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令和6年バックナンバー

「働く人」のライフサイクルとメンタルヘルス不調

鹿児島産業保健総合支援センター産業保健相談員
長友 医継
(医療法人 玉水会病院)
(担当分野:メンタルヘルス)

私たちは生涯を通じてメンタルヘルス不調を来たす危険性があります。メンタルヘルスに関する疾患には、遺伝が強く影響しているものもありますが、人生の中での種々のイベントが原因や誘因になっているものもあります。

今回の「産業保健」では、「働く人」の生涯におけるメンタルヘルス不調を俯瞰してみたいと思います。以下、「働く人」の生涯を、便宜的に青年期、壮年(中年)期、初老期に分けましたが、無論、どの時期でも発症する疾患もあります。

  1. 青年期
    青年期は独立を望み、そして社会生活に適応できるかが試される時期です。生物学的には発達のピークですが、社会的には今だ未発達であり、ギャップが生じやすい時期でもあります。また、30歳代は、仕事などに関して「自分が本当に望んだ選択であったか」自問自答する時期です。「自己選択が正しい」と再肯定し順調に人生を歩んでいく人がいる一方で、自己の選択を否定し、不安や抑うつなどが見られる「働く人」もいます。

    この時期で問題になるメンタルヘルス不調としては、パーソナリティ障害、発達障害、社交(社会)不安障害、統合失調症などがあげられます。

  2. 壮年(中年)期
    この時期は、精神的にも経済的にも安定して人生の中では最も充実した時期です。Jungは「人生を一日とすれば、中年期は人生の正午」と表現しています。このことは、活動的である中年期を過ぎた後は徐々に衰退していくことも示唆しています。

    一方、Newgardenは、中年期で「時間的観測の仕方」が変化することを指摘しています。即ち、中年期を迎えるまでは、「生まれてからどれくらいたったか」と捉えていたのが、中年期以降は「死ぬまでに後どれくらいか」という捉え方に変わります。

    この時期でみられるメンタルヘルス不調としては、うつ病、適応障害、そして女性における更年期障害があげられます。

  3. 初老期
    会社への忠誠心と仕事への責任感が強く一体感を持って働いてきた「働く人」ですが、この時期になると、自分の限界に気づき気持ちが揺らぐ体験をします。

    会社での競争は終盤に入り、「働く人」は能力別に階層化され、それぞれの利得の差がでてきます。なかには、目標がなくなり、停滞感、行き詰まり感で逡巡したり、人生を逆算して焦りを感じ、「自分にとって仕事とは何であったか」を問い始める人もでてきます。

    転職、出向、定年が具体化し、過去の仕事の総点検を通して自分の見直しと新しい生き方の模索が始まります。そして、心のよりどころの職場、地位、役割、誇りを失うことを予想をし、悲哀に対面したり、抑圧したりする人もでてきます。

    この時期は、壮年期で取り上げたうつ病や適応障害も発症しやすいですが、その他には若年性認知症があげられます。

傷病手当金支給は、生産年齢人口では、「精神及び行動の障害」が大きな割合を占めています(全国健康保険協会)。このように私たちが就労している期間は何らかのメンタルヘルス不調をきたし易い環境下にあると言っても過言ではないでしょう。「働く人」個人もそして事業主も、「働く人」のストレスの軽減を積極的に図る努力が必要です。

鹿児島労基 令和6年9月号掲載

鹿児島の労働市場戦略は健康経営と子育て支援で

鹿児島産業保健総合支援センター産業保健相談員
德永 龍子
(鹿児島純心大学名誉教授)
(担当分野:保健指導)

日本は少子化、多死で急激な人口減が加速している。急速な人口減は、社会や経済の活力を奪い、労働市場、行政機能や地域の維持も難しくする。地方都市は深刻な人手不足となっている。

