者など |
内 容 |
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定 員 | 30名(先着順) |
申込方法 | メールフォーム https://ssl.formman.com/t/gFqY/ ※令和6年1月22日(月)までにお申し込みください。 |
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【 働く人のメンタルヘルス対策支援セミナー 】のご案内( 再掲 )
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※今回のセミナーは日医認定産業医の単位取得はできません。産業医の皆様におかれましては、予めご了承ください。
日 時 | 令和6年2月2日(金)14時00分~16時00分 |
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会 場 | マリンパレスかごしま(鹿児島市与次郎2-8-8) |
対象者 | 事業者・安全衛生担当者など |
内 容 |
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定 員 | 30名(先着順) |
申込方法 | メールフォーム https://ssl.formman.com/t/iMaT/ ※令和6年1月29日(月)までにお申し込みください。 |
【当センター主催のセミナーに関するご案内】
当センターでは産業保健研修会以外に、事業場向けのセミナーも開催しています。
ホームページにセミナーの専用ページを開設しておりますので、産業保健活動の取組みにお役立てください。
https://kagoshimas.johas.go.jp/information/seminar
お知らせ
<鹿児島産業保健総合支援センター>
産業保健に関するご質問・ご相談を受け付けています。
治療と仕事の両立支援対策やメンタルヘルス対策をはじめ、産業保健に関する様々なご質問・ご相談を受け付けています。(オンラインによる相談も可能です。)電話やFAX、ホームページからお気軽にご相談ください。
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/otoiawase
治療と仕事の両立支援について
治療と仕事の両立に関するお悩み等について、事業場関係者や産業保健スタッフ、がんなど反復・継続して治療が必要な患者(労働者)やその家族からの相談に、当センターの両立支援促進員又は産業保健専門職(保健師)が相談に応じます。(オンラインによる相談も可能です。)
両立支援に関する相談、各種支援は無料です。
▼治療と仕事の両立支援(支援内容、相談窓口、申込フォームなど)
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/cat765
医療機関の両立支援(出張)相談窓口につきましては、、事前予約の状況等により、窓口業務を中止する可能性がありますので、当センターのホームページで事前に確認いただきますようお願いいたします。
メンタルヘルス対策支援について
当センターのメンタルヘルス対策促進員(産業カウンセラーや社会保険労務士など)が事業場に訪問し、職場のメンタルヘルス対策に関する取り組みを無料で支援します。
また、事業場訪問以外のご相談(対面・電話・メール・オンライン)にも対応いたします。オンラインによる研修も対応可能です。
▼メンタルへルス対策支援(支援内容、申込フォームなど)
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/mental
運動指導等支援について(新規支援事業)
健康で安心して働ける職場環境の形成を支援するという産業保健の観点から、運動指導等を通じた労働者の健康保持増進について取り組むため、産業保健相談員(健康運動指導士)による個別訪問支援等を実施しています。事業場が行う健康教育等において、是非、ご活用ください。
▼運動指導等支援(支援内容、申込フォーム)
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/undou
地域産業保健センター(地域窓口)について
各地域産業保健センターでは、労働者数50人未満の小規模事業場の事業主や労働者を対象に、健康診断結果の意見聴取、健康相談、長時間労働者や高ストレス者に対する面接指導、保健指導等の産業保健サービスを無料で行っています。
▼地域産業保健センターについて
https://kagoshimas.johas.go.jp/about/about_category/cat638
<労働者健康安全機構情報>
労災疾病等医学研究普及サイトのご案内
労働者健康安全機構では、労働災害の発生状況や行政のニーズを踏まえ、労災補償政策上重要なテーマや新たな政策課題について、時宜に応じた研究に取り組んでいます。
▼労災疾病等医学研究普及サイト