大都市圏での給与が上昇すると、地方からの人口流失は加速する。地方も大都市圏・大企業に負けない給与上昇をとのかけ声もあるが、実現は容易ではない。

ならば、地方は給与の額ではなく、実質的な暮らし易さをアピールする国土交通省「経済的豊かさ」を戦略として考えてみる。豊かさの上位10県は、三重県、富山県、山形県、茨城県、福井県、徳島県、新潟県、鳥取県、岐阜県、岡山県の順である。上位県は、子育て支援、教育、健康増進に力を入れ共働き世帯割合が高く世帯所得が高い。それに比べ社会保険料や税金が中下程度、食料、家賃、光熱水費及び通勤費用は中程度の県が多い。東京都は、給与が高いが生活コストも高く経済的豊かさは最下位である。

鹿児島県は、共働き世帯割合が平均以下で全世帯所得は43位と低い。一方、社会保険料や税金、食料、家賃、光熱水費及び通勤費用共に低いため経済的豊かさは30位と上がる。鹿児島県が今後経済的豊かさを増すには、子育て支援、教育、健康増進を強化して共働き世帯増により世帯所得を増やして、生活コストが低い強みを活かせば経済的豊かさが手に入る。

第1のポイントは、従業員の健康増進を経営的観点から考え戦略的に実践する「健康経営」から。現在、「健康経営」に取り組んでいる企業従業員数は、日本全体の約15%まで拡大してきた。経済産業省では、3月大企業2,988社、中小企業16,733社を「健康経営優良法人2024」に認定した。その手法は、社長を含む経営会議等で経営として改善を継続する仕組みをつくり、従業員の理解を得て実施している。実施企業では、働き方改革とDXで労働時間を減らし、良質な睡眠の確保などで労働者の健康増進や食事改善や運動等企業なりの工夫がある。その成果は、従業員の人材定着率や生産性が高く、高ストレス者割合が低く、長く生き生きと働ける人が増え労働力不足を補い、企業価値の向上につながっている。厚生労働省は2024年度に、社員の健康増進を図る中小企業に補助金給付を新設する。利活用を図られたい。

第2のポイントは、子育てに優しい雇用・労働・社会慣行による超低出生率の転換である。若者は、「育休を取って子育てをしたい」との回答は男女とも60%で半数以上である(マイナビ24年卒学生調査)。政府の「こども未来戦略」では、2023年12月若年層の所得向上を掲げ、賃上げや処遇改善、能力開発、円滑な労働移動などに官民あげて取り組むとした。雇用では、いったん非正規になっても正規への転換をし易くし、正社員と非正規社員、男性と女性の賃金格差の是正努力が実現すれば若者の未来が開ける。子育てと労働の両立支援には、正社員の長時間労働が前提では育児休業や時短勤務制度を手厚くしてもキャリアとの両立は困難となる。また、社会慣行として女性に偏る家事・育児負担を減らすため厚生労働省は、従業員100人超の企業に男性の育児休業取得率(2022年度17.1%)の目標値設定と公表を義務付け、遠慮せず休める子育て支援体制を促す企業の意識改革と体制整備を促進する。さらに、2024年度から育休で休む同僚の仕事をする社員に手当を出す中小企業への助成額が拡大される。2021年調査では家事や育児を夫が平日に4時間以上すると、妻が出産後も同じ仕事を続けている割合が8割に達した。(厚生労働省調査) 一方、2024年の鹿児島県の男女平等度は40位、共働き日本1の福井県はこちらも1位である。女性も高齢でも働ける環境整備は、少子化、人口減及び人手不足対策にもなる。変革の視点と、求人、転職と企業とのマッチングによる住みやすい環境づくりは、社会や経済や地域の維持に繋がる。

第3のポイントは、少子化・人口減対策の財源確保問題に国民が向き合うこと。老若男女国民全体が働き納税するのが当たり前の政府運営になれば、子育て支援国民一人当たり1万2千円~2万円程度の負担増に留まる。安定的な財源を確保する努力を怠ると、現状でも著しく高い国債残高の国内総生産(GDP)比はさらに高まる。今後大規模な自然災害が起きた時など真の財政政策が必要な局面で、財政政策が発動できない可能性がある。置かれた環境の中でのポジティブ思考、行動、根気、粘り強さで人生をコントロールする。楽観的に挑戦し成果を出す総合的な対策に向けて議論を深める事ができる時だ。
(中央公論3月号白川方明氏、週刊エコノミスト2月6日号松浦司氏参考)