https://www.research.johas.go.jp/index.html
▼「生活習慣病」について
https://www.research.johas.go.jp/seikatsu2018/index.html
▼「メンタルヘルス」について
https://www.research.johas.go.jp/mental2018/index.html
▼「アスベスト」について
https://www.research.johas.go.jp/asbesto2018/
▼「治療と仕事の両立支援コーディネーターマニュアル」について
★両立支援コーディネーターマニュアルはこちら
https://www.johas.go.jp/ryoritsumodel/tabid/1047/Default.aspx
★両立支援コーディネーターについて知りたい方はこちら
https://www.research.johas.go.jp/ryoritsucoo/
<厚生労働省情報>
化学物質による労働災害防止のための新たな規制について(再掲)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000099121_00005.html
転倒予防・腰痛予防の取組について(再掲)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000111055.html
<鹿児島労働局情報>
鹿児島県内の労働災害発生状況
○令和5年発生分(11月末速報)
https://jsite.mhlw.go.jp/kagoshima-roudoukyoku/jirei_toukei/toukei/saigaitoukei_jirei.html
最新の業種別労働災害発生状況
⇒「令和5年における業種別労働災害発生状況」をクリック
新型コロナウイルス感染症の罹患後症状(いわゆる後遺症)に悩む方の治療と仕事の両立に向けた取組
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)にかかった後、ほとんどの方は時間経過とともに症状が改善しているとされていますが、いまだ不明な点が多いものの、一部の方で長引く症状(罹患後症状,いわゆる後遺症)があることがわかってきています。
厚生労働省では、下記の「参考」のとおり、厚生労働省ホームページで罹患後症状の情報発信を行うなど、罹患後症状に関する理解の促進に取り組んでいるところですが、治療と仕事の両立支援等の観点を含め、職場における罹患後症状に関する理解の一層の促進を図るため、別添のとおりリーフレットを作成しました。
(参考)厚生労働省ホームページ
「新型コロナウイルス感染症の罹患後症状(いわゆる後遺症)について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00402.html
< 情報提供 >
高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)からのご案内
~情報共有シート活用の手引~
高齢・障害・求職者雇用支援機構においては、障害のある従業員が自分の状況を見える化し関係者と共有することにより、適切なセルフケアやラインケア、外部の専門的なケアにつなげるための「情報共有シート」及びその「活用の手引」を作成しており、ホームページ(※)からダウンロードできますので、御活用ください。
※ https://www.nivr.jeed.go.jp/research/kyouzai/kyouzai60.html
編集後記
謹賀新年。皆様はどのように新しい年を迎えられたでしょうか。
気候変動が状態化し至るところで戦火が絶えず、政治状況も不安定化(劣化?)し経済動向も統御できない状況となっても時間は過ぎ行き新しい年を迎えました。「歳月人を待たず」や「光陰矢の如し」などの先人の言葉が一段と身に染みる昨今です。
2023年もコロナ終息の見えない中でCOVID-19が5類指定となり、自粛要請が終わっても産業保健活動には様々な制約が残ったまま。その一方で政府からは各種の法令改定や指針が相次いで発出されている。経済動向に産業保健活動は大きく影響されるが、その経済は社会の在り様に左右される。世界各地で戦火・紛争が絶えず政治状況も不安定であり、あらゆる分断化も進行し我が国でも各種各界での格差が拡大。非正規労働者の増加や貧困層の増大等、産業保健活動も困難さが増すことが予想される。さらにコロナだけでなく各種の感染症も猛威を振るいそうな気配に加え、世界各地で火山爆発や地震も相次いでいる。目の前の働く人の健康状態を観察するだけでは産業保健の目的の達成は覚束ない状況が激化している。眼前の弥縫策だけでなく、もっと社会全体に視野を拡げた産業保健活動がより要請される事態と言える。21世紀も24年目となった本年、憲法25条に謳われる「健康で文化的な生活」実現に向けて僅かであっても前進する年になることを祈念している。
私も当センター所長を拝命して十年目を迎える。一つの節目として年頭の思いを強くしている。