鹿児島労基 令和6年7月号掲載

「5月病対策としてのセルフケアとラインケア」

鹿児島産業保健総合支援センター産業保健相談員
春日井 基文
(担当分野:メンタルヘルス)

1.5月病とは

5月病は入社や配置転換,転勤,転職などの新しい環境や仕事,人間関係の変化などのストレスによる疲労を抑え込んで無理をして頑張り続けていたところに,ゴールデンウィークと呼ばれる大型連休で気が緩み,抑え込んでいた疲労がメンタルヘルス不調の症状として表に出てきた状態です。症状としては「眠れない」「だるい」「疲れやすい」「頭痛がする」「食欲がない」「やる気が出ない」「気分が落ち込む」「興味がわかない」「不安や焦りを感じる」などがあります。また,完璧主義,真面目,責任感が強い,凝り性,他者配慮を重視する人が疲労を抑え込んで頑張り続けることが多いため,5月病になりやすいと言われています。5月病は正式な医学用語ではありません。もし,仕事や生活に支障が生じるような症状が一定期間続くと医学的に「適応障害」や「うつ病」と診断されて治療が必要となることがあります。今回は,5月病対策としてのセルフケアとラインケアをご紹介します。

2.5月病対策としてのセルフケア

5月病対策としてのセルフケアでは,新しい環境や仕事,人間関係の変化に伴うストレスに向き合うことが5月病対策の第1歩となります。その上で,不安や悩みを1人で抱え込んで無理を続けるのではなく,上司や同僚に相談しながら新しい環境に自分を慣らしていき,ストレスと上手に付き合っていくことが大切です。ストレスに対しては休養したり,趣味を楽しんだり,ウォーキングや軽い運動などで体を動かしたり,友人とおしゃべりしたり,たくさん笑ったりすることが有効です。

また,セルフケアはストレスを感じたときだけではなく,ストレスで心身の不調が生じにくくなるための生活習慣を続けることも含まれます。規則正しい生活習慣やバランスのとれた食事,適度な運動などがありますが,とくに質の高い睡眠を十分に確保することが大切です。質の高い睡眠をとるためには,起床時間を一定にして起床時に日光を浴びること,適度な運動をすること,就寝の1~2時間前に40度ぐらいの温めのお風呂にゆっくりと入ること,寝酒はさけること,寝室でスマートフォンを使用しないことなどがあります。

3.5月病対策としてのラインケア

5月病対策として管理監督者である上司によるラインケアは重要です。上司は日頃から部下に関心を持って接し,いつもの行動様式や人間関係の持ち方について知っておくことや日常的に部下からの自発的な相談に対応するように努める必要があります。そして,新しい環境になって1か月程経過した時期はメンタルヘルス不調に陥りやすい時期であることに注意しながら,部下と接することが大切です。もし,表情に活気がなかったり,挨拶や会話をしなくなったり,ミスや仕事の能率が低下したり,遅刻・早退・欠勤が増えたりするなど「いつもと違う」部下に気付いたら積極的に声を掛け,じっくりと話を聞いて,必要に応じて産業保健スタッフの支援を受けられるように手配することが求められます。

4.最後に

5月病対策としてのセルフケアとラインケアをご紹介しました。もし,5月病の症状が続いたり,悪化したりする場合は医療機関を受診することをお勧めします。

鹿児島労基 令和6年5月号掲載

「国民健康づくり計画「健康日本21(第3次)」について

鹿児島産業保健総合支援センター産業保健相談員
前田 雅人
(担当分野:産業医学)

令和5年5月31日に厚生労働省は令和6(2024)年度から令和 17(2035)年度までの 12 年間の国民健康づくり計画「健康日本21(第3次)」について、4つの基本的な方向として、1.健康寿命の延伸と健康格差の縮小、2.個人の行動と健康状態の改善、3.社会環境の質の向上、4.ライフコースアプローチ(胎児期から高齢期に至るまでの人の生涯を経時的に捉える)を踏まえた健康づくりを掲げた。そして令和元年度に対する令和14年度の具体的な数値目標を公表した。主なものは以下の通りである。1)BMI18.5以上25未満(65歳以上はBMI20以上25未満)の者の割合を60.3%から66%に増やす、2)野菜摂取量(1日当たり)を281gから350gに増やす、3)果物摂取量(1日当たり)を99gから200gに増やす、4)食塩摂取量(1日当たり)を10.1gから7gに減らす、5)1日の歩数の平均値を6,278歩(20~64歳:男性7,864歩、女性6,685歩、65歳以上:男性5,396歩、女性4,656歩)から7,100歩(20~64歳:男性8,000歩、女性8,000歩、65歳以上:男性6,000歩、女性6,000歩)に増やす、6)運動習慣者(1回30分以上の運動を週2回以上実施し、1年以上継続している者)の割合を28.7%(20~64歳:男性23.5%、女性16.9% 65歳以上:男性41.9%、女性33.9%)から40%(20~64歳:男性30%、女性30% 65歳以上:男性50%、女性50%)に増やす、7)睡眠時間が十分に確保できる者(6~9時間、60歳以上は6~8時間)を54.5%(20~59歳53.2%、60歳以上55.8%)から60%(20~59歳60%、60歳以上60%)に増やす、8)喫煙率の減少(喫煙をやめたい者がやめる)(20歳以上の者の喫煙率16.7%から12%に減らす)、9)がんの年齢調整罹患率の減少、がんの年齢調整死亡率の減少、がん検診の受診率の向上、10)メタボリックシンドロームの該当者及び予備群の人数を約1,516万人から減らす、11)ロコモティブシンドロームの減少として、足腰に痛みのある人数(65歳以上、人口千人当たり)を232人から210人に減らす、といった多岐にわたる目標が立てられている。今後目標値に達成するため、様々な取り組みがなされると思うので、ぜひ国の施策を皆さんにご理解いただきたい。

そもそも「健康日本21」とは、1.壮年期死亡の減少、2.健康寿命を延伸、3.生活の質の向上を目指し、平成12(2000)年度から平成24(2012)年度まで、9分野(栄養・食生活、身体活動・運動、休養・こころの健康づくり、たばこ、アルコール、歯の健康、糖尿病、循環器病、がん)に具体的な数値目標を掲げ、取り組んだものである。

「健康日本21(第2次)」(平成25(2013)年度から令和4(2022)年度まで)では、目標値に8項目が達しており、具体的には、1)健康寿命の延伸(日常生活に制限のない期間の平均の延伸)(男性70.42年⇒72.68年、女性73.62年⇒75.38年)、2)75歳未満のがんの年齢調整死亡率の減少(10万人当たり)(84.3⇒70.0)、3)脳血管疾患・虚血性心疾患の年齢調整死亡率の減少(10万人当たり)(脳血管疾患:男性49.5⇒33.2、女性26.9⇒18.0 虚血性心疾患:男性37.0⇒27.8、女性15.3⇒9.3)、4)血糖コントロール指標におけるコントロール不良者(HbA1cがJDS値8.0%(NGSP値 8.4%)以上の者)の割合の減少(1.2%⇒0.94%)、5)小児人口10万人当たりの小児科医・児童精神科医の割合の増加(小児科医94.4⇒112.4、児童精神科医10.5⇒17.3)、6)認知症サポーター数の増加(330万人⇒1264万人)、7)低栄養傾向(BMI20以下)の高齢者の割合の増加の抑制(17.4%⇒16.8%)、8)共食の増加(食事を1人で食べる子どもの割合の減少)(小学生の朝食15.3%⇒12.1%、中学生の朝食33.7%⇒28.8%、小学生の夕食2.2%⇒1.6%、中学生の夕食6.0%⇒4.3%)、などに成果がみられた。

3年以上にわたるコロナ禍にあって、多くの人々の行動制限がなされていたが、活動範囲が広がりつつある今、個人はもとより、自治体、大学、企業や民間団体などが協力し、連携しあい、より効果的な健康づくり施策「健康日本21(第3次)」が展開できればと願う。

鹿児島労基 令和6年3月号掲載

職場とハラスメント

鹿児島産業保健総合支援センター産業保健相談員
長友 医継
(医療法人 玉水会病院)
(担当分野:メンタルヘルス)

 2020(令和2)年6月から改正労働施策総合推進法が施行され、2022(令和4)年4月からはパワーハラスメント(パワハラ)防止措置が中小企業でも義務化されました。これで、3大ハラスメントといわれるパワハラ、セクシャルハラスメント、マタニティハラスメントの全てで対策をとることが義務化されたことになります。なお、法令や国の指針などでは、マタニティハラスメント、パタニティハラスメント、ケアハラスメントの3つを「職場における妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント」と総称しています。

そして、職場におけるハラスメントの防止のために、法及び指針で事業主や「働く人」に対して、主に以下の事項について努めることとする責務規定が定められました。

1.事業主の責務
(1)職場におけるハラスメントを行ってはならないこと、職場におけるハラスメントに起因する問題に対する自社の「働く人」の関心と理解を深めること
(2)自社の「働く人」が取引先などの他の事業主が雇用する「働く人」や求職者も含めた他の「働く人」に対する言動に必要な注意を払うよう、研修その他の必要な配慮をすること
(3)事業主自身(法人の場合はその役員)が、ハラスメント問題に関する理解と関心を深め、「働く人」に対する言動に必要な注意を払うこと

2.「働く人」の責務
(1) ハラスメント問題に関する理解と関心を深め、他の「働く人」に対する言動に必要な注意を払うこと
(2)事業主の講ずる雇用管理上の措置に協力すること

ハラスメントは過剰ストレスの一つですが、最近、仕事によるストレスが関係した精神障害に対する労災請求が増えてきており、その認定を迅速に行うことが求められています。精神障害の労災認定要件は以下のようです。

1.認定基準の対象となる精神障害を発病していること
2.認定基準の対象となる精神障害の発症前おむね6ヶ月の間に、業務による強い心理的負荷が認められること
3.業務以外の心理的負荷や個体側要因により発病したとは認められないこと

改正労働施策総合推進法によりパワハラの定義が法律上規定されたことなどを踏まえ、精神障害の労災認定基準に「パワハラ」が明示されました。そして上記の労災認定要件にある「心理的負荷」を評価する「業務による心理的負荷評価表」の「出来事の類型」には、事故や災害の体験、仕事の失敗・過重な責任の発生、仕事の量・質および役割・地位の変化等の4項目に加え、「パワハラ」と「対人関係」が追加されました。

「パワハラ」と「対人関係」の具体的な出来事やその強度などは以下のようです。

1.パワハラ
(1)具体的な出来事とその強度
・上司等から、身体的攻撃、精神的攻撃等のパワハラを受けた。
・強度Ⅲ

(2)心理的負荷の総合評価の基準
・指導・叱責等の言動に至る経緯や状況
・身体的攻撃、精神的攻撃等の内容、程度等
・反復・継続など執拗性の状況
・就業環境を害する程度
・会社の対応の有無及び内容、改善の状況

(3)心理的負荷の強度を「弱」「中」「強」と判断する具体例
・上司等による身体的攻撃、精神的攻撃等が「強」の程度に至らない場合、心理的負荷の総合評価の視点を踏まえて「弱」又は「中」と評価する。

2.対人関係
(1)具体的な出来事とその強度
・同僚等から、暴行又は(ひどい)いじめ・嫌がらせを受けた。
・強度Ⅲ

(2)心理的負荷の総合評価の基準
・暴行又はいじめ・嫌がらせの内容・程度等
・反復・継続など執拗性の状況
・会社の対応の有無及び内容、改善の状況

(3)心理的負荷の強度を「弱」「中」「強」と判断する具体例
・同僚等による暴行又はいじめ・嫌がらせが「強」の程度に至らない場合、心理的負荷の総合評価の視点を踏まえて「弱」又は「中」と評価する。

このような労災問題が発生しないように、上記の責務規定を事業主や「働く人」が守ることが求められます。

鹿児島労基 令和6年1月号掲載